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ワイルドローズ同盟のスミス党首、カルガリーから出馬の意向 [アルバータ]

 ワイルドローズ同盟のダニエル・スミス党首は1月5日、CTVの「カナダAM」に出演し、自身が早期に議席を獲得し、州議会入りしたいという意向を述べた。
「私はカルガリー出身で、そこには23選挙区がありますが、当面空席はありません。地元選挙区から出馬したいと考えていますが、もし補欠選挙があった場合、党首として立候補すべきかどうか真剣に検討しなければならないでしょう。」

 党首に議席がない場合、カナダでは若手議員が辞職して補欠選挙を行い、党首を立候補させるのが通例である。この場合、他党は選挙運動をしないことが多い。日本人には議席を私物化しているようで馴染みにくいが、カナダでは第一党の党首が総督から首相に指名されることになっているため、前の首相が辞任して次の党首を首相に指名するとき、その人が議員でないと議場に入れないので不都合が生じる。また野党第一党党首は「公認反対党党首」として影の内閣を組織し、公邸と公用車があてがわれることになっていて、公認反対党党首は首相と党首討論する義務があるから、議席がないと都合が悪い。このような事情から、カナダでは党首には易々と議席を与えるのである。
 カナダの現職首相では、マッケンジー・キング首相が1925年、キム・キャンベル首相が1993年の総選挙で落選している。後者は政権を失ったが、前者は第一党党首として首相に再任されたため補選を行った。なお日本では現職首相が落選した例はなく、首相経験者として片山哲が1949年と1963年、石橋湛山が1963年、海部俊樹が2009年に落選している。

 ところでワイルドローズ同盟は、2009年9月の補選で最初の議席を獲得している。この議員を辞職させると議席なしになってしまうし、新しく移籍した議員を辞職させることは、辞職するために移籍するはずもないからあり得ない。何よりスミス党首は絶大な人気で、確実に当選できる駒だから、わざわざ一人辞職させるメリットがない。
 次の補選がスミス党首の最初のチャンスになるだろうが、カルガリー地区でない場合は悩むことになるだろう。
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