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カナダのメディアは天皇退位問題をどう報じたか [日本]

 日本の明仁天皇(82)は、珍しい国民へのビデオ演説で月曜日、年齢が彼の任務の完全な遂行を困難にするかもしれないことを憂慮すると語った。発言は、高齢の君主が退位したいことを示唆するように思われた。
 全国的にテレビ放送された発言では、戦後の憲法において与えられた地位である「国の象徴」として、天皇の任務を減らすことには限度があるとも語った。
 公共放送局NHKは先月、心臓の手術と前立腺癌の治療を受けた明仁が、近代日本では例のない退位を望んでいると報じた。
 かつては神聖視されていた天皇は、憲法で国と国民の統合の象徴と定義され、政治的権限がない。明仁は、退位したいと率直に述べるには至らなかった。それは、政治干渉と解釈されることがありえるからだ。
「次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」と、彼は述べた。
 世論調査は、大多数の普通の日本人は退位したいという天皇の要望に同意することを示しているが、そのようなやり方は法律の改正を必要とする。
 明仁は近年公務を減らし、56歳の徳仁皇太子に任せている。だがそれにも限度があったと、彼は語った。
 彼はまた、自分が機能を果たせなくなったとき、徳仁が摂政として引き継ぐことができる現行システムに則ることが適切かどうかに、疑問を投げかけるようだった。
「天皇が未成年であったり、重病などによりその機能を果たし得なくなった場合には、天皇の行為を代行する摂政を置くことも考えられます。しかし、この場合も、天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま、生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません」と、明仁は述べた。
 安倍晋三首相は、天皇の年齢と彼の公務の負担からすれば、どんな措置をとることができるか考えることが必要だと語った。

 退位についての考えは、伝統主義者にとって憎悪の対象である女性の即位およびその子孫への皇位継承に議論が発展することを懸念する、安倍保守派の支持母体から反対をひき起こした。
 徳仁には、娘(訳者注※名が記されていない)がただ1人いる。男性だけが皇位を継承できるので、徳仁の後の皇位は彼の弟アキシノ親王(訳者注※正しくは文仁親王)に、それから9歳の甥悠仁に渡る。
 退位に関する議論に集中することは、保守派が第二次大戦惨敗の象徴とみなす、アメリカに起草された平和憲法を改正するための安倍の政治的エネルギーを逸らすことを、彼らは懸念する。
 明仁は、その名において戦争した彼の父裕仁の死後、皇位に就いた。彼は海外へ旅行する際、アジアでは対立をなだめようとし、君主制を人々により近いものにしようとした。
 ビデオ・メッセージで語ることは、明仁にとって2度目だった。最初は2011年3月、大地震と津波と核危機が東北に打撃を与えたときである。

(訳者注※皇族の呼称については、原文のまま諱を使用した。)
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