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反ユダヤ主義教育で免職されたキーグストラ元教諭が死去 [人権]

image.jpg 反ユダヤ主義の授業を行い免職となったジェームズ・キーグストラ元教諭が、6月2日に死去していたことがわかった。80歳だった。
 キーグストラ氏は、アルバータ州エクビルの高校教師だった1984年、「生徒に反ユダヤ主義の言説を為し定義可能な集団に対する憎悪を促進した罪」で、刑法第319条第2項により起訴された。彼は授業中、ユダヤ人を「同情を得るためホロコーストを捏造した悪魔の手先」「凶悪かつ危険で、世界恐慌・アナーキズム・戦争の元凶」、またドイツ第三帝国を「この世の楽園」と評し、彼の理論に基づく試験を実施した。保護者から抗議を受け、学校側からも教科書と教育課程に基づいた授業をするよう注意されたにもかかわらず、改めようとしなかったため、教育委員会によって免職処分を受けた。
 キーグストラ被告は一審で、刑法第319条は憲法が定めた表現の自由に反すると主張したが、認められず、5000ドルの罰金刑を宣告された。
 アルバータ高裁での二審判決も、200時間の奉仕活動・執行猶予1年の有罪であった。
 そこで被告は、判決は「思想・信条・意見・言論の自由と出版・通信の自由」を定めた1982年憲法第2条(b)に反するとして上告した。さらに、刑法第319条第3項の「語った内容が真実であることを証明した場合は、罪に問われない」とする規定は、「独立して公平な裁判所によって、公平で公開の審理により、法に従って有罪と認めるまで無罪と推定される権利を保証する」と定めた1982年憲法第11条(d)に反すると主張した。被告のこれらの主張により裁判は、カナダのみならず国際的注目を浴びることとなった。
 連邦最高裁は1990年12月、被告を有罪とした一審・二審判決を支持し、また刑法のヘイトプロパガンダを禁じた条文は合憲と判断した。
 なおキーグストラ被告は1986年、社会信用党の党首選に出馬し落選している。
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履歴書の封筒

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
by 履歴書の封筒 (2014-06-20 10:55) 

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