It’s Summer Time!マッキントッシュ3個目の金 [パリ五輪]
8月3日に行われた女子200m個人メドレー決勝で、サマー・マッキントッシュが優勝した。彼女は400m個人メドレーと200mバタフライの金メダルと併せて、カナダ人として初めて1大会で3個の金メダルを獲得した。
カナダ水泳界の偉人たちを抜き頂点に立ったことを問われると、彼女はこう答えた。
「私をこの道に導き、私を今の地位に来るまで励ましてくれた、多くの先達が私の前にありました。」
「私は、自分が達成できたことを誇りに思います。」

400m自由形決勝は、7月27日に行われた。競泳関係者は、これを今大会最大のレースと呼んだ。東京大会金メダリストで世界記録保持者のアリアーン・ティットマス(オーストラリア)と、オリンピックで10個のメダル・7個の金メダルを獲得したケイティ・レデッキーに、この時点ではメダル0の新鋭マッキントッシュが挑む戦いで、3人は互いに何度も世界記録を更新し合った。このレースは、2004年アテネ大会でイアン・ソープ(オーストラリア)、ピーター・ファンデンホーヘンバント(オランダ)、マイケル・フェルプス(アメリカ)が戦った200m自由形「世紀のレース」と並び称された。
結果は、ティットマスが終始リードを保ち1着、マッキントッシュも終始2着のまま、人生初のメダルを獲得した。レデッキーは銅メダルだった。競技を終えたマッキントッシュは語った。
「二人と競うときはいつでも、多くを学ぶ機会になります。二人は私を、ベストな状態に押し出してくれます。本当にいいレースでした。」
「ターミネーター」の異名を取るティットマスは、ライバルのレデッキーを称賛したが、なぜかマッキントッシュの名に言及しなかった。
「いい結果を得てうれしいです。そして、このレースに参加でき、ケイティのようなレジェンドたちと競い合えてとても光栄です。」
「私は彼女を、人として尊敬しています。そして今夜、私がすばらしいショーを行い、みんながそれを楽しんだことを、望んでいます。」
3位に入ったレデッキーは、先着した二人を称えた。
「私たちは、それが偉大なレースであり、多くの偉大なライバルたちがいると認識していました。アリアーンとサマーは、本当によくやりました。」
表彰式を終えると、マッキントッシュはただちに次の400mリレーに向かった。アメリカは選手の層が厚く、予選と決勝で選手を入れ替えることができる。今競技を終えたばかりのレデッキーは、出場しない。だがカナダ・チームは、4人全員がメダリストのベストメンバーで臨む。一人目はマーガレット・マクニール、二人目はテーラー・ラック、三人目はサマー・マッキントッシュ、四人目はペニー・オレクシアクだ。オレクシアクはカナダ最多の通算7個のメダル保持者だが、膝の手術後はスランプに陥り、今大会出場はこの1種目だけだ。マッキントッシュはここで2個目のメダル獲得を目指したが、結果は3着から大きく離された4着に終わった。

オレクシアクは8月3日、400mメドレーリレーの予選に出場した。イングリッド・ウィルム、ソフィー・アンガス、メアリ=ソフィー・ハービーの3人はオリンピックでのメダル獲得はなく、いわば「二軍」のメンバー編成だ。カナダ・チームは2組予選を1位で通過した。4人全員が決勝には出場しないが、決勝のメンバーが3着以内に入れば、オレクシアクも通算8個目のメダルを手にすることになる。
「この日に備え、長い一週間でした。人々はあたかも『オレクシアクはどこにいる?』と言うかのようでしたが、私は今ここにいます。そして私は、明日起きることにわくわくしています。」
カイリー・マス、ソフィー・アンガス、マーガレット・マクニール、サマー・マッキントッシュの4人で臨んだ8月4日の決勝では、カナダ・チームは第三ランナーが2位で通過したものの、最終ランナーのマッキントッシュが失速し、4着に終わった。
