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トイレで嬰児を出産し遺棄した女性に無罪 [犯罪・事件]

2952254 2007年5月に起きた、スーパーのトイレで女性が嬰児を出産し遺棄した事件で、サスカチュワン高等裁判所は6月24日、被告に無罪を宣告した。
 エイプリル・ハルケット被告(22)は2007年5月21日、サスカチュワン州プリンスアルバートのスーパー「ウォルマート」を訪れたとき、気分が悪くなった。トイレに入った彼女は、股間から出血しており、やがて嬰児が出て来て便器に落ちた。嬰児は青ざめていて、呼吸はしておらず、動かなかったという。彼女は嬰児が死んでいるものと思い、そのまま放置して、辺りの血を拭き取って立ち去った。その後、店員が嬰児を見つけて引き出すと、呼吸を始めたという。店内のカメラの映像から、ハルケット被告が4日後に逮捕された。
 ハルケット被告は、自分が生きた子供を出産したことを知らなかったと一貫して主張し、検察が主張した嬰児遺棄の容疑を否認した。彼女は、家で3度行った妊娠試験の結果が陰性であり、しかも月経があったので、自分が妊娠8か月ということを知らなかったと主張した。
 被告側弁護士のエイジェイ・クライシャンは、子供を始末したかったのなら被告はウォルマートのトイレを選ばなかっただろうと弁論した。また彼女がもう一人の子を産んで育てていることや、その嬰児(最初の子)の親権を得るための申請もしているという事実を指摘した。被告側証人の医師は、女性が妊娠していることに気づかないことはあり得ると証言した。実際嬰児は、青ざめていて数分間呼吸しない場合もある。
 ジェニファー・クラクストン=ビッツコ検事は、ハルケット被告の恋人はその子の父親ではないため、子供が欲しくなかったのだと反論した。
 ニール・ガブリエルソン判事は、被告が初めから嬰児を置き去りにすることを予定していたという合理的疑いを、検察は証明していないと判断した。
「これは遺棄とは言えず、予期せぬ出産と青白く動かない嬰児を見て驚愕する若い女性の反応である。被告は子供をトイレに置き去りにした際、明らかに不適切に対処した。しかし被告の行動が怠慢であっても、それは犯罪ではない。」
「被告は驚き混乱して、何があったかを誰にも語らずトイレから立ち去ったが、嬰児を遺棄するつもりはなかったと私は感じた。子供が生きているとわかったとき、被告はすぐに子供は自分のものだと認め、すぐに会うことを求めた。これは、子供を遺棄するつもりだった人の行動ではない。」
 検察は、控訴を検討している。


写真:エイプリル・ハルケット被告
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