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モントリオール大学事件、香港の戦い、そしてハリファックス大爆発 [犯罪・事件]

3398960「私たちは、フェミニストじゃないわ。」
 ナタリー・プロボストは20年前、マルク・レピンにそう訴えた。それは、クラスメートたちを救うためだった。彼女にとってフェミニストとは、何かと戦うことだと思っていた。
 だがレピンは耳を貸さず、銃を放った。プロボストは、奇跡的に生き残った4人のうちの1人となった。
 彼女は現在、日々忙しく働くケベック州政府の戦略局長である。
「自分がフェミニストだったと気づいたのは、それから何年も経ってからのことでした」。
 ジャン=フランソワ・ラリベーは、マリス・ラガニエとモントリオール大学で出逢った日の澄んだ青い瞳を覚えている。二人は将来の結婚を誓い合った。だが20年前の12月6日、彼女と13人の女学生がモントリオール大学で銃殺され、全ては破壊された。
 ノートルダム・バシリカで開催されたセレモニーで、ラリベーはこう語った。
「このような状況で私は、生き続けること、愛し続けることの尊さを知った。」
 そして彼は、その後20年にわたり銃規制強化運動に取り組んできたことを、マリスはきっと誇りに思ってくれるだろうと語った。

 保守党政権は、長銃登録制度を改正し骨抜きにすることを目論んでいる。ハーパー首相はこの日、訪問先の香港で戦没者墓地を訪れ、64年前の12月7日、日本軍と戦って戦死したカナダ兵に黙祷を捧げ、こう述べた。
「祖国に奉仕した人々に、我々は永遠の感謝を捧げる。我々はまた、アフガニスタンや世界中のどこかで、我々の価値を守るために奉仕している人々に心をとめる。それは我々の生活とカナダ、強くて自由な真の北国を守る、カナダ軍の男性と女性である(It is the men and women of the Canadian Forces who defend our way of life and keep Canada, the true north strong and free.)」
 ハーパー首相は、いっぽうでは銃の所持を自由化し、もういっぽうでは治安を守るため銃を持つ部隊を海外に派遣することに、何の疑問も感じていないようだ。

 12月6日はまた、92年前に人類史上最大の爆発事件「ハリファックス大爆発」が起こった日でもある。ハリファックスではこの日記念集会が開催されたが、生存者はほとんどが100歳以上で、その数は年々減少している。作家のブレア・リードはこう語った。
「もしあなたの家族に事件の生存者がいたら、時を待ってはいけません。おじいちゃん・おばあちゃんに今すぐ、話を聞きなさい。」
 生存者のセシリア・クーレン(92歳)は、事件のときは生後10日だったと言う。
「私は年をとりました。それが今日来た理由です。いつの日にか、私は次のセレモニーまで生きられないと思うようになるでしょうね。」
 彼女はそう言って笑った。


●モントリオール大学銃乱射事件
http://mixi.jp/view_bbs.pl?page=1&comm_id=1611536&id=14224023
●香港の戦い
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●ハリファックス大爆発
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写真:トロント大学構内に設置された、モントリオール大学銃乱射事件の犠牲者を覚えるキャンドルライト。
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