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自由党議員、トルドー党首の信任投票を要求 [自由党]

 自由党のケン・マクドナルド下院議員(ニューファンドランド&ラブラドル州選出)は1月14日、トルドー党首は信任投票を受けるべきだと語った。
「党として、はっきりさせよう。党員たちが今の党首を支持するなら、それで結構。だが少なくとも、党が進むべき方向について意見を述べる機会を党員たちに与えよ。」
 彼は、トルドー党首は辞任すべきだとは言わなかった。
 彼が叛旗を翻すのは、これが初めてではない。彼は2023年秋には、保守党が提出した炭素税廃止法案に賛成投票している。彼は、温暖化ガス発生は都市の問題であり、ニューファンドランドのような地方が炭素税を課されるのは不当だと述べた。彼のもとには地元有権者から、炭素税に同調するなという電話が殺到し、今ではトルドー首相に対する怨嗟の声すら届いているという。

 自由党の党則は、党首の信任投票を任意に実施できるよう定めてはいない。それは、党が総選挙に負けたあとのみ、実施される。自由党の歴代党首はほとんどが首相に就任したので、党首の進退は本人が決めるのが伝統である。ましてや、現職の総理に信任投票など聞いたことがない。
 自由党幹部会は来週、下院召集前にオタワで開催される。

 閣僚たちは、トルドー党首への支持を表明した。マイケル・マクラウド下院議員(ノースウェスト準州選出)は、トルドー党首を支持するが、総選挙後に信任投票を行うことに反対しないと語った。
「私は、次の選挙もトルドー党首でかまわないと思う。彼が留任したいなら、私はかまわない。だが信任投票したいという考えが幹部会にあるなら、それが問題だとは思わない。」
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ノトリー党首、辞意を表明 [新民主党]

 アルバータ新民主党のレイチェル・ノトリー党首は1月16日、次の党首が選出されしだい辞任すると発表した。州議の職には留まり、また連邦政界転身には関心がないと語った。
 彼女は夫と2人の子とともにステージに上がり、涙をこらえながらこう語った。
「アルバータはもはや、選択肢のない一党支配の地ではない。」
「アルバータ人はもう、自分たちの意見や選挙が無価値だと思う必要はない。」

 レイチェル・ノトリー党首はエドモントンで1964年、グラント・ノトリー(後に党首)の子として生まれた。両親の影響で小学生のころから市民運動に参加し、アルバータ大学を卒業して弁護士となる。
 2008年州議に当選し、現在は州議会の最古参となっている。2014年党首に就任し、2015年総選挙では、保守王国アルバータで史上初の革新政権を築いた。だが2019年と2023年に総選挙で2連敗を喫したことで、最大野党の党首が、期待の新人ではなく不評を買って降ろされた元首相では、総選挙は戦えないという声が挙がっていた。

 注目すべきは、革新政権を許した2つの保守党が政界主導で保守合同に動いたのに対し、革新側は政界からの働きかけがなかったにもかかわらず、革新支持者が新民主党に結集し、小党が淘汰されて完全二大政党制が実現したことである。保守一党支配が長く続いたアルバータで、保革二大政党制は持続するのだろうか。
 カルガリー大学で政治学を教えるリサ・ヤング教授は、ノトリーを「アルバータ政治の転換」と評した。人々は長い間、中道・左派連合の大きな党が成立するのを待ち望んでいた。そしてノトリーの政治的才能が、それを実現させたと彼女は説明した。
「ノトリーがいなくなれば、新民主党がかつての万年野党に先祖返りすることは、十分あり得る。」
 ノトリー氏のブレーンとして活躍したチェリル・オーツ氏は、彼女の辞任を「一つの時代の終わり」と評した。彼女は、次の党首がノトリーの築いた「大きな左派」を維持することを望むと語った。
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副首相に質問した記者、逮捕される [犯罪・事件]