これで競泳は全日程を終了した。マッキントッシュの1大会での獲得メダル数は4個で確定し、競泳選手ではオレクシアクの記録に並んだ。なお1大会で最も多くのメダルを獲得したカナダ人は、シンディ・クラッセンのトリノ大会での5個である。通算7個のメダルを獲得したオレクシアクの今大会は、メダル0で終わった。
写真上:金メダルを獲得したサマー・マッキントッシュ。
写真下:女子400mメドレーリレー予選。左からペニー・オレクシアク、ソフィー・アンガス、メアリ=ソフィー・ハービー、イングリッド・ウィルム。
カナダ水泳界の偉人たちを抜き頂点に立ったことを問われると、彼女はこう答えた。
「私をこの道に導き、私を今の地位に来るまで励ましてくれた、多くの先達が私の前にありました。」
「私は、自分が達成できたことを誇りに思います。」

400m自由形決勝は、7月27日に行われた。競泳関係者は、これを今大会最大のレースと呼んだ。東京大会金メダリストで世界記録保持者のアリアーン・ティットマス(オーストラリア)と、オリンピックで10個のメダル・7個の金メダルを獲得したケイティ・レデッキーに、この時点ではメダル0の新鋭マッキントッシュが挑む戦いで、3人は互いに何度も世界記録を更新し合った。このレースは、2004年アテネ大会でイアン・ソープ(オーストラリア)、ピーター・ファンデンホーヘンバント(オランダ)、マイケル・フェルプス(アメリカ)が戦った200m自由形「世紀のレース」と並び称された。
結果は、ティットマスが終始リードを保ち1着、マッキントッシュも終始2着のまま、人生初のメダルを獲得した。レデッキーは銅メダルだった。競技を終えたマッキントッシュは語った。
「二人と競うときはいつでも、多くを学ぶ機会になります。二人は私を、ベストな状態に押し出してくれます。本当にいいレースでした。」
「ターミネーター」の異名を取るティットマスは、ライバルのレデッキーを称賛したが、なぜかマッキントッシュの名に言及しなかった。
「いい結果を得てうれしいです。そして、このレースに参加でき、ケイティのようなレジェンドたちと競い合えてとても光栄です。」
「私は彼女を、人として尊敬しています。そして今夜、私がすばらしいショーを行い、みんながそれを楽しんだことを、望んでいます。」
3位に入ったレデッキーは、先着した二人を称えた。
「私たちは、それが偉大なレースであり、多くの偉大なライバルたちがいると認識していました。アリアーンとサマーは、本当によくやりました。」
表彰式を終えると、マッキントッシュはただちに次の400mリレーに向かった。アメリカは選手の層が厚く、予選と決勝で選手を入れ替えることができる。今競技を終えたばかりのレデッキーは、出場しない。だがカナダ・チームは、4人全員がメダリストのベストメンバーで臨む。一人目はマーガレット・マクニール、二人目はテーラー・ラック、三人目はサマー・マッキントッシュ、四人目はペニー・オレクシアクだ。オレクシアクはカナダ最多の通算7個のメダル保持者だが、膝の手術後はスランプに陥り、今大会出場はこの1種目だけだ。マッキントッシュはここで2個目のメダル獲得を目指したが、結果は3着から大きく離された4着に終わった。

オレクシアクは8月3日、400mメドレーリレーの予選に出場した。イングリッド・ウィルム、ソフィー・アンガス、メアリ=ソフィー・ハービーの3人はオリンピックでのメダル獲得はなく、いわば「二軍」のメンバー編成だ。カナダ・チームは2組予選を1位で通過した。4人全員が決勝には出場しないが、決勝のメンバーが3着以内に入れば、オレクシアクも通算8個目のメダルを手にすることになる。
