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ジョイ・コガワハウスがオープン [バンクーバーとBC]


 バンクーバー南部、グランビルストリートと64thアベニューの交差点から東に1ブロック入ったところにある旧ジョイ・コガワ邸は、一時は危惧された取り壊しを免れ、9月17日ジョイ・コガワハウスとして一般公開された。ここはカナダを代表する日系女流作家ジョイ・コガワ氏が、6歳まで暮らした生家である。またコガワ氏の小説「オバサン」(邦題「失われた祖国」)や「エミリー・カトウ」の舞台となっている場所でもある。
 旧コガワ邸保存運動の発起人であるトッド・ウォン氏は「この家はジョイさんにとってとても大切な特別な場所なのです。今回初めて一般に公開することができたことは本当にうれしいです。バンクーバーにとってもカナダにとってもこの場所こが誇りとなるような、例えて言えば『赤毛のアン』の家や『アンネ・フランク』の家のような存在にしたいと思っています」と語った。またこの日立ち会ったジョイ・コガワ氏は「こんなに多くの人が訪れてくれて感激しています。この日が本当に実現するとは今でも信じられません。この家をこうしてみんなの力で取り戻すことができたとことが重要だったと思います。」「あの部屋の窓から見える景色は「オバサン」の一場面なのよ」と語った。
 ジョイ・コガワ氏は1935年、聖公会牧師中山吾一の長女としてこの地に生まれた。だが中山家は第二次大戦中の1942年にスローカンの強制収容所に送られ、邸宅は同意なく没収され他人の手に移った。その後所有者が変わるたびに多少の改築が行われたが、ほぼ当時の姿で残っている。
 旧コガワ邸はコンドミニアム建設のため、2006年3月30日に取り壊しが予定されていた。そこで非営利団体ブリティッシュコロンビア州資源保存管理局(TLC、現在のコガワハウス委員会)は、125万ドルの資金を調達して旧コガワ邸を買収しようと試み、募金運動を始めた。バンクーバー市議会も、4月30日までの期限延長を決定した。募金運動には550人もの人々が応え、ヨーク大学教授連盟は1000ドルを寄付した。4月30日の期限までに集まった募金額は23万ドルにとどまったが、TLCは所有権をまず得ることで取り壊しを回避することが先決とし、購入に踏み切った。
 
 
写真:コガワ・ハウス前に立つジョイ・コガワ。


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