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カナダの人口4000万に

 カナダ統計局は6月16日、カナダの人口が4000万人に達したと発表した。同局が設定している「人口時計」のカウンターが同日15時直前、4000万を超えた。
 カナダの人口が3000万人に達したのは、1997年だった。今の傾向が続くなら、5000万人に達するのは2043年と予測されている。カナダの年間人口増加率は2.7%で、ベビーブームの1957年以降で最も高い数字となっている。
 トロント大学で地理を教えるマッティ・シミアチスキ教授は、退職するベビーブーマー世代の代わりとして、移民は重要だと指摘したが、同時に、彼らのための住宅価格は高騰しており、その供給は課題だと語った。今年4月の平均住宅価格は、71万6000カナダドル(約7300万円)だった。
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連合保守党過半数、世紀の激戦を制す [アルバータ]

 5月29日に実施されたアルバータ州議会総選挙は、連合保守党49(52.6%)、新民主党38(44.0%)、緑の党0(0.8%)、アルバータ党0(0.7%)(定数87議席、括弧内は得票率)という結果となり、与党連合保守党が「世紀の激戦」を過半数で制した。ウンコ発言のジェニファー・ジョンソン候補は当選したが、連合保守党は過半数を大きく上回っているため、彼女を会派から除いても過半数を維持できる。二大政党以外の諸党は、今回も議席を獲得できなかった。
 ダニエル・スミス首相は、勝利を宣言した。
「親愛なるラルフ・クレインの言葉を言い換えよう。プレーリーにおけるもう一つの奇跡へようこそ!」
 ケニー首相が党首だった1年前まで、連合保守党は支持率で新民主党に大きく差をつけられ、総選挙敗北は必至の状況だった。だが10月にスミス党首に代わると支持率を上げ、両党は抜きつ抜かれつのデッドヒートとなった。テレビ討論を機に頭一つ抜き出た連合保守党が、辛くも逃げ切った。

 (1) 「主戦場」カルガリーの攻防
 新民主党は大都市エドモントンを固めたが、連合保守党は地方に強い基盤を持っている。多くの批評家は最大都市カルガリーを主戦場だと言い、二大政党も時間と資金の多くをカルガリーに費やした。しかし新民主党が勝利するには、カルガリー26選挙区の大多数を制する必要があった。だがカルガリーの12選挙区が850票差以内で決着するという激戦において、連合保守党はカルガリーの12選挙区を死守した。新民主党は躍進を期したカルガリーにおいて、ニコラス・ミリケン精神保健大臣を落選させる戦果を挙げたものの、半数に当たる14選挙区しか取れなかった。なおカルガリー-アケイディア選挙区ではタイラー・シャンドロ法務大臣が7票差で落選しているが、票の再集計になるだろう。
 カルガリーでの得票率は、2008年総選挙では進歩保守党46%・自由党34%・ワイルドローズ党9%・新民主党4%だったのが、2023年総選挙では新民主党49%・連合保守党48%・アルバータ党1%と、新民主党が(おそらく自由党の票を奪い)躍進して第一党となったものの、圧勝できず十分ではなかったのだ。
 マウント・ロイヤル大学で政治学を教えるロリ・ウィリアムズ准教授は、こう指摘した。
「都市と地方の分裂は、重要だ。アルバータ州民の中に、連合保守党の内にすら、分裂がある。」

 (2) 現首相と元首相、嫌なのはどっち?
 ノトリー党首は、スミス政権が継続すれば公営医療は後退し民間医療がはびこると、彼女のマニフェストを攻撃した。スミス首相は、ノトリー政権になれば炭素税を課され、法人税増税で景気は悪化する、それでもノトリー政権に戻りたいかと警告した。だが政策論争は表向きのことで、選挙運動の実質は互いに相手を攻撃することだった。
 人々は「連合保守党と新民主党のどちらに投票する?」とは言わなかった。彼らは「スミスとノトリーのどちらに投票する?」と言っていた。実際には多くの政党・候補が出馬したにもかかわらず、マスコミは二大政党にばかり焦点を当てた。そして最大野党の党首は期待の新人ではなく、元首相だった。選挙戦は未来への展望ではなく、現首相と元首相の過去の実績を攻撃するものとなった。
 アバカス・データ社は世論調査で、スミス首相を好きな人38%・嫌いな人47%、ノトリー党首を好きな人39%・嫌いな人46%という結果を明らかにした。現首相も元首相も断然嫌われており、選択肢が2つしかない中で、有権者は自分の嫌いな方を阻止するため相手に投票していた。これが「世紀の激戦」の実態だった。
 どんなに嫌われても、スミスは勝った。ノトリー党首は「党首を続ける」と発表したが、総選挙で2連敗を喫した彼女が留任できるかどうかはわからない。
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連合保守党候補、トランスジェンダー生徒を「ウンコ」に喩える [アルバータ]

