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自由党暫定党首にイグナティエフ、「角福怨念」に終止符 [自由党]

 自由党執行部は、12月10日、マイケル・イグナティエフ議員を暫定党首に指名した。暫定党首の任期は2009年5月まで。5月の党首選で正式な党首が選出されるが、他の候補は全員リタイアしたため、イグナティエフが再選される見通し。
 イグナティエフは今後の方針についてこう述べた。
「必然的に連立ではなく、必要なら連立」。
 右派の彼は左派連立とは距離を置いていたが、1月27日に召集される連邦議会において、しゃにむに倒閣運動に邁進するのではなく、ハーパー政権が上程する予算案の内容を見てから判断することを明らかにした。つまり彼は、2つの選択肢を持つことになる。

 かつてトロント大学の同級生であり、ルームメイトであり、今は宿敵のボブ・レイ候補は12月9日、党首選リタイアを発表した。彼は幹部会でリタイアの理由を説明したあと、イグナティエフを賞賛し、彼と抱き合った。60歳のレイは、自由党党首への挑戦を永久に断念すると語った。それは、2年以上にもわたり自由党を抗争と分裂に招く恐れがあった「角福怨念」の歴史に、終止符を打った瞬間だった。
「涙をこらえるのがやっとだった」と、ホール・フィンドレイ議員は語った。

●マイケル・イグナティエフ暫定党首
 作家、グローブ&メイル紙記者、報道キャスター、ケンブリッジ大学・オックスフォード大学・ハーバード大学・トロント大学教員を歴任。19世紀ロシアにおいて彼の家族が経験した歴史を綴った1987年の小説「ロシアのアルバム」でカナダ総督賞、1994年の小説「血と絆:新しい国家主義への旅」でゴードン・モンテドウ賞、2000年の小説「バーチャル・ウォー:コソボとその後」でオーウェル賞を受賞。マクリーンズ社の「1997年カナダ人トップ10」、「2002年社会に影響を与えたカナダ人50人」に選ばれ、2003年にはカナダの「最もセクシーなインテリ男性」に選ばれている。
 長年執筆活動を続けてきた彼は、2006年総選挙で自由党の目玉候補者としてエトビコーク=レイクショア選挙区から出馬し、初当選して政治家としてのスタートを切る。イラクとアフガミスタンへの軍事介入は、カナダとアメリカで不評をかっているにもかかわらず、彼は2003年のイラクへの軍事介入に賛成を表明し、2006年保守党政権によるアフガニスタン派兵延長にも賛成し、投票の後でハーパー首相はイグナティエフに駆け寄って握手した。またイスラエルによるレバノン攻撃を戦争犯罪だと指摘して、ユダヤ・コミュニティの支持を失った。
 2006年党首選では、各種世論調査で常時1位を走ってきた大本命だったが、ライバルのレイとの潰し合いとなり、3位・4位連合を結んだディオンに漁夫の利をさらわれた。
 人生の大部分をカナダの外で費やし、当選2回で議員歴はわずか3年である。
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