「この日に備え、長い一週間でした。人々はあたかも『オレクシアクはどこにいる?』と言うかのようでしたが、私は今ここにいます。そして私は、明日起きることにわくわくしています。」
カイリー・マス、ソフィー・アンガス、マーガレット・マクニール、サマー・マッキントッシュの4人で臨んだ8月4日の決勝では、カナダ・チームは第三ランナーが2位で通過したものの、最終ランナーのマッキントッシュが失速し、4着に終わった。
これで競泳は全日程を終了した。マッキントッシュの1大会での獲得メダル数は4個で確定し、競泳選手ではオレクシアクの記録に並んだ。なお1大会で最も多くのメダルを獲得したカナダ人は、シンディ・クラッセンのトリノ大会での5個である。通算7個のメダルを獲得したオレクシアクの今大会は、メダル0で終わった。
写真上:金メダルを獲得したサマー・マッキントッシュ。
写真下:女子400mメドレーリレー予選。左からペニー・オレクシアク、ソフィー・アンガス、メアリ=ソフィー・ハービー、イングリッド・ウィルム。
最高齢アービング、五輪出場できず [パリ五輪]
パリ・オリンピック出場選手中最高齢だったジル・アービング選手(馬術・61歳)は、愛馬ドラクロワが体調不良につき、クリス・フォン・マーテル選手とエクリプスに交代したと7月26日に発表した。アービング選手は愛馬ジェネシスとともに補欠に回る。これにより最高齢選手は、ルクセンブルク卓球代表のニー・シャーリエン(倪夏蓮)選手の61歳になる見込みである。なお五輪史上最高齢選手は、1920年に72歳で射撃に出場したオスカー・スバーン(スウェーデン)で、銀メダルを獲得し最高齢メダリストになっている。
アービング選手は2020年の東京オリンピック出場が確実だったが、新型コロナ蔓延により1年延期になり、出場が白紙となった経緯がある。
新型コロナに感染したため開会式を欠場し、ホテルに閉じ籠っている彼女は、健気に語った。
「次のロサンゼルスに向けて、気分良く挑戦したい。そんなことが何だって言うの?4年の歳月は、あっという間だ。」
アービング選手は2020年の東京オリンピック出場が確実だったが、新型コロナ蔓延により1年延期になり、出場が白紙となった経緯がある。
新型コロナに感染したため開会式を欠場し、ホテルに閉じ籠っている彼女は、健気に語った。
「次のロサンゼルスに向けて、気分良く挑戦したい。そんなことが何だって言うの?4年の歳月は、あっという間だ。」
セリーヌ・ディオン、難病を乗り越え4年ぶり復活 [パリ五輪]
パリ・オリンピック開会式が、7月26日に行われた。私を何より驚かせたのは、開会式のフィナーレでカナダ人歌手セリーヌ・ディオンが、難病をおして健在ぶりを示したことだった。
セリーヌは1968年、ケベック州シャルルマーニュに生まれた。12歳でシャンソン歌手としてデビューしたとき、英語は全く話せなかった。スターになるためアメリカに進出し、英語とダンスの特訓を受け、八重歯を矯正し、「美女と野獣」「タイタニック」でトップスターに登りつめた。1996年のアトランタ・オリンピック開会式でも歌っている。
マネージャーと結婚しアメリカ在住となった彼女は、フランス語で歌うことはなくなった。英語の方が売れるからである。「カナダ人の嫌いなカナダ人」アンケートで彼女は、圧倒的1位に選ばれている。有名になってカナダを棄ててアメリカに行くのは、カナダ人が最も嫌う行為なのだ。
2022年、痛みを伴う筋肉の痙攣をひき起こす難病スティッフパーソン症候群を患っていると公表し、芸能活動を完全に休止していた。
オリンピックはもはやフランス一国のものではなく、世界人類のためのものだと感じた。アメリカ人レディ・ガガもフランス語で歌ったが、これはLGBT枠なのだろう。国際舞台でバイリンガルのカナダ人に活躍の場が与えられたことをうれしく思うとともに、このセレモニーがオリンピアンのみならず、パラアスリートたちにも勇気を与えたと思う。