 連合保守党のジェニファー・ジョンソン候補が2022年9月、フェイスブックでトランスジェンダー生徒をウンコにたとえた投稿をしていたことが発覚した。
「去勢された人々が大学に入ったからと言って、それが何だというのか。クッキーを味わうがいい。私はそこにスプーン1杯のウンコを入れるだけだ。」
 この発言は19日に報じられ、ジョンソン候補は謝罪し動画を削除したが、ダニエル・スミス党首(州首相)は24日、ジョンソン候補が当選しても幹部会に入会させないと発表した。
 同じラコンブ-ポノカ選挙区から出馬する新民主党のデーブ・デイル候補は、スミス党首はジョンソン候補を除名すべきだと語った。
「ジェニファー・ジョンソンの奇怪で憎悪に満ちた見解は、議会に居場所を持たない。」
「私自身が教師として、彼女のコメントは弱い立場の子供たちを危険に晒していると言うことができる。公的に排泄物と比較された生徒たちの苦痛を、私は想像できない。」
 29日に実施される総選挙で、連合保守党は新民主党と未曾有の接戦を展開している。立候補の締め切りは過ぎていて、今の候補を下ろしても代わりの候補を立てることはできない。不適切な候補を立候補辞退させることができず、当選しても会派に入会させないという奇妙な結論は、候補を下ろすと選挙区を新民主党に取られてしまうからだろう。
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アルバータ総選挙、連合保守党が僅かにリード [アルバータ]

 338カナダが5月25日に実施した世論調査によると、政党支持率は連合保守党51%、新民主党45%、アルバータ党1%という結果となった。二大政党は長い間、抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げていたが、18日のテレビ討論以降、与党連合保守党が頭一つ抜け出した。
 ここから導き出される予想獲得議席は、連合保守党47(39~59)、新民主党40(29~48)、アルバータ党0(0~0)(定数87議席、括弧内は最小値~最大値)となり、未曾有の接戦を連合保守党がわずかな差で勝利できそうだ。

 「主戦場」カルガリーでの支持率は、新民主党49%、連合保守党43%、アルバータ党6%と、新民主党が戦いを優位に進めている。新民主党は都市部で強く支持されているが、連合保守党は地方とカルガリー南部で優位を固めており、第一党の地位をほぼ確実なものにしている。連合保守党は、55歳以上の男性に圧倒的に支持されている。女性と35歳以下と大卒以上では、新民主党が支持されている。
 なおアルバータ州では、過去に少数政権が成立したことはない。戦後最も接戦だった1997年総選挙では、与党と最大野党の議席差は19だった。
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アルバータ州総選挙へ、まれに見る接戦か [アルバータ]

 アルバータ州のダニエル・スミス首相は5月1日、副総督公邸を訪問し、州議会の解散を上奏した。サルマ・ラカニ副総督はこれに同意し、29日の総選挙を公示した。解散時勢力は連合保守党60、新民主党23、無所属2、欠員2(定数87議席)。
 法律で次の総選挙は29日までに実施することが決められていたため、驚きはなく、各党は満を持して選挙戦に突入した。与党連合保守党は、対コロナ政策のまずさから低支持率にあえいでいたが、ケニー首相が辞任してスミス首相と交代すると支持率を上げ、その後は新民主党と抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げている。レジェ社が4月28日から5月1日にかけて1000人を対象に実施したオンライン世論調査によると、政党支持率は新民主党45%、連合保守党43%、アルバータ党4%、自由党3%、ワイルドローズ独立党1%となっており、近来まれに見る接戦になることが予想される。

 新民主党は、エドモントンとその周辺の20選挙区で優勢に立っている。いっぽう連合保守党は、地方の41選挙区で優勢となっている。カルガリーを含む残りの26選挙区が、今回総選挙の主戦場となろう。そのような事情で、連合保守党のスミス首相と新民主党のノトリー党首(元首相)の双方が演説をカルガリーで始めたのは、偶然ではないだろう。
 スミス首相は演説で、年収6万ドル以下のカテゴリーを新設し、彼らに20%の減税を約束した。ノトリー党首は、社会問題化している病院での長い待ち時間に対し、病院の新設、学校の新設、グリーンラインLRTの延伸を公約した。
 前回総選挙で小政党は一掃され、議会は完全な二大政党制となった。アルバータ党のバリー・モリシタ党首は、有権者が嫌っている候補や政党を阻止するため、彼らが好きでもない、最も力があると思われる党に投票するという行為が、小党の進出を阻み、議会をより対立的にしたと語った。
「多くの有権者が、二つのうちのどちらかという二者択一の選挙をしている。」
「真に重要なのは、問題を異なる視点から見るブルー(※保守党)でもオレンジ(※新民主党)でもない議員を議会に送ることだ。」
 自由党から出馬するドンナ・ウィルソン候補も、これに同意する。
「互いに泥を投げ合っている2つの政党より、もっと多くが必要だ。」
「彼らの力学ばかりに、焦点が当てられてきた。政府は本来何をすべきかという観点を、彼らは見失ったと思う。」

