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ディオン党首を連立政権首班に [2008年政治危機]

 自由党幹部会は12月1日、ステファン・ディオン党首を連立政権首班とすることを満場一致で決定した。党首選に立候補した3人の候補が早々とディオン首班で合意したため、この方面での攪乱を狙っていたハーパー首相の目論みは潰え、政権交代はほぼ確実となった。
 会議を終えると、党首選に立候補した3人の候補はインタビューに答えて、ディオン首班を容認する見返りに閣僚ポストを得る取引はないと述べたが、現職の閣僚が党首選に出馬した前例はあると指摘し、連立政権に入閣することは何ら党首選を戦ううえで妨げにはならないと語った。
 ボブ・レイ議員はこう語った。
「引き返すことはない」。
 マイケル・イグナティエフ議員は、以下のようにコメントした。。
「財務上の責任から、私は協定を支持する。党が選出したリーダーであるステファン・ディオン氏が国を導く唯一の人物だということで、我々3人は一致した。閣僚の選任は首相の専任事項であり、それは私でも、ドミニクでも、ボブのものでもない」。
 ドミニク・ルブラン議員はそこでこう答えた。
「マイケルは、常に正しい!」

 この日ハーパー首相が議場に入ると、保守党議員からスタンディング・オベーションで迎えられたが、ロブ・ニコルソン法務大臣とストックウェル・デイ貿易大臣は席についたままだった。
 一度は死んだつもりだったディオン党首もまた、自由党と新民主党議員からスタンディング・オベーションで迎えられた。党首討論で彼はこう詰め寄った。
「総理は、自分がまだ議会で信任されていると思いますか?」
 それは勝者が敗者に、敗者が勝者に変わった瞬間だった。
 ハーパー首相は、こう答弁した。
「私は、彼は首相になりたいのだと思う。彼はカナダの歴史上最大の政治的ゲームを仕掛けている。自由党の党首は無謀にも、世界的な経済危機において、社会主義者と分離主義者の拒否権の脅威の下で政権を運営しようとしている」。
 そして、1月27日に予定されている予算案発表まで待つことを野党に求めた。
 ジム・フラハティ財務大臣は、自由党を「悪魔と取引した」と非難し、新民主党についても「経済の基本さえ知らない」と一蹴した。

 ハーパー首相は11月28日、10月の選挙に敗れた野党による政権奪取は非合法だと訴えた。だが自由党と新民主党は、ハーパー氏が2004年、マーチン内閣を打倒し総選挙を経ずして野党連合政権を樹立するという手紙をクラークソン総督に書いた事実から、それは終わった話だと主張した。手紙にはこう書かれていた。
「我々は、下院で過半数を構成する野党の協議が成立に近づいていることを、謹んでお知らせする。解散の要請はあるべきだが、閣下は憲法上の権限を行使する前に、野党党首に意見を聞いて全てのオプションについて考慮すべきであると我々は確信する」。
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