 レベル・ニュースのデビッド・メンジース記者は1月8日、オンタリオ州リッチモンドヒルのショッピングモールでクリスティア・フリーランド副首相(財務相)に質問したところ、RCMP(連邦警察)に逮捕された。
 同社が公表したビデオによると、メンジース記者はアポなしで副首相を待ち伏せ、政府がイスラム革命防衛隊(IRGC)をテロ組織のリストから除外した決定について問い質した。イスラム革命防衛隊は2020年1月8日(ちょうど4年前の同日)、ウクライナ国際航空752便を誤って撃墜し176人(うちカナダ人約60人)を死亡させた。ウクライナ系のフリーランド副首相は答えず進路を変えたが、そのとき警備の警官がメンジース記者の進路上に入ったように見える。警官が「警察だ。暴行容疑で逮捕する。私を押しましたね」と言ってメンジース記者に手錠をかけると、メンジース記者は「私は誰にも触れていない」「皆さん、これは暴行の捏造だ。私は揉め事を起こしに来たんじゃない。仕事で来ているのに、手錠をかけられている。皆さん、これがあなたたちのカナダだ。ブラックフェイス(※トルドー首相が教師時代に顔を黒く塗って非難された)に命じられたゲシュタポだ」と語った。
 連邦警察はその後、セキュリティに対する脅威がないと確認したので容疑者を釈放したと発表した。

 メンジース記者は、過去にも何度か取材を巡ってトラブルを起こしている。オンタリオ州ソーンヒルで2021年、レズビアンのメリッサ・ランツマン議員(保守党)に性的指向に関する質問を続け逮捕された。2019年総選挙では、保守党の会場からアンドリュー・シーア党首によってつまみ出された。2021年にはトロントで、トルドー首相の警備員と揉めている。
 メンジース記者は、自分を押したのは警官の方で、自由党が自分を嫌っているから逮捕したと主張した。またレベル・ニュース社主のエズラ・レバント氏は9日、法的措置を検討していると述べた。
「我々は書類をまだ揃えてはいないが、この件で我々は、RCMPとヨーク警察ならびにクリスティア・フリーランド氏を、不当逮捕・違法な監禁・不当な訴追と暴行で提訴するつもりだ。」
 保守党のポワリエーブル党首は、警察と政府を非難した。
「これが、報道の自由の国の出来事である。カナダにおいて。2024年に。トルドー政権8年間の後で。」
 フリーランド副首相は11日、警察の対応について政府はコメントすべき立場にないと語った。


動画:https://www.youtube.com/watch?v=IK9BTjZTN10
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ブロードベント元党首が死去 [新民主党]

 「正直エド」と呼ばれたエド・ブロードベント元党首(新民主党)が1月11日、死去した。87歳だった。同時代のライバルだったブライアン・マルローニ元首相は同日、テレビで「カナダ政界の巨人」「別の党の党首だったら、彼は首相になっていただろう」と評した。

 ブロードベントは1936年、オンタリオ州オシャワに生まれた。1968年下院議員に初当選し、1975年に党首に就任した。
 1988年総選挙は、米加自由貿易協定が焦点となった。新民主党は世論調査で初めて首位となり、かつての「2と2分の1政党制」から三大政党制へと移行するかに見えた。だがブロードベントは、自由貿易批判票を独り占めするため自由党を攻撃するキャンペーンを貼った。その結果、新民主党と自由党の野党2党の得票率は過半数だったのに、各地で2野党が潰し合い、与党進歩保守党に漁夫の利をさらわれ、やすやすと過半数を許した。43議席と結党以来最多の議席を獲得したものの、目標とした野党第一党にはなれず、1989年党首と下院議員を辞任し引退した。2004年には、ジャック・レイトン党首に乞われ再度下院議員に出馬し当選したが、妻の看病のため1期で引退した。
 その後は新民主党の長老として暗躍し、2008年には幻となった自由党=新民主党連立政権樹立に向けて動いた。また2012年党首選では、党内左派を代表しブライアン・トップ氏を担いだが、トム・マルケア氏に敗れた。
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2023年カナダの十大ニュース [十大ニュース]

●当ブログ管理人が選ぶ2023年カナダの十大ニュース

1.中国の選挙干渉
2.シーク教指導者ニジャール氏殺害、外交問題に
3.トルドー首相、夫人と別居
4.山火事
5.アルバータ州総選挙、大接戦に
6.タイタン号遭難
7.チャールズ三世戴冠式
8.ロジャースとショー合併
9.グリーンベルト・スキャンダル
10.ケベック冠水

