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BC州選挙で新民主党過半数 [バンクーバーとBC]

 10月24日に実施されたブリティッシュコロンビア州議会総選挙は、BC新民主党55(41)、BC自由党29(41)、BC緑の党3(2)(定数87議席、括弧内は解散時勢力)という結果となり、新民主党が過半数を獲得した。
 郵送による期日前投票が100万票近くあると見られるが、手作業での集計となり、かつ選挙法の規定により投票日の13日後以降でないと集計できないため、議席は完全には確定していない。ただし接戦選挙区は9つしかなく、3党の獲得議席がそれぞれ大きく隔たっていることから、大勢には影響なさそうだ。

 自由党と緑の党は、新型コロナがいまだ猛威を振るう中での総選挙実施について、ホーガン首相を攻撃した。だがホーガン首相は、与党に安定過半数を与えることは、約半数を占める強力野党自由党のいる状況下で緑の党との不安定な閣外協力を続けるより、有権者の利益になると信じさせることに成功した。

 BC自由党は、1991年以降で最低の結果に終わった。結党時は二大政党の一角だったが、社会信用党の台頭によって1952年に野党第2党となり、1979年から91年までは議席なしとなった。1987年にはカナダ自由党との提携を解消し、右傾化した。1991年、社会信用党の没落によって野党第一党となり、2001年から2017年まで16年間政権を担った。
 ウィルキンソン党首は、借家住まいを「人生の奇特な時期」と評し、持ち家を持ちたくても持てない人々の怒りを買った。また、ジェイン・ソーンスウェイト候補が新民主党女性候補に差別的発言をしたのに処罰されず、落選した。そしてウィルキンソン党首はその場にいて、笑っていた。また、産児制限を優生学にたとえたローリー・スローネス候補の公認を外すのに、不必要に手間どった。ウィルキンソン党首はついには、党内からも公然と批判された。彼は、党首に留まることはできないだろう。

 緑の党のソーニャ・ファーストノー党首は、総選挙公示のわずか7日前に党首に就任したばかりだった。アンドリュー・ウィーバー前党首は2019年10月、家庭内の事情を理由に、次の党首が選任されしだい辞任すると発表した。だが2020年1月、党首選を待たずに「私事」を理由に辞任した。彼は後に、LNGカナダ計画について新民主党政権に造反し、総選挙を戦う覚悟を決めたが、「多勢に無勢だ」と慰留され、離党すると緑の党を批判した。
 ファーストノー党首は、総選挙を次のように総括した。
「新民主党は、彼らの敵を一掃し、過半数を獲得するためにこの選挙を企図した。彼らは過半数を獲得したかもしれないが、有権者は責任ある政府を支えるため緑の党の議員たちを再選させている。彼らは半分成功したのだ。」
 苦戦が予想されていた緑の党は、現有2議員の再選に成功したほか、ウェストバンクーバー-シー・トゥ・スカイ選挙区でジェレミー・バレリオット候補を当選させ、改選議席を上回った。これは同党にとって、初のメインランド(本土)での議席である。
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高橋幸二

自由党のアンドリュー・ウィルキンソン党首は10月26日、党首を辞任した。
by 高橋幸二 (2020-10-29 22:37)