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市民権テストに合格できるカナダ人は23%

 7月1日は、カナダの建国記念日「カナダ・デー」である。レジェ社が6月23日から25日にかけて1512人の成人カナダ人を対象に実施した世論調査は、カナダ市民権テストに合格できるカナダ人が23%しかいないことを示した。
 カナダ市民権の取得を希望する者は、カナダ市民の権利と責任、カナダの歴史・地理・経済・政府・法律・シンボルについての20の質問に、75%以上正解しなければならないが、世論調査に回答した人の平均は49%だった。
 設問の例を挙げると、有名なカナダ人では「ジョン・バカンとはどういう人か」、歴史では「カナダで初めてヨーロッパ人の居留地を設置したのは誰か」、国家の象徴では「10ドル札の肖像は誰か」などである。なおジョン・バカンは第15代カナダ総督で小説家、カナダで初めてヨーロッパ人の居留地を設置したのは(CBCによると)フランス人(筆者はバイキングだと思うが)、10ドル札の肖像はバイオラ・デズモンドである。
 回答者にとって、歴史は最も不得手なジャンルだった。2006年に下院が「ケベコワは連合カナダにおいて国を構成する」と決議したことを知っていたのは、わずか24%だった。イングランドの植民が1610年から始まったことを知っていたのは、41%だった。
 有名なカナダ人と国家の象徴については、いくぶん成績がよかった。マージョリー・ターナー=ベイリーがオリンピック選手で黒人逃亡奴隷の子孫だと知っていたのは、49%だった。カナダのモットーが「海から海まで」だと知っていたのは、42%だった。先住民に関する設問は最も成績がよく、「ファーストネイションズ・メティス・イヌイット」と正しく回答できたのは79%だった。
 「カナダ人であることを誇りに思う」と回答したのは、81%だった。支持政党別にみると、自由党支持者は97%、新民主党支持者は87%、保守党支持者は76%、人民党支持者は45%だった。いっぽう「カナダ人であることを全く誇りに思わない」と回答したのは、6%だった。保守党支持者は8%、ケベック連合支持者は12%、人民党支持者は27%だった。
 ウェスタン大学で社会学を教えるハワード・ラモス教授は、人々は愛国的で、カナダ人であることに誇りを感じることなく、国家に忠実だと感じることができると語った。
「誰かがカナダ人であることを誇りに思わないと言うとき、それが愛国的でないことを意味しないことは、非常に重要だ。彼らが正しいと信じる方向と違う方向に国が動いていると見ていることを、それは意味するかもしれない。」
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