番外:ブルージェイズ、大谷獲得失敗



●ポララによるインターネット世論調査
https://www.pollara.com/wp-content/uploads/2023/12/2023-News-Recap-Dec-2023.pdf
1.イスラエルとハマス抗争(26%)
2.ウクライナ戦争(24%)
3.カナダ銀行利上げ(22%)
4.全国で山火事(21%)
5.タイタン号捜索(11%)
6.トランプ前大統領起訴(11%)
7.バーベンハイマー(9%)
8.ChatGPT人気上昇(9%)
9.フードバンク利用者新記録(8%)
10.中国の選挙干渉(8%)
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2023年「今年話題の人物」にポワリエーブル党首 [今年話題の人物]

 カナディアン・プレスは12月19日、2023年「今年話題の人物」に保守党のピエール・ポワリエーブル党首を選出した。
 彼は、投票の26%を獲得した。2位は、今年インディアンとして初めてマニトバ州首相に就任したワブ・キニュー首相(※先住民としては、メティスのジョン・ノーケイ首相がいた)とトルドー首相が14%を獲得した。

 ポワリエーブル党首は右翼として知られていたが、従来の右翼的発言を控え、堅苦しい眼鏡もやめ、有権者にわかりやすい減税を主張した。そして、トルドー政権による炭素税が物価高騰の原因だと訴え、家庭用暖房油への炭素税課税を中止に追い込み、トルドー政権に対する勝利をアピールした。こうして自党の正しさと与党の誤りを際立たせ、保守党の支持率を急上昇させ、「次の首相」の地位を確実なものにしつつある。
 だが、1位が圧勝ではなく26%しか得票できなかったことは、珍しい。ポワリエーブル氏は、まだ選挙に勝って政権を奪取したわけではない。このような低い得票率は、今年目立って活躍した人がいなかったことの表れだろう。
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保守党議員、12月を「キリスト教文化遺産月」とする法案を提出 [人権]

 保守党のマリリン・グラデュ議員は12月5日、12月を「キリスト教文化遺産月」とするC-369号法案を下院に提出した。
「カナダは、全ての信仰を祝福する国である。」
「最近の国勢調査によると、カナダには何百万人(筆者注※正確には1930万人)ものキリスト教徒がいるから、我々にキリスト教文化遺産月があることは公平で正しい。」
 そう言ってグラデュ議員は、ヒンズー教徒、シーク教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒などカナダの他の宗教には彼らの文化遺産月がある事実を挙げた。

 この法案は、保守党幹部会で採択され党議拘束がかかったものではなく、自由投票となる個人法案なので成立する見込みは薄いが、カナダの祝日にキリスト教の祭日のみが含まれているのは制度的人種差別だとするカナダ人権委員会の答申を意識した動きと思われる。これを受けて保守党は「クリスマスのキャンセル反対」キャンペーンを開始した。
 答申には、こう記されていた。
「カナダの宗教的な少数民族に対する差別は、カナダの植民地主義の歴史に基づいている。明らかな例は、カナダの法定休日である。キリスト教に関連した祝日、クリスマスとイースターは、宗教に基づく唯一のカナダの法定休日となっている。」
 2001年の国勢調査では、キリスト教徒は国民の77.1%だったのが、2021年には53.3%にまで減少した。いっぽう宗教に関係していないと回答した人の数は、2001年には16.5%だったのが、2021年には34.6%まで増加した。同様に2001年から2021年にかけて、イスラム教徒は2.0%から4.9%に、ヒンズー教徒は1.0%から2.3%に、シーク教徒は0.9%から2.1%に増加した。

 ケベック連合のブランシェ党首は先週、下院でカナダ人権委員会の答申を茶化す発言をした。
「カナダ人権委員会によると、ツリー、音楽、プレゼントでクリスマスを祝うのは制度的人種差別だそうだ。」
「私は、サンタクロースが人種差別主義者だろうかと思う。私は、雪が人種差別主義者だろうかと思う。トルドー首相によると、クリスマスは人種差別なのか?」
 ファーガス議長が呆れて「誰の答弁を求めているのか」ときくと、ブランシェ党首はトルドー首相を名指しした。
 トルドー首相は起立して、次のように答弁した。
「私は起立して、全く馬鹿げた質問に答えることを大変光栄に思う。」
「明らかに、クリスマスは人種差別ではない。ここは多様性の国である。単に個人的信仰を祝うだけでなく、隣人のイベントも共有して祝う国である。」
「ケベック連合は、喧嘩をふっかける馬鹿な方法を、常に探している。私には、それをやめさせることはできない。」
 首相はそれから、保守党の「温暖化否定論」が未来のホワイトクリスマスを危機にさらしていると語った。
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トルドー首相に辞任の声 [自由党]

