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クラークソン前総督、ジャン総督のパフォーマンスに無関心 [先住民]

 ミカエル・ジャン総督がアザラシの心臓を生で食べたことは、大きな反響を呼んでいる。エイドリアン・クラークソン前総督は5月31日、ジャン総督のパフォーマンスについてコメントを求められると、
「私は、可愛いらしいアザラシのコートを持っているわ。1971年から、生の食べ物も食べています。私にとっては、何も新しいことじゃないわ」
とそっけなく語った。

 また、ジャン総督がロッキー山脈とコースタル山脈を混同した発言について、今後総督に推挙される人は、マッケンジー川の位置や、徴兵危機や、マニトバ学校問題や、カナダの芸術家の名を挙げる口頭試問を実施すべきだと述べた。両者とも元CBCジャーナリストだが、クラークソン前総督がカナダをくまなく巡ったのに対し、ジャン総督はほとんどケベックだけで活動していた。
 ジャン総督は、クラークソン発言についてこうコメントした。
「人は、その人自身の経験から始めます。私がこの国に持ってきたものは…私自身の物語でした。私たちは、どんな人でもそうすることができる国に暮らしています。それゆえ私たちは、自分の属性に基づいて生きることが大切なのです。属性は、マッケンジー川がどこにあるかを言える能力より、はるかに大切なものです。」
 グローブ&メイル紙のコラムニストであるマーガレット・ウェントは、ジャン総督が今回のパフォーマンスで熱狂的に支持されているのを、クラークソン前総督は嫉妬しているのだろうと指摘した。
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アザラシを食べた総督に賛否両論 [先住民]

 ミカエル・ジャン総督がアザラシの心臓を生で食べたニュースは、内外に大きな反響を呼んだ。
 カナダ国際人道協会(HSI)のレベッカ・オルドワース代表は、「総督のパフォーマンスは、イヌイットが生活のために行う狩猟と、非先住民が毛皮産業として行うアザラシ虐殺を混同する欺瞞である」と語った。
 PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)のブルース・フリードリヒ副代表は、「アザラシ猟はカナダの恥である。カナダ人は今後10年間、政府がこれを保護したことに恐怖を抱き、悲しみ、恥じ入ることになるだろう。総督はこの不快な行動を、これまで公共の場で行ってきたことの中で最も不道徳で愚かなことだと、いつの日か自覚するだろう」と語った。
 国際動物愛護基金(IFAW)のバーバラ・スリーは、「カナダ総督が公共の場でアザラシを食べたことは、ヨーロッパの市民と政治家の考えを変えることはないだろう」と述べた。
 ニューヨークのブロガー「ゴーカー」は、ジャン総督(Governor General)をセーラ・ペイリン知事(Governor)と比較し、皮肉なエントリーを書いた。
 「ペイリン知事はヘリコプターから狼を撃つことや、オフィスを動物の死体で飾るのを好んだが、ジャン総督は明らかにもっと馬鹿で、アザラシを殺し、何百人もの前でその心臓を食べるのを好む。『最も愚かなGovernorは誰か』という賭けがあったら、カナダは楽勝だろう。」
 ピーター・マッケイ国防大臣は、ジャン総督を「カナダの新しいブレイブハート」と賞賛した。

 ジャン総督は、数々の批判に対し反論を行った。
「彼らと距離を置き、参加を拒むことは私にとって不自然であり、彼らにとっては侮辱となろう。」
 総督はまた、自分のふるまいには政治的意図はないと強調した。
「私は、この立場にいる者がどうふるまうべきかを、正確に把握している。しかしアザラシ猟は、我が国の何千もの人々の生活様式の一部である。それは彼らの経済の一部である。それはよく管理されている。それは彼らにとって不可欠である。それは持続可能な方法で行われる。そして私はその問題に無関心ではない。私はそれを尊重する。人々は、現実の多様性を受け入れなければならない。」
 総督はさらに、現代社会において人々は分業化され、食物がどこから来たかを忘れがちだと指摘した。
「私は牛肉を食べるとき、かつて生きていた牛を食べていることを理解している。菜食主義者には、彼らの人生において選択肢がある。私は、その選択をしなかった。私はラムを食べるとき、子羊を食べているということを理解している。それもまた、またかわいい動物である。」
 僻地のスーパーでは、南から輸送される食品はわずかしかない。凍った鶏肉が1羽21ドル、ミルク2リットルが8ドル90セントと高価で、新鮮な肉を食べようと思うイヌイットは、アザラシを狩る。

 北極圏の高校のブライアン・マニング校長は送別会で、総督にこう述べた。「あなたが残した大きな遺産に感謝する。あなたは、南の人々を教育するため多大な貢献をした。あなたは、本物の教育者だ。」
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総督、アザラシの心臓を食べる [先住民]

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 5月26日付トロント・スター紙は、北極圏を訪問中のミカエル・ジャン総督がアザラシの生の心臓を食べたと、一面で報じた。
 ランキン・インレットで25日、ヌナブート準州創立10周年記念祭に参加したジャン総督は、血のしたたるアザラシの心臓を手で掴み、イヌイット伝統のナイフ「ウルー」でスライスした後、手づかみで生のまま食べた。
 総督は、血だらけの指をティッシュで拭きながら「本当においしかった。寿司みたいでしたが、タンパク質を豊富に含んでいます」とコメントした。さらに、イヌイットの伝統的狩猟を残酷だと言う意見について「これは古くからの生活様式の一部です。もしこれを理解できないというなら、その人はこの地の生活の現実を見逃しているのです。」と語った。
 イヌイットたちは、環境保護主義者から非難されている鉤のついたハカピックは使わず、銃か銛を使っていることや、なぜ自分たちの営みが牧畜より残酷だと言われるのか理解できないと説明した。
 総督はまた、ノルウェーがサミ族のためにトロムソ大学を設立した例を挙げ、イヌイットの経済がより豊かになるよう、連邦政府は北部にも大学を設立すべきだと、異例の政治的発言を行った。ヌナブートにおける高校卒業率はわずか25%で、カナダ諸州の最低である。
 2005年9月に就任したジャン総督の任期は、残り1年に近づいている。彼女は、もう一度この地を訪問したいが、総督としてかどうかは定かではないと語った。


