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「世界で最も暮らし易い都市」ランキング、バンクーバーが1位 [バンクーバーとBC]

 イギリスの経済誌「エコノミスト」が世界132都市の暮らしやすさを比較分析する「世界で最も暮らし易い都市」ランキングで、バンクーバーが1位に選ばれたことが8月23日、明らかになった。バンクーバーは同調査で5年連続1位。
 1位に選ばれた理由は、犯罪率が低い、テロ攻撃の標的になる可能性が低い、交通、通信の基盤が確立しているなど。
 2位はメルボルンで、以下ウィーン、パース、トロントの順。ニューヨーク、東京、ロンドン、パリ、香港などの大都会は、交通難、犯罪率などで順位が低くなっている。


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高橋 幸二

http://mediasabor.jp/2007/12/post_279.html
 『世界で最も住みやすい町 “The world’s most livable city”』は、毎年The Economist Intelligence Unit (http://www.eiu.com)が発表している。今年は、2位にメルボルン(オーストラリア)、3位にウィーン(オーストリア)が選ばれ、同じカナダでは5位にトロントがランクインした。

 犯罪率・テロの危険性の低さ、公共交通機関やインフラの整備などがこうした都市が上位に選ばれた理由だと解説している。132都市を対象とするこの調査内容には、他にも生活水準の高さ、エンターテインメントや文化的イベント、教育、医療などが含まれている。

 さて、5年連続にもかかわらず、なぜ今年はバンクーバーで市民の反応が悪かったのだろうか?

 その最大の理由は住宅事情だ。バンクーバーは最近日本のバブル期を思わせるほどの不動産ブームで、土地や家の価格が高騰し続けている。今年9月現在の平均価格は568,498カナダドル(Canadian Real Estate Association調べ)。これには、メトロ・バンクーバー(バンクーバー市およびその周辺21市・1地区、約200万人の生活居住地区を指す)の、分譲の一戸建て、タウンハウス、コンドミニアムが含まれている。去年比で12%増、4から5年前の約2倍となっている。

 フリーペーパー24hrs (http://www.24hrs.ca) にこの1週間、“Cost of Living”と題したシリーズのおもしろい記事が載っていた。それは生活にかかる費用をテーマごとにカナダ各都市を比較したもので、第1回が住宅事情だった。

 その中で、今の状況では一般サラリーマンが分譲で住居を購入する場合、例えば年収6万ドル(約660万円/1カナダドル=約110円換算)の人でも、給料の約70パーセントを住宅ローンの返済に充てなければ購入できないという実例を挙げていた。

 これがバンクーバーの一般市民の厳しい現実だ。自分の家を持つことが非常に難しくなっている。ちなみにカナダの他の都市はというと、2番目に高いのがカルガリーで415,391ドル(前年比21.4%増)、3位はトロント372,480ドル(5.6%増)。こうしてみてもバンクーバーが突出しているのがわかる。

 さらに、分譲が軒並み高騰しているため、それに比例するように賃貸も高くなっていて、手頃な価格で住みやすい住居を見つけるのが非常に困難になっている。だから「住むところもないのに、何が世界一住みやすい町だ」ということになるのである。

 その他にも、生活に直結するものが相次いで値上がりしている。項目のひとつにもあった公共交通機関。メトロ・バンクーバーでは、バスとスカイトレイン(モノレールのような乗物)が町を網羅している。これらは州政府直轄の機関が管轄で、現在は1ゾーン2.25ドル。1月1日には2.50ドルに値上がりする。

 これはカナダのケベックシティ(ケベック州)とエドモントン(アルバータ州)と同じ金額で、最も高いトロント(オンタリオ州)、モントリオール(ケベック州)の2.75ドルに続く。それでもそれほど高くないのでは? と思うかもしれないが、5から6年前までは1.75ドルで運行していたのだ。

 さらに交通機関といえばBC州では自動車が主要だが、ガソリン代はカナダで最も高い。現在1リットル1.09ドルから1.10ドルである。

 電気代も値上げされることが今年秋に発表された。上がるのは一般家庭用のみ11%で、商業用、工業用が値下げされることへの埋め合わせだ。値上がりすると、1カ月1000kWhを使用する計算で月73ドル。「それでも北米の都市では3番目に安い価格だ」とBC州の電気会社BC Hydroは胸を張っている。トロントは同じ計算方法で月111.39ドル、シアトルは月81.95ドル、ニューヨークは230.36ドルと算出されている(Source:Revenue Requirements Application。金額はカナダドル換算)。

 ここまで読んで「やっぱり世界の他の都市に比べれば住みやすいのでは?」と思った人がいるかもしれない。しかし、問題は住んでいる私たちがもはや住みやすいとは感じていないことだ。

 4、5年前までは、環境から生活までを含めて本当に「住みやすい」と感じていた。だからこそ『世界一』の称号を心から誇りに思っていた。しかし今はこの称号に『疑問符』がつく。

 疑問符を増やす原因は他にもある。カテゴリーにも含まれている医療に関しても、BC州は病院数、ベッド数が足りなくて、患者が廊下まであふれ、診療まで何時間も待たされるという状況が続いている。ひどい場合は、隣の州やシアトルにまで実費で行かなくてはならない場合もあり、これでは安心して病院を利用できないという声がある。カナダの場合、病院は全て州政府の管轄で、建設するとなると州予算から捻出しなくてはならない。BC州政府はこの点にあまり力を入れていないという現状もある。

 そして住宅、医療と同じくらい大きな問題となっているのが犯罪の増加である。今年に入って、バンクーバーでは凶悪犯罪が急増している。今、本当にこの町の『安全神話』が崩れようとしている。それは、ニューヨークや東京がたどってきた『世界一』の称号からの脱落も意味する。これに関しては次回に詳しく説明したいと思う。
by 高橋 幸二 (2008-02-11 23:43) 

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