 338カナダ社が11月5日に発表した政党支持率調査は、保守党40%、自由党27%、新民主党18%、ケベック連合7%、緑の党4%、人民党3%という結果となった。ここから導き出される予想獲得議席は、保守党205(169~226)、自由党83(58~114)、ケベック連合28(23~36)、新民主党20(12~34)、緑の党2(1~3)、人民党0(0~0)(定数338議席、括弧内は最小~最大)となり、今総選挙が実施されれば保守党が過半数を獲得するのが確実な情勢である。またレジェ社が10月29日に実施した世論調査では、トルドー内閣支持率30%・不支持率63%となった。一般に支持率30%以下は危険水域とされ、また不支持率63%はありえないほど高い。

 2022年の緊急事態法発動は、現行法で取り締まり可能であり不要だったとする意見が大勢となった。2021年の連邦議会総選挙では、中国による選挙干渉があったと認定されたにもかかわらず、首相の対応が十分でないという批判がある。ジョンストン前総督による調査が行われたが、前総督は首相と親しく、その答申も追及が足りないという声が挙がり、ジョンストン氏は辞任した。新民主党との閣外協力の条件だった歯科保険への対応は、まだ取りかかれていない。次の総選挙は、最も遅い場合で2025年10月20日だが、与党自由党は過半数割れで、新民主党が閣外協力を取り下げればいつ総選挙になるかわからない。

 自由党はあらゆる年齢層において、そしてケベックを除く全ての地域で保守党に差をつけられている。また女性は自由党支持者が多いことが知られているが、最近の調査は女性有権者も保守党を好んでいることを示している。自由党内からは、トルドー党首で次の総選挙は戦えない、辞任すべきだという声も挙がり始めた。
 仮に辞任するとしたら、次の党首は「トルドー政権で唯一有能な人物」フリーランド副首相だろうか。だが彼女はアルバータ生まれで、オンタリオ選出である。
 ケベック州での予想獲得議席は、自由党35、ケベック連合28、保守党14、新民主党1、緑の党0、人民党0(定数78議席)となり、ケベック州だけは自由党が首位に立っている。ケベック出身のトルドー首相を辞任させ、非ケベック人を党首にすることは、ケベックにおける優位を失うリスクと隣合わせだ。たとえ負けるにしても、トルドー党首なら大敗を免れるかもしれない。長く務めた首相が支持率低下のため辞任し、新しい首相に代わった場合、しばしば大敗することをカナダの歴史は示している。ボーデン首相の次のミーエン首相、ピエール・トルドー首相の次のターナー首相、マルローニ首相の次のキャンベル首相がそうだ。
 トルドー首相は、51歳でまだ若い。党首を辞任すればそこで終わりだが、たとえ負けても90議席以上獲れたら、党首に留まれるかもしれない。
 次もケベック人を党首にするなら、メラニー・ジョリー外務大臣や、フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ産業大臣が該当する。だが自由党には左派と右派があり、またケベック人と非ケベック人が交互に党首に就くジンクスがあり、現在は左派でケベック人のトルドーが党首だから、次は右派の非ケベック人になりそうだ。
 もしトルドー首相が辞任するなら、党首選を行う十分な時間を確保するため、2024年春までには決断しなければならないだろう。
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グレゴワール=トルドー夫人に不倫疑惑 [自由党]

 ジャスティン・トルドー首相の妻で別居中のソフィ・グレゴワール=トルドー夫人が不倫していたと、ナショナル・ポスト紙が10月25日に報じた。
 アナ・レモンダ氏は、オタワの医師マルコス・ベットリ氏に対し2023年4月に提訴した離婚訴訟において、夫が「主要なメディアの注目をひく著名人と関係し、相当のセキュリティ問題をひき起こした」と主張した。その人物の名は法廷文書に記されていないが、同紙はそれがグレゴワール夫人だと確認したという。
 レモンダ氏は、元夫のプライバシーには関心はないが、この問題によって子供たちのプライバシーが侵害されるのを懸念している。いっぽうマルコス氏は、妻が彼のパソコンを無断で使用し「親密な写真」を入手して、それを公表すると脅迫したと主張した。

