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新民主党、東部で初の政権獲得 [ノバスコシア]

 6月9日に実施されたノバシコシア州議会選挙は、新民主党31議席、自由党11議席、進歩保守党10議席(定数52)となり、西部とオンタリオに勢力を持つ新民主党が、東部で初めて政権を握ることになった。解散時勢力は進歩保守党21、新民主党20、自由党9、無所属1、欠員1。
 新民主党は州都ハリファックスとその周辺で圧勝し、進歩保守党は地盤のメインランドの議席を多数失った。自由党はケープ・ブレトン島の地盤を死守した。新民主党は10年続いた進歩保守党政権に終止符を打つとともに、ノバシコシア州における二大政党制に風穴を開け、三党鼎立時代の始まりを告げた。ノバシコシア州は、2003年から3回続いた少数政権から、6年ぶりの安定政権に転じる。

 新民主党は1998年、カリスマ的な若い党首ロバート・チゾムの下で、それまでの3議席から与党自由党に並ぶ19議席に躍進し、政権獲得寸前まで迫った。だが翌年の総選挙では、チゾム党首に飲酒運転で起訴された過去があったことを暴露され、敗北した。チゾム党首が辞任すると、党はその後党内抗争の時代を迎えた。だが2001年に就任したダレル・デクスター党首は、長い診療待ち時間と緊急棟閉鎖などの医療サービス低下や、ガス代高騰など生活に密着した問題に取り組み、有権者の心を掴んだ。
 選挙戦は、与党進歩保守党が「危険な新民主党」はバラマキ政治で財政を破綻させるとラジオで連呼し、新民主党への組合献金疑惑も取り上げ、端からネガティブ・キャンペーン一色となった。ロドニー・マクドナルド首相は、デクスター党首を車泥棒に譬えた。だがデクスター党首は、次年度の予算は赤字にしないと公約し、穏健な中道の政策に徹した。
 歴史的な勝利を受けて、デクスター党首はこうコメントした。
「ノバスコシアの市民は今日、歴史的な選択をした。私は真摯に、新民主党の新しい責任を担っていく。」
 敗れた進歩保守党のマクドナルド首相は「ノバスコシアの市民は、今こそ変わるべき時だと言っている。その決定を受け容れることは容易ではないが、私はその決定を尊重する。(While it's not an easy decision to accept, it is a decision I respect.)」と語った。
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