写真:ウルーを持つミカエル・ジャン総督(オレンジのマフラーを巻いた黒人女性)。
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ローマ教皇、先住民に同化教育を謝罪 [先住民]

2776014 カナダ先住民の児童が親元から引き離され、強制的に教会の運営する寄宿学校に行かされ、肉体的かつ性的虐待を受けたことについて、ローマ教皇ベネディクト十六世は4月29日、元生徒たちと面会し謝罪の意を表明した。
 1870年代から1970年代まで、15万人以上の先住民の子供たちが親元から引き離され、カナダ連邦政府の助成を受けたミッションスクールで同化教育を強制された。母語を使った生徒は殴られた。その背景には、先住民は子供のうちに殺せばいいという思想があった。これらの虐待は心的外傷となり、その後のアルコールや薬物中毒の原因にもなったと指摘されている。
 スティーブン・ハーパー首相は2008年6月、肉体的虐待と性的虐待を認めて謝罪し、10億ドルの賠償を提示した。いっぽうカトリック教会は100万ドルの賠償金を支払ったが、これまで謝罪の言葉を口にしたことはなかった。
 約8万人の元生徒が、今も存命している。虐待を受けたかつての生徒、ファーストネイションズ会議のフィル・フォンテイン議長は語った。
「我々が教皇に望んでいたことは、心からの謝罪をすることだった。」
 またトラズデン・ネイションズの酋長エドワード・ジョンは、こうコメントした。
「我々は昨年6月、首相が謝罪するのを聞いた。そして今日、教皇が深い悲しみと遺憾の意を表すのを聞いた」。
 オタワでは、インディン問題担当大臣チャック・ストロールがこう語った。
「ローマ教皇の言葉をとてもありがたく思う。彼らが前に進んで行くために、多くの人々にとってそれは必要だった。」


写真:フィル・フォンテイン議長(バチカン)。
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学校建設予定地に酋長の遺体はないと断定 [先住民]

 ブリティッシュコロンビア州ニューウェストミンスターの学校建設予定地に、インディアンの酋長が埋葬されているという噂が立ち、計画は棚上げとなっていたが、このたび歴史家の調査によりこの可能性が否定され、建設が再開されることになった。

1872225 シャーリー・ボンド文部大臣は、歴史家ジム・ウォルフ氏より「相当な確実性で、酋長の遺体が建設予定地に埋葬されている可能性はないと言える」という報告を受けたと、6月19日プロビンス紙に語った。
 今年初め、ニューウェストミンスターのチャック・パックマイヤー州会議員の調査をきっかけに、チルコーチン族の酋長アハンの遺体がダグラス・ロード墓地に葬られているという噂が広がった。伝染病感染を恐れたチルコーチン族が道路建設作業員を殺害した1864年の「チルコーチン戦争」で、殺人罪に問われたアハンは絞首刑に処された。遺体はいずこかへ埋葬され、その行方は判明していないが、様々な可能性を消去法で絞り込んでいくとダグラス・ロード墓地以外考えられないというのがパックマイヤー氏の見解だった。
 既存のニューウェストミンスター・セカンダリースクールを継承する中学校と高校それぞれの建設費用に、州政府は数百万ドルの予算を割り当てている。ボンド文相は、2校舎の建設は決定しているが、中学校については他の場所に建設する可能性もあると語った。
 なお「チルコーチン戦争」で起訴されたチルコーチン族は、自分たちは戦争しているのであって殺人罪に該当しないと抗弁した。司法長官は1993年、酋長の処刑について謝罪した。


写真:ニンポー湖畔に建てられた記念碑。
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“Ka Kanantahk”, she stands on guard for thee!-先住民の少女、国歌を初めてクリー語で歌う [先住民]


 2月3日、カルガリーのサドルドームで行われたカルガリー・フレームス対バンクーバー・カナックスの試合において、クリー族の少女アキナ・シャートさん(13)が国歌“O Canada”を、NHLの歴史上初めてクリー語で歌った。
 アキナさんは家族とエドモントンで暮らしているが、その両親はサドルレイク・ファーストネイション出身のクリー族である。アキナさんは4つの聖歌隊に参加するほか、ギターのレッスンを受け、クリー語の歌を既に4曲レコーディングしている。彼女が国歌をクリー語で歌い始めたのは、1年前からだという。昨年はジュニアBホッケーのウォーリアーズのためにクリー語国歌“Ka Kanantahk”を歌っている。
 「私が“Ka Kanantahk”を歌うと、いつも味方が勝利します。今は6勝0敗で、今日はフレームズが7勝目を挙げることを願っています」。
 「クリー語は、カナダ先住民の間で使われている美しい言語で、これをカナダ人と共有できることをとても喜ばしく思います」。
 この日はアキナさんに合わせ、およそ2万人のホッケー・ファンが国歌を斉唱した。そしてフレームズが4対3で勝利した。
 なおこの試合はCBCの“Hockey Night in Canada”で放送されたが、アキナさんが歌うシーンはCMが流れ、放送されなかった。

・アキナ・シャートさんホームページ
http://www.akinashirt.com/


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