 連邦警察(RCMP)は、退任した首相にも要望があれば警護をつけている。クレチエン元首相は退任後も警護されたが、ターナー元首相は地下鉄に乗って弁護士事務所に通ったため、警護を断った。グレゴワール夫人は2017年、インターネット上でアルバータ州の女性から脅迫を受けているが、法廷文書に記載されたベットリ氏の家の前には、なぜか覆面パトカーに乗った私服警官がいるという。

 グレゴワール夫人は2020年3月には、イギリスの俳優イドリス・エルバ氏と同じイベントに出席し、その後二人とも新型コロナに感染したと同じ日に発表したため、ベッドで同衾したと噂された。
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自称「車に乗らないサイクリスト」フリーランド副首相、速度違反で捕まる [自由党]

 クリスティア・フリーランド副首相(財務大臣)の広報は8月22日、副首相がスピード違反で反則金273ドルを徴収されたと発表した。彼女はアルバータ・ハイウェイで、時速132キロで運転したという。
 フリーランド副首相はサイクリストとして知られ、車を所有していないと公言していた。
「私は歩き、地下鉄に乗ります。子供たちも歩き、自転車に乗り、地下鉄に乗ります。それは実際、家族にとって健康的です。」
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トルドー首相、別居を公表 [自由党]

 ジャスティン・トルドー首相は8月2日、18年連れ添ったソフィ・グレゴワール=トルドー夫人と別居すると、インスタグラムで公表した。首相府も同日、2人が法的な別離合意書に署名したと発表した。
 ジャスティン・トルドー首相は1971年、ピエール・トルドー首相(当時)の長男として生まれた。ソフィ・グレゴワール=トルドー夫人は、1975年に生まれた。トルドー首相の弟ミシェルの同級生で、二人は幼馴染である。タレントになった彼女は2003年、チャリティショーでジャスティン氏と再会し、2005年に結婚、二男一女をもうけた。

 父のピエール・トルドー元首相は1971年、カナダの現職首相として唯一結婚した人物となった。だがいっぽうでは女優バーブラ・ストライザンドを公共の場に同伴し、オンタリオ州首相ボブ・レイの姉妹ジェニファー、リオナ・ボイド(ギタリスト)、マーゴット・キッダー(女優:スーパーマンの恋人役で有名)、キム・キャトラル(女優)、デボラ・コイン(憲法学者)とも交際するなど浮気癖が直らず、マーガレット夫人は精神科に入院したこともある。その夫人もエドワード・ケネディ上院議員やローリング・ストーンズのロン・ウッドと関係し、1977年に別居を公表、1984年には離婚した。ピエール・トルドー首相は現職首相として唯一離婚した人物だが、ジャスティン・トルドー首相もいずれそうなるだろう。
 キム・キャンベル元首相は、1993年に首相に就任したとき離婚歴があった。首相在任中は事実婚していたが、パートナーを政治に巻き込まないため隠していた。

 ジャスティン・トルドー首相は父と異なり、女性関係のスキャンダルがない。2016年議会で、背後にルース・エレン・ブロソー議員がいることを知らず肘で胸を突き(エルボーゲート事件)、謝罪した。2018年には、教師時代の2000年、ミュージック・フェスティバルで女性レポーターに猥褻な行為をしたと報じられ、謝罪した。
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トルドー内閣、大規模な改造 [自由党]

 トルドー首相は7月26日、大規模な内閣改造を行った。議員たちは夏休み中だが、首相が閣僚たちにオタワに戻るよう指示したことで、発覚した。
 最近の政党支持率調査では、保守党37%に対し、与党自由党は32%に低迷している。新民主党とは2025年6月まで政権を支える協定を結んでいるが、首相は2年以内にある次の総選挙を睨み、支持率回復を狙って改造に踏み切ったものと見られる。

 2021年11月の大規模な内閣改造では、財務・外務・国防の三大ポストの全てが女性となり話題になった。政権ナンバー2のクリスティア・フリーランド財務大臣(副首相)とメラニー・ジョリー外務大臣は留任したが、アニータ・アナンド国防大臣は、軍内部で横行するセクハラへの対処を女性大臣として期待されたものの、成果を挙げられなかった。彼女は予算庁長官に異動する。
 代わって国防大臣に就くのは、ビル・ブレア枢密院議長兼非常時対応準備大臣である。NATOの担当大臣として、ウクライナ問題への対処が注目される。
 ドミニク・ルブラン政府間関係大臣兼インフラ・地域社会大臣は、首相の幼馴染で最側近である。父のロメオ・ルブラン氏も首相の父ピエール・トルドー首相の大臣を務めた。今回は、公安大臣兼民主機構大臣兼政府間関係大臣となった。