動画:https://www.youtube.com/watch?v=3IcrcWD-4es
セリーヌは1968年、ケベック州シャルルマーニュに生まれた。12歳でシャンソン歌手としてデビューしたとき、英語は全く話せなかった。スターになるためアメリカに進出し、英語とダンスの特訓を受け、八重歯を矯正し、「美女と野獣」「タイタニック」でトップスターに登りつめた。1996年のアトランタ・オリンピック開会式でも歌っている。
マネージャーと結婚しアメリカ在住となった彼女は、フランス語で歌うことはなくなった。英語の方が売れるからである。「カナダ人の嫌いなカナダ人」アンケートで彼女は、圧倒的1位に選ばれている。有名になってカナダを棄ててアメリカに行くのは、カナダ人が最も嫌う行為なのだ。
2022年、痛みを伴う筋肉の痙攣をひき起こす難病スティッフパーソン症候群を患っていると公表し、芸能活動を完全に休止していた。
オリンピックはもはやフランス一国のものではなく、世界人類のためのものだと感じた。アメリカ人レディ・ガガもフランス語で歌ったが、これはLGBT枠なのだろう。国際舞台でバイリンガルのカナダ人に活躍の場が与えられたことをうれしく思うとともに、このセレモニーがオリンピアンのみならず、パラアスリートたちにも勇気を与えたと思う。
動画:https://www.youtube.com/watch?v=3IcrcWD-4es
パリ五輪カナダの見どころ [パリ五輪]
グレースノート社の予想によると、カナダ代表は、パリ・オリンピックで7個の金メダルを獲得することになっている。そうなれば、ボイコットのない夏季大会としては2021年東京大会に並ぶ最多記録となる。またカナダが獲得する総メダル数は21個と予想されており、東京大会より3つ少ないだけだ。
●サマー・マッキントッシュ(水泳)
今大会最大のスターが、17歳の天才少女サマー・マッキントッシュであることに疑いの余地はない。オリンピック・スイマーの娘として生まれ、東京大会に14歳で代表入りした彼女は、数々の最年少記録を塗り替え、今大会では200mバタフライと400m個人メドレーで金メダルを期待されている。400m自由形リレーと400mメドレーリレーでも銅メダルと予想され、さらにいくつかのメダルを獲得するチャンスがある。
2016年リオデジャネイロ大会で、16歳のペニー・オレクシアクが1大会最多の4個のメダルを獲得したのは、いまだ記憶に新しい。今大会のマッキントッシュは、この記録を破る可能性を秘めている。
カナダ史上最多の五輪7冠に輝いたオレクシアクは、膝の手術を受けて以降は全く精彩を欠き、今大会ではいかなる個人種目においても代表入りを逃した。彼女の今大会出場は、400m自由形リレーだけである。今大会は、新旧女王の入れ替わりを見ることになるだろうが、オレクシアクには通算8個目のメダルを獲得するチャンスがある。まだ24歳と若い彼女の、復活にも注目したい。
●クリスタ・デグチ(柔道)
カナダ人の父と日本人の母から生まれ、長野県で育ったクリスタ・デグチは、ジェシカ・クリムカイトとの選考争いに敗れ東京大会には出場できなかったが、今大会では世界ランク1位となった彼女が代表入りの切符を手にし、金メダルが予想されている。なお彼女の57キロ級には、2022・23年の世界選手権で2位の舟久保遥香がいる。
彼女の妹ケリー・デグチも52キロ級に出場しているが、東京大会金メダリストの阿部詩と初戦で対戦する。
柔道ではほかに、100キロ級のシャディ・エルナハスが銀メダルを予想されている。なおこのクラスには、東京大会金メダリストのウルフ・アロンがいる。また63キロ級のカトリーヌ・ボシュマン=ピナールが、銅メダルを予想されている。
●フィル・キム(ブレイキン)
