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自由党が補選で2議席獲得、支持率トップに

 11月25日に実施された4つの下院補欠選挙は、自由党と保守党が2議席ずつ分け合い、いずれの選挙区でも議席を維持する結果となった。
 オンタリオ州トロント・センター選挙区は、自由党のボブ・レイ前党首の選挙区で、自由党と新民主党の2人の女性候補による熱い戦いとなったが、作家でジャーナリストのクリスティア・フリーランド候補が制した。
 ケベック州ブラッサ選挙区は、モントリオール市長となった自由党のドニ・コデール元議員の辞職に伴う選挙で、自由党のエマニュエル・ドブール候補が当選した。
 マニトバ州ブランドン-スーリス選挙区は、保守党のマーブ・ツイード元議員の選挙区で、保守党が長年保持していた選挙区だが、保守党は候補者選定の過程で物議を醸し、分裂含みの選挙となったことから、保守党のラリー・マグワイア候補が自由党候補を391票差で制する接戦となった。
 マニトバ州プロベンチャー選挙区は、保守党のビック・テーブス前大臣の選挙区で、保守党のテッド・フォークス候補が当選した。
 自由党のトルドー党首にとっては、4つのうちの2議席を、鉄板選挙区とはいえ順調に獲得し、保守党が長年保持したブランドン-スーリス選挙区でも健闘するなど、新任党首として幸先のよいスタートを切り、自らを首相候補として強くアピールすることに成功したといえる。新民主党は、世論調査での支持率は低くなかったにもかかわらず、議席を獲得できなかった。与党保守党は、上院議員経費不正受給問題で支持率を落としていたものの、2つの鉄板選挙区を順当に保持した。

 イプソス・リード社は、補選直後の11月25日から27日にかけて、1014人の成人カナダ人を対象としたオンライン政党支持率調査を実施した(カッコ内は10月末の数字)。
自由党 35%(31%)
保守党 29%(30%)
新民主党 26%(31%)
ケベック連合 6%(6%)
緑の党 3%(2%)
 10月時点では保守党・自由党・新民主党の三大政党が横一線に並んでいたが、11月になると自由党が頭一つ抜き出ている。保守党はスキャンダルで騒がれているわりには支持率を下げてなく、新民主党の緩やかな支持者が自由党に流れていると考えられる。
 自由党は、3大州の全てにおいてもトップに立っている。オンタリオでは、自由党37%、保守党30%、新民主党29%と、自由党王国復活の兆しが見える。ケベックでは、自由党33%、ケベック連合27%、新民主党27%、保守党12%と、与党保守党が苦戦している。ブリティッシュコロンビアでは、自由党37%、新民主党30%、保守党28%と、ここでも自由党が7ポイントのリードを保っている。
 調査はまた、「何があっても必ず投票に行く」と回答した人が、保守党支持者では29%だったのに対し、自由党支持者では37%と、自由党支持者の方が投票意欲が強いことも示した。
 イプソス・リード社最高経営責任者のダレル・ブリッカー氏は調査結果について、ハーパー政権によるEUとの自由貿易協定締結などの功績も、上院議員問題などによって消される結果となっていると指摘した。また自由党は高い支持率を誇っているが、新党首就任直後にはよく見られる現象であり、次の総選挙はまだまだ遠いと指摘した。
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