 トルドー首相は、引退を表明しないかぎり更迭はせず、降格を好むとされてきたが、前任のマルコ・メンディチーノ公安大臣は、内閣から外された。今回の改造は、彼の更迭のためにあったと言ってよい。フリーダム・コンボイに対する緊急事態法発動は、現行法で対処でき不必要だったとして批判されている。また中国による選挙干渉疑惑についても、対応が遅かった。銃規制のためのC-21号法案については、自ら作成した修正案を撤回し、下院は通過したものの上院では滞っている。2020年のノバスコシア銃乱射事件では、警察の初動が遅かったとして批判された。最近では、43人を強姦し3人を殺して終身刑となった「スカボロー・レイピスト」ポール・ベルナルド受刑者の、より低セキュリティの刑務所への移送に関しても批判された。
 内閣から外された人は、ほかに2人いる。モナ・フォルティエ予算庁長官は、12万人の公務員が参加した2023年春のストライキによって、旅券事務所や移民局の業務が停止したことの責任を問われた。デビッド・ラメッティ法務大臣兼司法長官は、保釈制度改革の遅れを批判された。
 トルドー首相は総督公邸リドー・ホールでの記者会見で、これら3人が留任できなかった理由を問われたが、答えなかった。
「この国とこの内閣で何年もよく勤めてくれた全員に、感謝したい。」
 次の総選挙に出馬しないことを表明した4人の大臣も、内閣から外された。オマル・アルガブラ運輸大臣は、空港での待機が社会問題化したことの責任を問われた。
 ジョイス・マレー漁業海洋・カナダ沿岸警備隊大臣は、次回総選挙に出馬を表明していたが、7月24日に突如不出馬を表明した。6月にニューファンドランド沖で起きた、タイタン沈没事故への対応が影響したものと見られている。
 キャロリン・ベネット メンタルヘルス・中毒大臣は、マーチン内閣の閣僚も務めた72歳のベテランだが、下院議員の任期が満了しだい引退する。
 ヘレナ・ジャチェック公共サービス・調達大臣も、新しいポストが与えられなかった。

 内閣から外された7人と入れ替わりに初入閣するのは、以下の7人である。
 トロント選出のアリフ・ビラーニ議員は、法務大臣兼司法長官に就く。
 ケベック州オシェラガ選出のソラヤ・マルティネス・フェラーダ議員は、観光大臣兼ケベック経済開発エージェンシー担当大臣に就く。
 トロント選出のゲイリー・アナンダサンガレー議員は、政府-先住民関係大臣に就く。
 ブリティッシュコロンビア州バーナビー選出のテリー・ビーチ議員は、市民サービス大臣に就く。
 トロント選出のヤアラ・サックス議員は、メンタルヘルス・中毒大臣兼厚生副大臣に就く。
 オタワ選出のジェンナ・サッズ議員は、家庭・子供・社会開発大臣に就く。
 オンタリオ州ミシサウガ選出のレチー・バルデス議員は、中小企業大臣に就く。