 マウント・ロイヤル大学で政治学を教えるロリ・ウィリアムズ准教授は、総選挙の鍵はカルガリーにあると語った。
「勝利への全ての道はカルガリーを通る。新民主党の地方での支持は強くないので、彼らは相当な議席をカルガリーで獲得する必要がある。連合保守党も同様に、カルガリーでいくつかの議席を拾わなければ、勝利はおぼつかない。」
 カルガリー大学で経済学を教えるリンゼイ・テッズ准教授は、低所得者ほど税に敏感なので、スミス首相の公約は有権者の心に響くだろうと評価した。だが、それは不安定な石油ロイヤリティへの依存を高めることになり、この減税策は長続きしないだろうと警告した。また同じくカルガリー大学のトレバー・トンブ教授は「どこかで減税すれば、どこかで増税される」と懐疑的に語った。
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【世論調査】カナダ人の多くは国王夫妻にも君主制にも反対

 5月6日に予定されているチャールズ三世の戴冠式が、近づいている。アンガス・リード研究所が4月10日から12日にかけて、2013人の成人カナダ人を対象に実施したオンライン世論調査は、カナダ国民の多くは国王夫妻に悪い印象を抱き、君主制の続行にも懐疑的であることを示した。
 まず、戴冠式に「非常に関心がある」は9%、「関心はありいくらかは視聴する」は20%、「さほど関心はないが多少は読む」は29%、「関心はない」は41%だった。
 「チャールズ三世を元首に戴く」ことに賛成は40%、反対は60%だった。
 「チャールズ三世に好印象を抱く」は28%、「好印象を抱かない」は48%だった。
 「国王に宣誓し“God Save the King”を歌う」ことに賛成は36%、反対は64%だった。
 「カナダの通貨にチャールズ三世の肖像を載せる」ことに賛成は38%、反対は62%だった。

 カミラ夫人の称号は、即位当初は「王妃」(Queen Consort)だった。これはおそらく、亡くなった先の女王(Queen)との混同を回避するためだったと思われる。ところが戴冠式の招待状には「王后」(Queen)と記されていたため、一部で物議を醸した。
 「カミラ夫人を国王の妻として認めるか」という設問では、「強く同意」が9%、「やや同意」が25%、「やや反対」が25%、「強く反対」が41%だった。
 「カミラ夫人への印象は」という設問には、「非常に好印象」が18%、「非常に悪印象」が54%、「どちらでもない」が28%だった。
 回答者の21%は「彼女は王后と呼ばれるべき」、19%は「王妃と呼ばれるべき」、60%は「どちらも呼ばれるべきでない」と回答した。
 王族に好印象を抱いているのは、チャールズ三世に28%、カミラ王妃に18%、ウィリアム皇太子に53%、キャサリン皇太子妃に56%と、次世代の皇太子夫妻ですら高くはなかった。

 君主制については、賛成が27%、反対が52%、どちらでもないが21%だった。反対と答えた人の88%は、王室との関係を断つための憲法改正論議を望むと回答した。なおケベックでは、君主制に反対は66%だった。
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オトゥール前党首、引退を表明 [保守党]

 保守党のエリン・オトゥール前党首は3月31日、今のセッションが終了しだい議員を辞職し、政界から引退すると表明した。
 オトゥール氏は、ジョン・オトゥール州議の子としてモントリオールに生まれた。ロイヤル・ミリタリー・カレッジを卒業後空軍に務め、ダルハウジー大学で法学を学び弁護士となった。
 2012年、オンタリオ州ダラム選挙区の補選に出馬し政界入りし、当選4回。2015年には、ハーパー内閣の退役軍人大臣を務めた。
 2017年の党首選では3位に敗れたが、2020年の党首選では本命視されたマッケイ候補を破り当選した。彼は「真のブルー・トーリー」を掲げることで右派のポワリエーブル氏を不出馬に追い込み、また脱落したスローン候補やルイス候補の右派票を取り込んで最終的に勝利した。
 こうして右派に担がれて当選した彼だったが、党首に就くと総選挙に勝つため、右翼的政策・発言を抑制するようになる。2021年総選挙では、自由党と変わらないような政策を掲げて敗北し、支持者を失望させた。2022年1月に発生した「フリーダム・コンボイ」では、ポワリエーブル氏ら右派議員が積極的に支持したのに対し、オトゥール党首は「彼らの話を聞きたい」として支持を明確にしなかったため、右派議員が党首の信任投票を要求し、不信任した。
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連邦警察のラッキ長官、辞意を表明 [新型コロナ]

