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シン党首、補選で苦戦か [新民主党]

 新民主党のジャグミート・シン党首は、バーナビー・サウス選挙区の補選に出馬する意向をすでに表明しているが、自由党は同選挙区に候補を擁立する意向を明らかにした。
 カナダは党首討論を重んじる伝統があるため、野党第一党の党首に就任した人が議席を持たず、補選に出馬した場合は、候補を擁立しなかったり選挙運動をしなかったりするのが慣例である。だが新民主党は、野党第二党である。政府筋によると、補選は新年早々に公示され、2月冒頭に実施されるという。
 バーナビー・サウス選挙区は、前身のバーナビー-ニューウェストミンスター選挙区も含めると2004年から新民主党が議席を独占している。とはいえ自由党候補と毎年接戦を繰り広げており、同選挙区の自由党員は、議席を得るためガチンコで戦いたがっていると自由党関係者は語った。
 最大野党の保守党は、弁護士のジェイ・シン氏を擁立することを決めている。人民党も、候補を擁立する意向を表明した。新民主党と政策的に極めて近い緑の党は、候補を擁立しないと発表した。

 野党4党首は10月下旬、トルドー首相に共同で書簡を送り、欠員の生じた選挙区ですぐに補選を実施するよう要請した。だが首相は、オンタリオ州リーズ-グレンビル-サウザンドアイランド&リドーレイク選挙区の補選一つを、12月3日に実施しただけにとどまった。
 野党4党首はさらに書簡を送り、首相を非難した。
「カナダの長年の伝統は、全ての欠員のための補選を同時に公示することだ。ところがバーナビー・サウス、ヨーク-シムコー、ウートルモンの33万4000人のカナダ人が代議員なしの状態が続く中、リーズ-グレンビルの補選を公示するのみに終わった理由について、あなたは明確な説明をしていない。」
 ただ一人、3選挙区の補選を先送りにしたことを批判しなかった野党党首は、人民党のベルニエ党首だった。彼が10月に新党を選挙管理委員会に登録したとき、60日経過しないと候補を擁立できなかったからである。
 シン党首は、トルドー首相の行動を「姑息な小細工」と批判し、こう述べた。
「トルドー首相がなぜ公示を先送りしたのか、私には定かではないが、住宅危機、処方薬のコスト、環境への脅威といった、バーナビー・サウスの人々にとって最も重要な問題を議論することに、わくわくしている。」
 だが首相は、シン党首が補選で8戦全敗している事実を挙げ、「聖人気どり」と皮肉った。

 11月19日に発表されたメインストリート・リサーチ社による世論調査は、同選挙区の過去の例とは異なり、シン党首が苦戦していることを示している。それによると同選挙区での政党支持率は、自由党36%、保守党29%、新民主党27%と、現時点では3位である。
 次の総選挙まであと1年もないが、もしシン党首が落選するようなことがあれば、党首に留まることは難しくなるだろう。とはいえ他党にとって、バーナビー・サウス選挙区の議席は一つにすぎず、全国的に特にケベックで人気のないシン党首を引きずり降ろすよりは、このまま党首に留まってもらい、次の総選挙を迎えた方が得かもしれない。

 法律により、下院に欠員が生じた場合、補選は6か月以内に実施しなければならない。よってケベック州ウートルモン選挙区は1月30日まで、ブリティッシュコロンビア州バーナビー・サウス選挙区は3月18日まで、オンタリオ州ヨーク-シムコー選挙区は3月30日までに実施しなければならない。
 政界引退していたジョー・クラーク元首相が、野党第4党の進歩保守党党首としてカムバックし、2000年の補選に出馬したとき、与党自由党は候補を擁立しなかった。最大野党のカナダ同盟と新民主党は候補を擁立したが、落選した。
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