 今回の内閣改造では、異なるポストに横すべりした大臣が多いのが特徴で、19人いる。カリナ・グールド家庭・子供・社会開発大臣は、下院院内総務に就く。彼女は現在妊娠中で、彼女の不在時にはスティーブ・マッキノン下院幹事長が代行する。
 パブロ・ロドリゲス民族遺産大臣は、運輸大臣に就く。
 パスカル・サントンジュ スポーツ大臣兼ケベック地方経済発展担当大臣は、カナダ民族遺産大臣に就く。インターネットの巨人GAFAとの戦いの担当として、注目される。
 パラリンピックメダリストのカーラ・クワルトロー雇用・労働力開発・障碍者インクルージョン大臣は、スポーツ・体育活動大臣として、6年前まで務めたポストに復帰する。スポーツ界特にホッケー界で蔓延する性的虐待問題への対応が、注目される。
 ショーン・フレイザー移民・難民・市民権大臣は、住宅・インフラ・地域社会大臣に就く。住宅危機への対応が期待される。
 マーク・ホランド下院院内総務は、厚生大臣に就く。
 ローレンス・マッコーレイ退役軍人大臣は、農務大臣に就く。
 ジャン=イブ・デュクロ厚生大臣は、公共サービス・調達大臣に就く。
 マリー=クロード・ビボー農務・農産食品大臣は、歳入大臣に就く。
 グディ・ハッチングス地方経済発展大臣は、地方経済発展大臣兼大西洋カナダ機会エージェンシー担当大臣に就く。
 ディアンヌ・ルブティリエ歳入大臣は、漁業海洋・カナダ沿岸警備隊大臣に就く。
 ハルジット・サジャン国際開発大臣兼太平洋経済開発エージェンシー担当大臣は、枢密院議長兼非常時対応準備大臣兼太平洋経済開発エージェンシー担当大臣に就く。
 アーメド・フッセン住宅・多様性・インクルージョン大臣は、国際開発大臣に就く。
 シーマス・オリーガン労働大臣は、労働・高齢者大臣に就く。
 ジネット・プチパ=テイラー公用語大臣兼大西洋カナダ機会エージェンシー担当大臣は、退役軍人大臣に就く。
 マーク・ミラー政府-先住民関係大臣は、移民、難民と市民権担当大臣に就く。
 ランディ・ボワソノール観光大臣は、仕事労働力開発と公用語担当大臣に就く。
 カマル・ケラ高齢者大臣は、多様性・障碍者インクルージョン大臣に就く。
 メアリ・ン国際貿易大臣兼輸出振興・中小企業・経済開発大臣は国際貿易大臣兼輸出振興・経済開発大臣に就き、中小企業のポストから外れた。

 9人の大臣は、留任した。クリスティア・フリーランド副首相・財務大臣、メラニー・ジョリー外務大臣のほかは、スティーブン・ギルボー環境・気候変動大臣、フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ イノベーション・科学産業大臣、パトリシア・ハイデュ先住民サービス大臣兼北オンタリオ経済開発エージェンシー担当大臣、フィロメナ・タッシ南オンタリオ経済開発エージェンシー担当大臣、ダン・バンダル北方大臣兼中西部経済開発担当大臣兼北方経済開発エージェンシー担当大臣、マーシー・イェン女性・ジェンダー平等・青年大臣である。ジョナサン・ウィルキンソン天然資源大臣は留任したが、役職が「エネルギー及び天然資源大臣」に変わった。
 閣僚は首相を除き、男女19人ずつで同数である。

 保守党のピエール・ポワリエーブル党首は、今回の改造について次のように評した。
「数々の失策について責任のある一人の大臣が、異動していない。その大臣とは、トルドー総理大臣である。」
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ポワリエーブル党首、「ストレート・プライド」Tシャツの男性と記念撮影 [保守党]

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 カルガリー・スタンピードに参加したピエール・ポワリエーブル党首(カナダ保守党)とダニエル・スミス首相(アルバータ州/連合保守党)が、「ストレート・プライド」と書かれたTシャツの男性と記念撮影したことが判明した。両者とも、Tシャツに書かれたメッセージを支持していないと表明した。
 ともに写真に写っている男性は、身元が確認されていないが、緑色のTシャツを着て、その前面には「異性愛者としての存在に感謝しよう。ストレート・プライド」、背面には「良い人々は悪法に従わない」と書かれている。なおこの男性は、フリーダム・コンボイのとき「FUCK TRUDEAU」と書かれた旗を掲げていた人物である。
 夏に開催される「ゲイ・プライド」または「LGBTプライド」は、それらの人々の権利を擁護する運動だが、「ストレート・プライド」は異性愛者の権利を擁護する運動ではなく、主に右翼団体による、LGBTへの敵意を表明するカウンター運動である。
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 ポワリエーブル党首の秘書は、次のような声明を発表した。
「ポワリエーブル氏は、何百人もの人々と写真を撮った。問題の写真は、Tシャツの文字を読む前に撮られたものだ。」
「保守党は、人々が何者であろうと自由な国を建設する。性的指向にかかわらず。」
 ポワリエーブル党首の養父はゲイで、彼の「影の内閣」閣僚にはゲイとレズビアンがいる。彼は、ウガンダでは同性愛に最高10年の禁固刑が科せられることについて「恐ろしい暴虐」「カナダは外国からLGBTQ難民を移住させ続けなければならない」とも語っている。だが2000年代初頭には、同性婚に反対投票している。