 ブレンダ・ラッキ連邦警察(RCMP)長官は2月15日、辞意を表明した。3月17日に辞任する。
 2022年の緊急事態法発動は、野党などから強く批判されている。これに関する公聴会で彼女は証言しているが、その対応について辞任を迫られていた。公聴会についてのルロー判事による報告書が、近日公表されることになっていた。

 彼女は2018年4月16日、女性では初の長官に就任した。連邦警察は、元女性警官による2件のセクハラ訴訟を起こされ、ボブ・ポールソン長官(当時)が公式に謝罪し、その辞任を受けてラッキ副長官が昇格した。彼女は、連邦警察には有毒な社風があると認め、その改善を約束したが、それには時間がかかると語った。

 連邦政府がカナダに入国するトラック運転手にワクチン接種を義務づけたのに対し、運転手らがトラックで道路や国境を封鎖する抗議行動「フリーダム・コンボイ」に打って出たが、政府は2022年2月14日緊急事態法を発動し、これを強制排除した。
 緊急事態法の発動は適切だったかどうかについて公聴会が開催されたが、ラッキ長官は発動の1日前にメンディチーノ公安大臣に「既存の法律を通じてすでに利用可能な全ての手段をまだ使い切ってはいないというのが私の見解です」「今起きているさまざまな刑法上の犯罪に対し、既存の権限で告発できる場合があります」「これらの既存のツールは、我々の既存の計画で考慮されており、必要に応じて適宜使用されます」という電子メールを送っていたことがわかった。彼女は13日と14日の閣議に出席しているが、「発言するよう招待されていなかった」ため、緊急事態法発動なしに既存の法律の範囲で解決する計画の具体的内容については、伝えなかった。なおカナダ安全保障情報局(CSIS)は13日、フリーダム・コンボイは国家安全保障に対する脅威ではないと答申している。
 アルバータ州のタイラー・シャンドロ法務大臣は、長官の解任を要求した。
「非常事態法に訴えるという決定の前に、彼女は利用できる全ての法の執行オプションを連邦内閣に知らせることを怠った。」

 保守党のグレン・モーツ議員は、ラッキ長官の辞任について次のように述べた。
「私が思うに、彼女はこの政府や大臣の思惑に引っ張られすぎた。不運だったと思う。」
「彼女が退任して、元気に過ごしてくれたらいいと願っている。」
 新民主党のピーター・ジュリアン議員は、ラッキ長官の退役生活が幸福であるよう願うとともに、制度的人種差別と責任の欠如は彼女の任期中に解決しなかったと強調した。
「次の長官がこれらの問題に対処し、連邦警察がこれらの問題の解決を始めることを確実とするよう、連邦政府が考慮することを望んでいる。」
 彼女は2020年、連邦警察に制度的人種差別はあるかと問われ、「言葉を選ぶのに苦労した」と語ったことで批判された。
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イスラモフォビア対策特別代表がケベック蔑視発言を謝罪 [ケベック]

Amira-Elghawaby-e1578951997522.jpg アミラ・エルガワビー イスラモフォビア対策特別代表は2月1日、ケベック人に関する過去の発言について謝罪した。
 彼女はエジプト人の両親から生まれ、カナダに移住してカールトン大学を卒業後、カナダムスリム女性評議会やカナダ民族関係財団などで働き、CBC(カナダ放送協会)やトロント・スター紙などでもジャーナリストとして活動してきた。1月26日に史上初めて、カナダ政府の代表として「イスラモフォビア対策特別代表」に就任したばかりだった。

