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「カナダの価値」問題、保守党党首選の争点に [保守党]

 保守党党首選に立候補を表明したケリー・リーチ前労働大臣が、「カナダの価値」について支持者に問うたアンケートは、同じく立候補を表明したライバルたちの間で論争をひき起こした。政治評論家のジェイソン・リーター氏は9月7日、ライバルたちに旗幟を鮮明にするよう強制することこそ彼女の狙いだと指摘した。

 立候補を表明したマクシム・ベルニエ元外務大臣は6日、「カナダの価値」が存在することには同意したが、移民に促進すべきなのは経済的機会を与え社会に溶け込むよう手助けすることだと述べた。
「新しくカナダ人になる人々とカナダで生まれる人々が、このような価値に同意すると私には言える。カナダの価値を促進する最善の方法とは、新しいカナダ人を我々の社会に確実に溶け込ませることであり、彼らにより多くの機会とより多くの自由を提供することである。」
 彼はまた、カナダの価値とは法の下の男女の平等であり、寛容と自由と尊重だと定義した。そして移民を調査するやり方は有効ではないと述べ、「過激イスラム教徒の問題は、移民だけのものではなく、この国で生まれる人々にも関係する」と語り、2014年に連邦議会銃乱射事件を起こしたマイケル・ゼハフ=ビボーがカナダ生まれだという事実を指摘した。
 立候補を表明したディーパク・オブライ議員は7日、自身がタンザニアからの移民として強く反応したと語った。
「それは、多くの移民たちに対し非常に侮辱的な感じがする。」
 立候補を表明したトニー・クレメント前予算庁長官は8日、リーチ氏の観測気球は正常なアプローチではないと語った。
「誰が良いカナダ人でありまたそうでないかを、政府に決めさせるために我々の経費を費やすことは、有益でもなければ望ましくもないと、私は思う。しかし、社会に脅威をもたらす人をふるいにかける能力は強化すべきだと信じている。」
「本来の焦点はそこであり、我々の社会に参入し続ける移民ではない。」
 立候補を噂されているリサ・レイト元運輸大臣(保守党の財務問題担当)は8日、リーチ氏は本来解決すべき問題に言及せず、ありもしないことを問題視して優先的に取り組もうとしていると批判し、自分は経済・児童の貧困・健康保険のような問題に専念したいと語った。なお自身の立候補については「決断した」と述べたが、何を決断したのかは明言せず、「私は、自分が何をしたいかわかっている」「自分の意思を表明する前に、舞台裏でするべき仕事がまだたくさん残っている」と煙に巻いた。
 アルバータ進歩保守党党首選に出馬するジェイソン・ケニー元市民権・移民大臣は9日、リーチ氏は自分の発言が悪影響をもたらすことを考慮せず場当たり的に発言していると批判した。
「私は真剣に彼女の立場には立たないし、彼女はこれまでそれを表明しなかった。」
「彼女はこのような発言について、議会や幹部会や閣議でこれまで何も言わなかった。このような問題にまつわるニュアンスを、彼女が理解しているとは私は思わない。統合について疑義を表明するなら、極めて慎重になる必要がある。」
 彼は保守党は移民の味方だと述べたが、保守党政権は外国人犯罪者のよりすみやかな強制退去を実現する法律を制定したと付け加えた。

 かくして「カナダの価値」問題は、党首選立候補を表明したあるいは検討しているライバルたちの立場を鮮明にさせることに成功したが、来週ハリファックスで開催される保守党幹部会は、この問題で紛糾することになるだろう。
 リーチ氏を擁護する意見は、保守党内や保守系新聞ですらほとんど見られないが、論争をひき起こした彼女自身は、謝罪も撤回もせず過激な発言を繰り返している。
「これは、カナダの価値を保護することである。女性が私有資産であり、彼女たちを叩いてもよく、売買もできると思っていたり、ゲイやレスビアンは石打ちの刑に処せられるべきだと信じていたりする人々は、カナダの価値に基づく私の意見と合致しない。」
 リーチ陣営の参謀ニック・クバリス氏は、ツイッター上で他候補を批判する発言を繰り返し、態度を鮮明にするよう挑発しているかのようだ。彼は7日、保守党の移民問題担当ミシェル・レンペル議員が、「私有地でのレイプは合法とすべきだ」と述べた有名ブロガー「ルーシュV」氏のカナダ入国を拒否すべきだと政府に要請し、「保守党政権は、前科がなくても憎悪や暴力を促進する人物の入国を拒否する権限を大臣に与えた」と語った事実を指摘した。
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