 スミス首相は、以下のように語った。
「私は、LGBTQ+コミュニティの支持者である。私は、誰かのための政治的な広告になるつもりはない。私は、そのシャツに表明された意見に同意しない。」
「私はスタンピードで、何千枚もの写真を撮られた。このようなメッセージには、私は今後より注意深くしていくし、スタッフにも注意深くあるよう依頼する。」
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国歌「オー・カナダ」、歌詞変更の声高まる [自由党]

 トルドー首相は「カナダ・デー」の7月1日、国歌「オー・カナダ」の歌詞変更に反対するつもりはなく、ただ国民の意見を聞いていくと語った。

 2月19日に行われたNBAオールスターゲームの前に、カナダの歌手ジュリー・ブラックさんが“Our home and native land”(我らの家、そして父祖の地)を“Our home on native land”(先住民の地にある我らの家)と歌ったことが話題となり、歌詞変更を要望する声が高まっている。
 ブラックさんは、こう語った。
「私は、事実を歌った。我々は歩き、呼吸し、生活し、人生を体験している。先住民の地で。」
 トロント教育委員会のアイゼア・シャフカット氏(先住民)は、ブラックさんに賛同した。
「それは刺激的で、衝撃を受けた。カナダ人がいつも“Our home and native land”と歌うのを聞くとき、それは真実ではないからだ。」
 オンタリオ州ミシサウガのボニー・クロンビー市長は、歌詞変更するよう要請する動議を市議会に提出した。

 トルドー首相は語った。
「歌詞の変更をどう思うかについて、先住民の意見を聞きたい。私は多くのカナダ人と語り合いたい。」
「国歌は政府のものではなく、カナダ人のものだ。」
「私は、カナダ人が望む変化には前向きに取り組む。」
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市民権テストに合格できるカナダ人は23%

 7月1日は、カナダの建国記念日「カナダ・デー」である。レジェ社が6月23日から25日にかけて1512人の成人カナダ人を対象に実施した世論調査は、カナダ市民権テストに合格できるカナダ人が23%しかいないことを示した。
 カナダ市民権の取得を希望する者は、カナダ市民の権利と責任、カナダの歴史・地理・経済・政府・法律・シンボルについての20の質問に、75%以上正解しなければならないが、世論調査に回答した人の平均は49%だった。
 設問の例を挙げると、有名なカナダ人では「ジョン・バカンとはどういう人か」、歴史では「カナダで初めてヨーロッパ人の居留地を設置したのは誰か」、国家の象徴では「10ドル札の肖像は誰か」などである。なおジョン・バカンは第15代カナダ総督で小説家、カナダで初めてヨーロッパ人の居留地を設置したのは(CBCによると)フランス人(筆者はバイキングだと思うが)、10ドル札の肖像はバイオラ・デズモンドである。
 回答者にとって、歴史は最も不得手なジャンルだった。2006年に下院が「ケベコワは連合カナダにおいて国を構成する」と決議したことを知っていたのは、わずか24%だった。イングランドの植民が1610年から始まったことを知っていたのは、41%だった。
 有名なカナダ人と国家の象徴については、いくぶん成績がよかった。マージョリー・ターナー=ベイリーがオリンピック選手で黒人逃亡奴隷の子孫だと知っていたのは、49%だった。カナダのモットーが「海から海まで」だと知っていたのは、42%だった。先住民に関する設問は最も成績がよく、「ファーストネイションズ・メティス・イヌイット」と正しく回答できたのは79%だった。
 「カナダ人であることを誇りに思う」と回答したのは、81%だった。支持政党別にみると、自由党支持者は97%、新民主党支持者は87%、保守党支持者は76%、人民党支持者は45%だった。いっぽう「カナダ人であることを全く誇りに思わない」と回答したのは、6%だった。保守党支持者は8%、ケベック連合支持者は12%、人民党支持者は27%だった。
 ウェスタン大学で社会学を教えるハワード・ラモス教授は、人々は愛国的で、カナダ人であることに誇りを感じることなく、国家に忠実だと感じることができると語った。
「誰かがカナダ人であることを誇りに思わないと言うとき、それが愛国的でないことを意味しないことは、非常に重要だ。彼らが正しいと信じる方向と違う方向に国が動いていると見ていることを、それは意味するかもしれない。」
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