カナダがハンガリーで亡命阻止キャンペーン [人権]
カナダ政府は1月、ハンガリーのミシュコルツで、近年とみに増加しているハンガリーからの不当な亡命申請を思い留まらせるための広告キャンペーンを開始した。
ミシュコルツはハンガリー第4の都市で、人口のおよそ2%がロマ族である。近年増加しているハンガリーからのカナダへの亡命申請のうち、40%がミシュコルツ出身者であり、カナダ政府はロマ族人口の多いこの街で、3000ドルを費やして6枚の広告を掲示した。広告には以下のように記されている。
「正当な理由なく亡命申請する者は、より迅速に処理され、より迅速に除外される。」
ハンガリーはここ3年間、カナダへの亡命申請者が最も多い国である。カナダ政府は移民政策見直しの一環として、ハンガリーは安全な民主主義国であり、同国からの亡命申請は異議申し立ての権利なしに送還されると発表した。
ジェイソン・ケニー移民大臣の広報担当は、次のように述べた。
「ハンガリー人による亡命申請のほとんど全ては、移民・難民審議会によって根拠がないと判断されるか、本人によって撤回されている。我々のシステムを悪用し、我が国の税金を不当に利用しようとする者たちに、カナダ人はこれ以上寛容であるべきではない。」
だが、2010年にハンガリーからカナダに移民したジュラ・ジュラス氏は、右翼のフィデス=ハンガリー市民同盟から選挙で投票するよう脅迫されたことが移住のきっかけだったと語った。
市民自由基金の創立者アラダール・ホルバート氏は、このような広告は極右による人種差別を助長することになると懸念した。
ミシュコルツの住人は「誰も我々を必要とせず、誰も我々を保護しようとしない。我々ロマ族にどこにも行くところがないと知れたら、差別はいっそうひどくなることだろう」とコメントした。
カナダは2012年、9月までにハンガリーから1883件の難民申請を受け、62件を許可し308件を拒否した。申請者自身が断念したのが68件、撤回したのが168件だった。
【参照】 日本人2名が難民申請「馬鹿げている」
http://blog.so-net.ne.jp/canadian_history/2010-03-03
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