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キャンベルBC州首相、辞任を表明 [バンクーバーとBC]

600_cp_gordon_101103.jpg ブリテュッシュコロンビア州のゴードン・キャンベル首相は11月3日、総理・総裁を辞任する意向を表明した。
 現職で最も古い州首相であるキャンベル首相は、わずか8か月前にはオリンピックの成功に輝いていた。ところが2009年5月の総選挙に勝利した数週間後、HST(州消費税と連邦消費税を合わせたもの)導入を発表すると、彼の人気は地に落ちた。
 ビル・バンダーザム元首相は、HSTの是非を問う住民投票を求める嘆願書に70万人以上の署名を集め、来年の住民投票を確実なものにした。そしてキャンベル首相の支持率は一時、9%にまで落ち込んだ。
 首相は支持率を回復すべく、10月25日に内閣改造を行い、それからテレビで15%もの所得税減税を公約したが、住民はただの人気取りと冷ややかな目を向けた。その後の世論調査は、それらの努力が支持率回復に全く作用していないことを明らかにした。
 自由党議員たちは、キャンベル降ろしを画策した。ブレア・レクストローム前エネルギー大臣は、HSTに抗議して大臣を辞任し、首相はオリンピックのあと速やかに辞任すべきだったと述べたが、首相は耳を貸さなかった。ビル・ベネット・エネルギー大臣も首相を公然と批判したが、キャンベル首相はベネットを処罰しなかった。そして、彼が長年のスタッフであるマーチン・ブラウン氏に新しい仕事を紹介したという事実は、彼が辞任する徴候とみなされた。
 実は今月19日と20日、ペンティクトンで開催される党大会において、キャンベル党首にとって絶望的な信任投票が行われるはずだった。4日の議員集会でそれが最終決定される予定になっており、この日はキャンベル党首にとって、不信任を回避する最後のチャンスだったのである。

 キャンベル首相は、26年にわたりバンクーバー市とブリテュッシュコロンビア州の行政に携わってきた。1984年にバンクーバー市会議員に当選し、1986年から93まで3期連続バンクーバー市長を務めた。市長としての業績にはEXPOランドの開発、イェールタウンの再開発、バンクーバー市立図書館新館の建設などがある。
彼が1993年に自由党党首に就任したとき、同党は50年以上も選挙に勝っていなかった。だが社会信用党の凋落と新民主党の汚職を踏み台に躍進し、2001年州議会選挙で49年ぶりに政権を奪回する。その後は戦後では3人目となる連続3選を果たし、ここ20年で最も成功した政治家となった。彼は2008年、保守系の首相としては初めて炭素税を導入した。2003年には、ハワイで飲酒運転で逮捕され、罰金913ドルを科されている。

 キャンベル党首の辞任により、自由党は彼が党首に就いて以来17年間で初めて党首選を行う。自由党のチャド・ペダーソン広報は、今月ペンティクトンで予定されていた隔年の党大会は、予定を変更し、自由党役員会が28日以内に開かれ、その後6か月以内に党首選を実施することになると述べた。
 ところでブリテュッシュコロンビア州では、総選挙の投票日は固定されており、次の総選挙は2013年5月14日に行われることが決まっている。ゆえにキャンベル首相の辞任により、次の首相は有権者の信任を得ることなく就任し、解散もできず2年を超えて在任する異常事態となる。さらに、キャンベル首相が約束したHSTの是非を問う住民投票も、後任首相に丸投げされることになる。
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 野党第一党である新民主党のキャロル・ジェームズ党首は、キャンベル首相の公共サービス切捨てや、最低賃金引き下げなどを挙げ、彼はようやく辞任するという正しい判断を下したと語った。また彼女は、現政権とつながりのない閣外から、党首選に立候補する人が登場することを期待するとも語った。
 いっぽうビル・ベネット・エネルギー大臣は「これは、首相の卓越した政治的な決断の一つである。我々は党を刷新し、次の州議会選挙で新民主党に政権を渡さない」と述べた。


写真上:辞任を表明するゴードン・キャンベル首相。
写真下左:次期党首本命のケビン・ファルコン厚生大臣。
写真下右:次期党首の呼び声高いダイアン・ワッツ・サーレー市長。
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