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コーンウォリス総督像、布で覆われる [先住民]

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 ノバスコシア州ハリファックスのコーンウォリス・パークで7月15日、150人の市民が集まり、エドワード・コーンウォリス総督の像を撤去しようとした。市当局は混乱を回避するため、当面の措置として像を黒い布で覆った。

 ノバスコシア総督コーンウォリスは、1749年イギリス人入植者を連れて今日のハリファックスに入り、街と要塞を築いた。彼は事前にインディアンと協定を結んでいたが、相手は大半がニューブランズウィックのインディアンで、ノバスコシアのミックマック族の同意を得ていなかった。彼らは小規模な軍隊の駐屯は容認したが、大規模な植民は1726年の協定に反すると異議を唱え、イギリス人への攻撃を開始した(ル・ルートル神父戦争)。これに対しコーンウォリス総督は、ミックマック族の頭皮を剥いだら報奨金を払うと布告した。

 像に布がかけられると、抗議者たちは拳を挙げ、太鼓を鳴らして歌い、手をつないで像の周りを回った。ケープブレトンから来たインディアンのエリザベス・マーシャルさんは、次のように語った。
「これは私が経験した、最も喜ばしい日の一つだ。我々は常に排除されていたから、入植者たちと新しい関係を始めることを予期していなかった。我々は圧迫されていると感じ、声を上げられずにいた。だが今日、我々は声を上げた。」
 ディグビーから来たインディアンのパトリック・ルブランさんは、こう述べた。
「この人物は、我々の同胞の大量虐殺を象徴する。」
「これを毎日見るたびに、思い出す。そして、心が痛む。」
 ケープブレトンから来たインディアンのメリーアン・ジュンタさんは、像が布で覆われたことについて「当面は十分だが、いずれは取り壊されるべきだ」と語った。
 16歳の匿名の人物は、コーンウォリスの像について「ヒトラーの像をユダヤ人の街に置くのと同じ」と述べた。

 像は3メートル近い台座の上に乗っており、抗議者たちがどうやって像を撤去するつもりだったかは不明である。
 やがてイギリス国旗を掲げた少数のグループが乱入し、抗議者たちに怒鳴り始めたが、警察が事前に待機しており、大事には至らなかった。
 今年7月1日のカナダ・デー(建国記念日)には、行方不明となっている先住民の女性を記念する「哀悼式」が、コーンウォリス像の前で開催されている。この集会は、右翼団体「プラウド・ボーイズ」5人の乱入によって妨害された。5人はカナダ軍の軍人で、停職処分を受けた。
 コーンウォリス総督は、しばしば論争の対象となっている。コーンウォリス・プレイスは1995年、ハリファックス・サミット開催を記念して「サミット・プレイス」に改称された。またコーンウォリス中学校は、ハリファックス中央中学校に改称された。


写真:コーンウォリス総督像が黒い布で覆われ、歓喜する抗議者たち。
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