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進歩保守党が歴史的12選、ワイルドローズ党を一蹴 [アルバータ]

 4月23日に実施されたアルバータ州議会総選挙は、進歩保守党61議席(66)、ワイルドローズ党17議席(4)、自由党5議席(8)、新民主党4議席(2)(定数87、カッコ内は解散時勢力)という結果となり、進歩保守党が歴史的な連続12選を達成した。進歩保守党の政権は現在41年間続いており、次の解散時には、カナダ史上最長政権であるノバスコシア州自由党政権の43年を超えることが確実視されている。
 世論調査で常にトップに立っていたワイルドローズ党は、総選挙の終盤に来て、ロン・リーチ候補の「シーク教徒やイスラム教徒は同胞にのみ語りかけるが、白人は全ての人に語りかける。私は白人だからアドバンテージがある」発言や、アラン・ハンスパーガー候補の「同性愛者は死後も永遠に火の海で焼かれる」発言によって、偏狭なイメージを持たれた。また、ダニエル・スミス党首がこれらの発言について批判や処分を行わなかったことも、疑問視された。同党はスミス党首のイメージを前面に押し立てて戦ったが、メディアは常に隠しアジェンダがあると疑った。
 若いスミスを党首に担ぎ、フレッシュなイメージで臨んだ同党は、とどのつまりは「田舎の守旧派」に過ぎなかった。カルガリーとエドモントンは44議席を持つ大票田だが、ワイルドローズ党は前者で2議席・後者で0議席に終わり、大都市から完全に閉め出された。対照的に進歩保守党は、カルガリーで20議席・エドモントンで13議席を獲得した。
 レジェ・マーケティング社の世論調査は、有権者の5分の1が最終週になっても誰に投票するかを決めかねていたことを示した。自由党は2008年総選挙では得票率26%だったが、今回はわずか10%に減少している。二つの保守党の争いの中で埋没していた中道・左派の支持者が、右翼のワイルドローズ党政権を阻止するため、戦略的に進歩保守党に投票したことはほぼ確実だろう。これについてスミス党首は「レッドフォード首相は、自由党員と新民主党員の支持を得て党首選に勝利したときと同じことを、今夜もしたのです」と語った。

 エド・ステルマック前首相が辞意を表明したとき、進歩保守党は四分五裂の状態にあった。長期政権への倦怠感、相次ぐ離党者、3年間開催されていなかった委員会の委員に月給1000ドルを支給していたこと、「スミス党首はなぜ自分で子を産まないのか」発言などで、未曾有の混乱にあった。そんななかで党内最左派のアリソン・レッドフォードが党首に当選したのは、ワイルドローズ党を強く意識した結果だろう。彼女は中道・左派の有権者に直接アピールはしなかったが、同性婚や中絶問題を取り上げることで間接的にはアピールしたようだ。
 歴史的な選挙を圧勝で飾ったレッドフォード首相は、こう述べた。
「進歩保守党には進歩的で、かつ保守的な歴史がある。我々は、この2つの伝統を誇りに思う。我々は、アルバータ州のチャンピオンであり、カナダのチャンピオンである。」
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写真:衛視の服装で“STOP HARPER'S GANG!”のプラカードを持ったブリジット・ドパープさん(右)に、投票所で待ち伏せされるダニエル・スミス党首(左)。
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