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国歌変更法案に上院で異論

 国歌「オー・カナダ」の歌詞を“all thy sons command”から“all of us command”に変更するC-210号法案は、2016年6月に下院を通過し、現在は上院の第三読会で投票を控えている。
 下院では全ての自由党議員と新民主党議員が賛成投票し、大多数の保守党議員が反対した。ミシェル・レンペル前西部経済多様化担当大臣やリサ・レイト前運輸大臣ら何人かの保守党女性議員は、賛成投票した。
 法案を支持する自由党議員らは、7月1日の建国150年祭までに法案が成立することを望んでいるが、一部の上院議員は、阻止することを目論んでいる。無所属自由党のジョーン・フレーザー上院議員は、訂正案を「ださくて、平凡で、つまらない」と評し、「文法的に誤り」であり「今日的価値を反映する誤った試み」だと述べた。
「我々が常に現代的でなければならないという考えにとらわれるなら、我々は遺産を失うことになる。」
「遺産は完全でない場合がある。私は提案したい。それは敬意を払い、受け容れるに値する。不完全ではあっても、我々の遺産だと。」
 彼女はまた、包括性が目的だというなら、キリスト教に由来する語句を放置しておくことは意味をなさないと指摘した。「オー・カナダ」の英訳詞に、ウィアの訳詞にはなかった“God keep our land glorious and free”の一節を加えたのは、ピエール・トルドー首相の政権だった。
「間違えてはならない。我々はキリスト教の神について言及しているのであり、あらゆる人の神についてではない。」
 保守党のマイケル・マクドナルド上院議員は、CBCニュースでこう語った。
「別の世代によって作られたあらゆるものを、常に修正し続けるなら、国家の象徴には価値がない。我々の歴史は、もはやこの国で何の意味もない。」
 彼は、「オー・カナダ」のオリジナルであるフランス語詞が「社会正義の戦士」を謳っているにもかかわらず、訂正を要求されないことに言及した。
「それはまぎれもなく、フレンチ・カナダの、カトリックの、民族主義的な戦いの讃歌で、おそらく包括的ではないが、それでも私は怒らない。それはまさに、カナダの歴史の一部だから。」
 彼は、言語学者に相談したところ、言葉が誤用されていることに多くの識者が同意したという。
「“all thy sons command”に代用できる正しい歌詞は、“all of our command”だという結論に達した。これは、意見ではなく事実である。」

 1980年の国歌制定以降、“sons”を除去するための歌詞変更法案が12回提出されたが、その全てが否決されている。
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