 問題とされたのは、ケベック州議会に提出された、公務員の宗教的シンボル着用を禁止する第21号法案について、彼女が2019年にオタワ・シチズン紙に掲載した発言だった。
「残念ながら大多数のケベック人は、法の規定によってではなく、反イスラム感情によって動かされているように見える。」
 彼女はそのコラムの文中で、ケベック人の88%が第21号法案を支持することを示したレジェ・マーケティング社による世論調査についても言及している。なお第21号法案は、その合憲性についてケベック控訴裁で審理中で、結論は出ていない。
 ケベック連合のブランシェ党首は1日朝、発言の撤回を求めた。
「私には、彼女がケベックを知らないとしか考えられない。彼女は我々の歴史を知らない。私は市民として、党首として、人類学者として、彼女とケベックの歴史について語り合えたらうれしい。」
 エルガワビー特別代表は同日、ブランシェ党首と会談し公式に謝罪した。
「私がケベック人を傷つけたことを、大変申し訳なく思う。」
「私が書いた言葉とその方法が、ケベックの人々を傷つけたと思う。私はこれまで、人々の意見を注意深く聞いてきた。あなたの話はすでに聞いており、あなたがどう感じているかは承知している。申し訳ない。」
 彼女は会談の後、ブランシェ党首との会談は「建設的」で「互いの意見を聞く良い機会」だったと語った。

 ケベック州のジャン=フランソワ・ロベルジュ フランス語担当大臣は、エルガワビー特別代表がブランシェ党首との会談に先立ち、自分の発言を正当化しようと動いていたことを強く問題視した。
「彼女は、反ケベック感情によって打ち負かそうとしているかのようだ。」
「彼女がしたことの全ては、彼女の憎むべきコメントを正当化しようとすることだった。」
「彼女は辞任しなければならない。そして彼女がそうしないなら、政府はすぐに彼女を取り除かなければならない。」
「彼女が謝罪したことは喜ばしいが、彼女はなおも辞任しなければならない。」
 保守党のポワリエーブル党首は、イスラムフォビアと戦う努力を支持はするが、ケベック人を侮辱する人物を選んだとしてトルドー首相を批判した。
「トルドー首相は反ケベック・反ユダヤ・反警察発言をした人物を登用し、またしてもカナダ国民を分断する道を選んだ。彼は、人種差別とイスラムフォビアと戦い我々みんなを一つにまとめてくれる人を任命するべきだ。」
index.jpg トルドー首相(※ケベック人)は1日、エルガワビー特別代表の謝罪に先立ち、次のように語った。
「宗教的シンボルに関するケベック人の見解は、人種差別に由来するものではなく、抑圧的な教会の下で生活してきたケベックの歴史に由来するものだ。」
「ケベック人は、人種差別主義者ではない。」
「ケベック人はほかの多くのカナダ人と同様に、個人の権利と自由を強く擁護する人々である。」
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バーゲン前党首が政界引退 [保守党]

 保守党のキャンディス・バーゲン前暫定党首は2月1日、下院議員を辞職し政界から引退した。彼女は同日ツイッターの動画で、次のように述べた。
「私が引退を決めたのは、私が疲れたからでも息切れしたからでもない。実のところは、正反対だ。私は希望に満ちていて、なおも充電されていると感じる。」
 だが彼女は、今後の身の振り方について何も語らなかった。

 バーゲン氏は2008年下院議員に当選(当時の名はキャンディス・ヘップナー。後に離婚して旧姓に復す)し、ハーパー内閣の閣僚を務めたほか、副党首・暫定党首も務めた。
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2022年カナダの十大ニュース [十大ニュース]

 ●当ブログが選ぶ2022年カナダの十大ニュース
1.フリーダム・コンボイに緊急事態法
2.保守党がオトゥール党首不信任、ポワリエーブル新党首に
3.エリザベス二世崩御、チャールズ三世即位
4.アメリカで中絶合法の判決覆る
5.フィオナ東部襲来
6.ジェームズ・スミスで12人殺害
7.ホッケーカナダで性的暴行、不透明な示談金支払い
8.ローマ教皇訪問、寄宿学校を謝罪
9.アルバータ州首相にスミス、アルバータ主権法成立
10.トルドー首相国葬キャンセル、G7首脳ゼロに


 ●トロントニシティが選ぶ2022年カナダ十大ニュース
https://torontonicity.com/2022/12/28/top-10-news-stories-in-canada-in-2022/
1.フリーダム・コンボイ
2.カナダ銀行利上げ
3.エリザベス女王崩御
4.オミクロン株流行
5.フォード首相、教育労働者のストを禁止する法律制定
6.風邪とインフルエンザの薬不足
7.ロジャース通信障害
8.ポワリエーブル保守党党首に
9.教皇フランシスコ、寄宿学校について謝罪のためカナダ訪問
10.ジェームズ・スミスで大量殺人

