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「ピーゲート事件」:顧客のカップに放尿した保守党候補、公認取り消しに [2015年下院選]

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 保守党のジェリー・バンス候補が、家屋施工業者だった3年前に顧客のマグカップに放尿していたことが発覚し、公認を取り消された。新たな候補は、まだ発表されていない。
 CBCテレビは2012年、悪質な家屋施工業者を糾弾する目的で、「マーケットプレイス」という番組を放送した。その中で、番組に登場した業者「ジェリー」は、CBCが用意したおとり主婦の家に訪問し、彼女が席を外している間に、隠しカメラがあることを知らず、キッチンシンクに置かれていたマグカップに放尿した(ペニスは映っていない)。彼はそれから尿をシンクに流し、マグカップを水ですすぎ、シンクに置き去りにした。この人物が、トロントのスカボロー=ルージュパーク選挙区に保守党から立候補しているバンス候補だという情報が9月6日に寄せられ、保守党は翌日、公認を取り消した。彼は2006年と2008年にも同じ選挙区から出馬し、2位で落選している。
 バンス候補は、「エクスプレス機器サービス」を25年間経営してきた。彼は声明で、次のように述べた。
「私がその日とった行動を、深く後悔している。私は仕事に誇りを持っている。その日起きたことは、私のプロとしてあるいは人としての評価を反映するものではない。3年前にとった30秒の行いは、私の人生をすっかり変えてしまった。」
「私には健康上の事情があり、緊急を要する状況にあった。」
 だが彼は、「健康上の事情」が何であるかについて、具体的に説明しなかった。そして立候補の辞退は、自主的な決定だったと強調した。

 事件は、ハーパー首相がトロントに遊説に入る前日に発覚した。翌7日には、トロント=ダンフォース選挙区のティム・デュトード候補が身体障害者を嘲る動画をアップロードした件で、公認を取り消された。ハーパー首相は7日にトロントに入ったが、この2人の候補についてコメントを求められ、こう答えた。
「我々は候補には非常に高い基準を求めていて、この2人はもはや公認候補ではないということだ。」
 レイバーデー・パレードのためトロント入りしていた新民主党のマルケア党首は、ユーモアたっぷりにこう述べた。
「これは、保守党からの予期せぬマグショット(※犯罪者の写真)だ。」
「これは、ハーパー首相のトリクルダウン(※したたり落ちる)経済理論に精通した人に違いない。」

 ツイッター上では、この「ピーゲート事件」をめぐり悪ふざけ投稿が相次ぎ、祭になっている。
「6歳の娘がパンツを穿いたまま粗相をしてひどく落ち込んでいたので、マグカップにしなかっただけましだよと慰めてやった」
「今後は、コーンフレークにおしっこしたのは誰かときかれたら、保守党候補だよと答えるのが適切な対応だ」
「こんなことが許されるのは、マイク・ダフィーのキッチンだけだ」
「カナダ保守党(Conservative)は、もはや進歩保守党(Progressive Conservative)ではない。バンス候補は『ラージP』なのか『スモールp』なのか、はっきりさせてもらおうじゃないか」(筆者注※「ラージC」は固有名詞としての保守党員で、「スモールc」は普通名詞としての保守系のこと)
などのほか、しまいにはJerry Bance's Mugを名乗る人物が現れ「インタビューに応じる用意がある」とつぶやく始末である。ほかにも、マグカップを持ったバンス候補とハーパー首相が並ぶ合成写真「マグショット」や、保守党の選挙ポスターのパロディで「ハーパーに投票しよう さもないとお前のマグカップに放尿するぞ!」などの画像も作成された。


写真:番組でマグカップに放尿する寸前のバンス氏。

●問題の動画
http://www.cbc.ca/marketplace/episodes/2012-episodes/when-the-repairman-knocks
23分40秒あたりに放尿シーン。
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