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中絶への障害 [人権]

abortion19nw1_jp_712983gm-a.jpg プリンスエドワード島に住む彼女は、午前2時に起床し、ニューブランズウィックへと続くまだ暗い夜道のドライブを開始した。人目を避けるため早朝に着いたフレデリクトンのクリニック前には、プラカードを持った運動家たちがすでに待ち構えていた。ロザリオを持った中年女性が、クリニックに入ろうとする彼女に向かって叫んだ。
「考え直しなさい!」

 彼女は言った。
「自分の住む州で中絶手術ができないなんて、おかしいわ。」
 モントリオール・トロント・バンクーバーのような都市在住者なら、中絶手術を受けるのに何の障害もない。だが田舎町では人目もあるし、信心深い人も多い。それで彼女は、4時間のドライブをしてまで他州に行かなければならないのだ。
 カナダでは1988年、妊娠中絶に関する一切の法律が廃止された。これにより、妊娠中絶は違法ではなくなったのである。だが中絶手術を希望する女性たちは、しばしば病院で中絶を非難する医師や看護師に出くわす。さらに中絶手術を受けるには、医師の照会が要る。しかしカナダ医師会は、医師は自らの良心に反する妊娠中絶を拒否できるものとしている。このような事情から、病院ではなくモーゲンテイラーの私営クリニックの門を叩く女性も多い。そこでは医師の照会は要らないからである。
 ある女性は語る。
「それぞれの段階において、障害、障害、また障害があります。人は、カナダでは中絶は自由だと言うけれど、大きな間違いです。それは一部の人だけです。」

 6月25日からハンツビルで開催されるG8サミットでは、妊娠中絶問題が議題に挙げられている。
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