 ●CBCキッズニュースによる2022年22大ニュース
https://www.cbc.ca/kidsnews/post/the-top-22-news-moments-from-2022
1.フリーダム・コンボイ
2.ワードル人気
3.北京五輪と外交的ボイコット
4.ウクライナ戦争
5.ウィル・スミス、アカデミー賞会場でクリス・ロックに平手打ち
6.新型コロナパンデミック続行
7.諸物価高騰
8.教皇謝罪
9.イーロン・マスク、ツイッター買収
10.ユバルデで銃乱射
11.ロウ対ウェード判決覆る
12.ユーチューバー「テクノブレイド」死去
13.TikTokミーム
14.ハリー・スタイルズとテイラー・スウィフト、新記録
15.エリザベス女王崩御
16.イランでの抗議
17.ハリケーン・フィオナ
18.宇宙での発見
19.環境活動家、美術品に食物
20.世界人口80億に
21.カニエ・ウェストがツイッター凍結
22.アルゼンチン、ワールド・カップ優勝
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2022年今年話題の人物に「フリーダム・コンボイ」 [今年話題の人物]

 カナディアン・プレスは12月20日、2022年「今年話題の人物」に「フリーダム・コンボイ」を選出した。複数が選出されるのは、2006年の「カナダ軍」、2007年の「RCMP(カナダ連邦警察)」、2018年の「フンボルト・ブロンコス」、2020年の「前線で働く人々」、2021年の「寄宿学校から帰らなかった子供たち」に続き6度目となる。
 フリーダム・コンボイへの投票は49%だった。2位はエリザベス二世の28%だった。
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アルバータ主権法が可決 [アルバータ]

 アルバータ州議会(連合保守党60、新民主党23、無所属2、欠員2)は12月8日、アルバータ主権法案を可決した。
 第一読会から第三読会まで、野党新民主党はその全部に反対票を投じた。第一読会での反対投票は、非常に珍しいことである。与党連合保守党は、全ての読会で審議を打ち切る動議を可決させたため、法案は1週間でスピード可決された。新民主党は第三読会で議事妨害を行ったが、無駄だった。なお多くの批判を呼んだ、内閣が州議会の同意なしに法改正できるとした条項(いわゆる「ヘンリー八世条項」)は、政府の修正案で削除された。

 スミス首相は第三読会で、トルドー政府との関係をリセットするときだと演説した。
「これは、オタワが中央政府であることとは異なる。」
「我々の国が機能する方法は、我々が主権を持ち独立した管区の連邦だということである。それらは憲法の署名者の一つであり、憲法の署名者である我々の残りは、管轄の我々自身の領域で我々の主権を働かせる権利がある。」
 アルバータ主権法の起草者とされる、カルガリー大学で政治学を教えるバリー・クーパー教授はこう評した。
「この法律は基本的に、残りのカナダに我々はもう利用されるつもりがないという政治的アナウンスである。」
 新民主党のレイチェル・ノトリー党首は、何が合憲であり何が合憲でないか、それを裁判所ではなく議会が決めるようになるなら、法案には途方もない欠陥が残り、また連邦法に抵抗するよう地方自治体・保健所・学校・市警に指示する内閣に、幅広い未定義の力を与えると懸念した。
「ダニエル・スミスを支持する多くの人々とバリー・クーパーは、アルバータの過激な極論者のために話す。」
 また彼女は、スミス首相が法案提出前に先住民に意見を聴取することに失敗したと指摘した。
 連邦のトルドー首相は、アルバータ主権法はスミス首相が連邦政府に戦いを仕掛ける政治的ツールにすぎないと語った。
「私は、アルバータ州政府と戦うことに興味がない。」
 彼は、オタワと州の関係は親と子の関係とは違い、各々が異なる管轄と責任を持つから、州政府は連邦政府が同意しない法律を進めることはできるが、最終的な解決は裁判所にあると指摘した。
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アルバータ主権法案を提出 [アルバータ]

 アルバータ州のダニエル・スミス首相は11月29日、公約していたアルバータ主権法案をついに州議会に提出した。
「我々は過去に異なるものを試したが、機能しなかった。」
「それで我々は、新しい何かを試すことにした。」
 だがその「新しい何か」とは、議会の同意なしに政府が法律を改正できる、いわゆる「ヘンリー八世条項」だった。

