保守党政権、下院の定数是正案を提出

与党は、最近の人口調査に基づく下院議席の是正案を提出した。
現在下院の定数は308議席だが、法案によると、2011年の国勢調査に基づき、オンタリオ州が10議席、ブリティッシュコロンビア州が７議席、アルバータ州が５議席増加し、議席を減らす州はないものとなる。
議席の変更は憲法改正を必要とするが、単に議席数のみの改正のため、連邦政府は州との協議なしに行うことができる。

自由党のスティーブン・オーエンは語った。
「これは、時々行われなければならないものだ。我々には、人口に沿って代表される原則がある。私は、これは歓迎される是正であると思う。」
しかし新民主党のポール・デュワーはこう語った。
「それは、包括的だろうか？ それは民主主義の改革と公正さに応ずるところか？ それは、カナダ人がただちに必要とするものか？ 答えはNoだ。」
ケベック連合のコメントについては、報道されていない。

この法案では、中部が10議席、西部が12議席増加することになる。アルバータは保守党の金城湯池で、おそらく増加する全議席が保守党のものになるだろう。ブリティッシュ・コロンビアは係争地域で、自由党・保守党・新民主党いずれも議席獲得が見込める。オンタリオも同様である。
この法案にケベック連合の賛成は得られないだろう。自由党は東部とケベックで強いことから、両地域で議席が増加しないこの法案は好ましくないように見えるが、ここ10年の間オンタリオでは自由党が圧倒的強さを見せ、また議席が増加するどの州でも議席獲得が見込めることから、自由党にとって確実な議席増加のチャンスと見たのだろう。新民主党は西部・中西部・オンタリオのみが地盤となっていることから、不満のないわかれであるように思える。保守党は増加する22議席のうち、保守党以外のものになる議席の方が多いだろうが、地盤のアルバータで確実に５議席追加できるのを良しとしたのであろう。