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アルバータ進歩保守党党首にケニー前国防相、保守合同に向け始動 [アルバータ]

 アルバータ進歩保守党は3月18日に党首選を行い、ジェイソン・ケニー前国防大臣が当選した。
 今回党首選は1985年以降で初めて、党員による直接選挙ではなく、代議員を選出する間接選挙となった。アルバータ州の87選挙区から15人ずつの代議員を選出するほか、前州議や党重役も代議員となり、総数1476票のうちケニー氏1113票、リチャード・スターク前観光・公園・余暇大臣323票、バイロン・ネルソン氏40票という結果で、1回目の投票で過半数に達し決着した。スターク候補とネルソン候補は、右翼の改革党出身のケニー氏による「進歩保守党乗っ取り」を警戒し、進歩保守党の伝統的な中道右派路線の維持を訴え、保守合同を否定し党改革を主張したが、大差で敗れた。
 当選したケニー新党首は、支持者に向けて演説した。
「今日は、この壊滅的な社会主義政権の終わりの始まりである。あなたたちは決めた、私たちは決めた、この増税の、雇用減らしの、借金好きで、意地悪な、役立たずの新民主党政権の敗北を確実にすることを。我々アルバータ州民は、我々の州を取り戻すために団結しつつある。」
 ケニー新党首は州議会に議席を持っていないが、自党の議員に辞職することは要請しないという。欠員が出るのを待って、補選に出馬するのだろう。

 ケニー新党首にとっては、党首選勝利は長い道中の一里塚でしかなく、これから本格的に公約の保守合同に向けて動き出すことになる。早速20日朝には進歩保守党幹部会でミーティング、昼からはワイルドローズ党のブライアン・ジーン党首と会談する。
 ケニー氏との会談について、キャサリン・オニール党理事長はうまく行ったと語ったが、トロイ・ウェイソン事務局長は辞表を提出すると発表した。これについてオニール理事長は、党重役の皆が保守合同に賛成しているわけではないと説明した。
 ケニー新党首は、この春のうちにワイルドローズ党との交渉を済ませ、初夏には党員による投票で承認され、11月までに結党大会を開催するというロードマップを明かした。
 だがジーン党首の構想は、同床異夢である。彼はあくまでも、ワイルドローズ党の枠組みの下で進歩保守党を吸収合併することしか考えていない。ワイルドローズ党はすでに「アルバータ保守党(The Conservative Party of Alberta)」という名称を登録し、自党の同意なしにはこの名称を使えないようにしている。
 アルバータ進歩保守党の元州議で、現在はカナダ保守党の下院議員を務めるロン・リーパート氏は、次の総選挙になってもまだケニー氏が進歩保守党党首のままでいることは大いにありえると語った。
「たとえば、ワイルドローズ党の党員が承認しないケースが考えられる。どちらか一方の党が、新民主党政権への現実的代替としての地位を失ったら、彼らはもはや政権奪回のため小異を捨てて大同につく意義を感じなくなるだろう。」
 なおアルバータの現行法では、政党は合併することができないため、2つの党は解党して新党結成しなければならない。
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