 (1) 法学者の反応
 法案は「既存のあるいは予想される連邦の法または政策が、憲法に反しているかまたはアルバータ州・アルバータ州民・アルバータ経済に有害である場合」に、それを阻止するため「地方自治体、教育委員会、高等学校、地方警察、地域の保健当局、および州政府から資金提供されているあらゆる団体に、州の資金を強制執行に使わせないよう内閣が指示できる」と規程している。ただし法案は、カナダ憲法を無視するのを認めていない。さらに法案は、州議会を経ずに州法を改正できる権限を内閣に与えている。
 このような内容は、州政府が一方的に連邦権限を否定するものであり、また三権分立の原則を覆すものとして、法学者から強い批判を受けている。
 アルバータ大学のエリック・アダムス教授は、次のように述べた。
「州議会が、州の組織に連邦法を遵守しないよう命じる憲法上の権限が存在するかどうかを諮問した例は、これまでにない。」
「連邦法への拒否あるいは不服従を命令する権限が州にあると、憲法が規定している場合にのみ、そうすることができる。」
「『有害な法律』の定義は、広範囲かつ拡張性がある。そう、有害さの基準は、見る人の目にある。そして党派的な世界では、あなたが政治的見解に反すると考えるものは、何でも有害となる。」
 そして「ヘンリー八世条項」については、「これは異常事態だ。前代未聞だ」と一蹴した。
 トロント大学のデビッド・シュナイダーマン教授も、懸念を表明した。
「連邦法を修正することは彼らの権限の範囲内でないと、私には確信を持って思える。それがアルバータ州法なら、彼らはアルバータ州議会を迂回している。」
 彼はまた法案が、アルバータ州議会を連邦法の合憲性を審査する裁判官にすることを懸念すると述べた。
「州は連邦政府と合法的な憲法上の紛争を抱えることがありえるが、それは公平な第三者である裁判所に行く。」
 オタワ大学のカリシマ・マセン教授も、同意する。
「州が連邦法の効力を無効にする根拠は、憲法上明らかに存在しない。」
 カルガリー大学のイアン・ホロウェイ学部長は、一連の動きを「策略」と評した。
「これは、専門家としての私の生涯で初めて見る、明らかな反憲法的策略だ。スミス首相は、政治的なチキンゲームをしている。」
 ジャック・メージャー元最高裁判事は、法案に一定の理解を示した。
「連邦政府が州に意見を聞くことなく、州の反対する何かを導入するなら、州はそれを実行しないとする見解を、アルバータはこの法案で切り開くつもりなのだろう。」
「たとえば連邦政府が炭素税のような何かを強要し、アルバータがこれに反対した場合、裁判所に訴えるかどうかは州しだいである」。
 ブリティッシュコロンビア大学のジェフリー・シガレット准教授は、法案は、有効なはずの法律を無効にするものと予想していた。
「もしそうなら、それは憲法上非常に疑わしいだろう。」
「この法案を読むかぎり、そうではない。それは、連邦法を無効にするものではない。」
「司法判断に従わせないために、州の職員の誰一人にも公的な権限を与えていない。そのかわり、憲法に反すると州が見なす特定の連邦法について、連邦政府に協力しないことを州に可能にする。それは全く合憲である。」
「アルバータ州は、彼らが最終的な仲裁者であるとは言っていない。彼らは、法廷は法案より上に何も持っていないとは言っていない。彼らは、裁判官の言うことをきけないとは言っていない。」
「それは、連邦政府には管轄があり、そして我々にも我々の管轄があると言っている。」

 (2) トルドー首相の反応
 連邦のトルドー首相は翌30日、法案についてはコメントせず「政府はどう対処するか決める前に、これがどう収束するかを注視していく」と語った。
 ナビゲーター・リミテッド社が10月上旬に実施した政党支持率調査は、連合保守党38%に対し新民主党53%と、与党に分が悪いが、総選挙は2023年5月までに実施しなければならない。スミス首相は、あえて成立の見込みのない法案を提出し、州民のために戦っているポーズを取ることで、総選挙を乗り切ろうとしているという見方も強い。スミス首相の売った喧嘩を買うことは、彼女の思う壺になりかねない。トルドー首相は、法案はどうせ成立しないと見切って、あえて対処せず、検討すらしないと考えているように見える。

 (3) 「連合カナダにおいて」
 さて予告されていたアルバータ主権法だが、提出された法案の正式名称は「連合カナダにおけるアルバータ主権法」(The Alberta Sovereignty within a United Canada Act)だった。法案は、連邦政府に対する独立宣言と受け取られるリスクがあり、党内で相当な反対があったものと思われる。
 これは、2006年の「カナダの中の国」騒動を彷彿させる。ケベック連合が連邦議会に「ケベック人は国を構成する」(Quebeckers form a nation)という動議を提出した。この動議は実態としては意味がなく、自党はケベック独立のために努力したが他党が反対したというポーズを取ることで、ケベック州において自党は支持を集め、他党には失わせるという策略だった。そこで与党保守党は「ケベコワは連合するカナダの中で国を構成する」(The Quebecois form a nation within a united Canada)という修正案を作成し、野党自由党と新民主党の同意を取り付け、265対16でこれを可決させるとともに、ケベック連合の動議を否決した。
 自由党は保守党案に賛成投票することに決めたが、元ホッケースターのケン・ドライデン議員が造反し、反対投票した。彼は採決に先立ち、下院で騒動の全てを非難した。
「こうでなければならないというほど深刻な感じではないので、これは間違っていると感じる。これはたちの悪い、印象操作的な、ご都合主義的なゲーム、政治的なゲームのようだ。これら全てのゲームと操作が、みんなのためというわけではない。」
 カナダの歴史は、ケベック独立主義者に妥協した者は例外なく破滅することを示している。妥協案だったミーチレイク協定は、与党進歩保守党の消滅とケベック連合躍進を招き、政界再編をひき起こした。独立ブラフを使ったチキンゲームは、舵取りを誤ると思わぬ結果をひき起こしかねない。

 (4) ケニー前首相、州議を辞職
 法案が提出された同日、ジェイソン・ケニー前首相が州議を辞職した。マウント・ロイヤル大学で政治学を教えるロリ・ウィリアムズ教授は、次のように語る。
「主権法案が公表されてすぐ辞任したのは、偶然とは思わない。まるで、この法案を一切支持しないと言っているかのようだ。」
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緑の党党首にメイ&ペドノー [緑の党]

 緑の党の党首選が11月19日に開票され、エリザベス・メイ下院議員&ジョナサン・ペドノー組が得票率60.2%で当選した。メイ氏は2006年から党首を13年務めた知名度を活かし、圧勝した。なお党則には共同党首の規定はなく、両氏は党則の改正に取りかかる。現時点ではメイ氏が党首、ペドノー氏が副党首である。
 メイ新党首の言葉は、勝利したにもかかわらず歯切れが悪かった。
「新しい党首に就任する気持ちを、言葉にするのは難しい。」
「それは幾分デジャブーだが、ペドノー氏の存在は大きな違いだと言える。」
 投票率は有権者のわずか36%で、前回2020年の68.8%とは比べるまでもない。
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 アナミー・ポール前党首は、女性で黒人でユダヤ系でもあった。2021年5月にイスラエルがガザを空爆すると、彼女の相談役ノア・ザッツマン氏がツイッターにイスラエル支持発言を投稿した。党員の多くはこれを批判したが、ユダヤ系のポール党首は彼を処分しなかった。
 党内でポール党首の資質を問う声が挙がるなか、総選挙が実施された。ポール党首の主張によると、党理事会は選挙資金を提供しなかったという。ポール党首は落選し辞意表明したが、一部の党員から告訴されたため、辞意表明から1か月以上辞任せずにいたことから、辞意表明したにもかかわらず不信任投票される異常事態となり、ポール党首は辞任した。
 アミタ・カットナー氏が暫定党首に就任したが、theyはノン・バイナリーだった。オンライン集会でカットナー党首を誤った代名詞で紹介した件について、ロレイン・レックマンズ党理事長は謝罪したが、カットナー党首は「党には長年にわたる黒人・先住民・有色人種・2SLGBTQIA+への差別がある」と発言した。実はザッツマン氏も「緑の党の議員たちの中には、反ユダヤ主義や人種差別がある」と語っている。これらの批判を受けレックマンズ理事長は、党内差別について調査するので、党首選をいったん停止したいと語った。
 ところが所属議員全員であるメイ議員とマイク・モリス議員は、党首選を停止するなら緑の党会派を離脱すると表明した。レックマンズ理事長はこれを「脅迫」だと語り、2022年9月9日に辞任した。これに続き、党首選管理委員の3名が辞任した。党首選は第一回・第二回の二度に分けて行う予定だったが、一度に変更された。

 ペドノー氏は、緑の党が直面する困難を認めたが、成長への経路があると語った。
「カナダは、少数派が強く、賢く、巨大な利権を凌駕できる地である。」
「我々は、愛する人とともにより多くの時間を過ごすことを望む家族のための党である。我々は、億万長者は存在すべきでないと考える人々のための党である。我々は、この星を守っていくと強く決意する人々のための党である。」
 メイ氏も、抱負を次のように述べた。
「我々は、カナダ人に信頼される党となる。そして、ほかの誰かを当選させないために特別好きでもない誰かにまた投票するかわりに、熱意をこめて投票できる選択肢を、次の選挙の前にカナダ人に与える。」


写真:上段左からエリザベス・メイ議員(1位)、ジョナサン・ペドノー氏、セーラ・ガブリエル・バロン氏(4位)。下段左からアンナ・キーナン氏(2位)、チャド・ウォルコット氏、シモン・グノッチーニ=メシエ氏(3位)。
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