2028年ロサンゼルス大会では、ブレイキンは採用されないことが決まっている。パリ・オリンピックは、ブレイキンが採用されるおそらく唯一の大会になるだろう。
カナダ代表のフィル・キムは、オリンピック史上初の、そしておそらくは最後の金メダリストになると予想されている。
●サッカー女子代表
東京大会で金メダルを獲得したサッカー女子代表は、今大会では12チーム中8位という評価で、メダル獲得は絶望視されている。東京大会を牽引したエースのクリスティン・シンクレア引退を受け、昨夏のワールドカップでは予選リーグを抜けることなく敗退した。
7月26日の初戦の相手は、12チーム中最弱と評価されるニュージーランドで、楽勝とも思えたが、ニュージーランド代表の練習をドローンで盗撮していた「ドローンゲート事件」発覚により、関わったコーチ2名が帰国の処分を受け、ベブ・プリーストマン監督は自主的に初戦の指揮を辞退する前途多難の船出となった。
●バスケットボール男子代表
バスケットボールがカナダ人ジェームズ・ネイスミスによって考案されたのは知る人ぞ知る事実であるが、カナダ男子代表はオリンピックで一度も勝ったことがなく、21世紀では今大会が初出場となる。スーパースターのシャイ・ギルジャス=アレクサンダー以下、NBA選手を揃え昨夏のワールドカップで銅メダルに輝いた男子代表を、グレースノート社はメダルなしと予測した。
グレースノート社の予測するカナダのメダリストは、以下の通りである。
●金メダル
サマー・マッキントッシュ(女子200mバタフライ)
サマー・マッキントッシュ(女子400m個人メドレー)
ダミアン・ワーナー(十種競技)
カムリン・ロジャース(女子ハンマー投げ)
イーサン・カッツバーグ(男子ハンマー投げ)
フィリップ・キム(ブレイキン)
クリスタ・デグチ(柔道女子57キロ級)
●銀メダル
ジョシュ・リエンド(男子100mバタフライ)
陸上男子400mリレー
マーコ・アロップ(陸上男子800m)
サラ・ミットン(女子砲丸投げ)
タマラ・ティボー(ボクシング女子75キロ級)
ケイティ・ビンセント(カヌー女子カナディアンシングル200m)
ケイティ・ビンセントとスローン・マッケンジー(カヌー女子カナディアンペア500m)
キャサリン・ボシュマン=ピナール(柔道女子53キロ級)
アーティスティック・スイミング
●銅メダル
カイリー・マッセ(女子100m背泳ぎ)
女子400m自由形リレー
女子400mメドレーリレー
ボート女子エイト
シャディ・エルナハス(柔道男子100キロ級)
●サマー・マッキントッシュ(水泳)
今大会最大のスターが、17歳の天才少女サマー・マッキントッシュであることに疑いの余地はない。オリンピック・スイマーの娘として生まれ、東京大会に14歳で代表入りした彼女は、数々の最年少記録を塗り替え、今大会では200mバタフライと400m個人メドレーで金メダルを期待されている。400m自由形リレーと400mメドレーリレーでも銅メダルと予想され、さらにいくつかのメダルを獲得するチャンスがある。
2016年リオデジャネイロ大会で、16歳のペニー・オレクシアクが1大会最多の4個のメダルを獲得したのは、いまだ記憶に新しい。今大会のマッキントッシュは、この記録を破る可能性を秘めている。
カナダ史上最多の五輪7冠に輝いたオレクシアクは、膝の手術を受けて以降は全く精彩を欠き、今大会ではいかなる個人種目においても代表入りを逃した。彼女の今大会出場は、400m自由形リレーだけである。今大会は、新旧女王の入れ替わりを見ることになるだろうが、オレクシアクには通算8個目のメダルを獲得するチャンスがある。まだ24歳と若い彼女の、復活にも注目したい。
●クリスタ・デグチ(柔道)
カナダ人の父と日本人の母から生まれ、長野県で育ったクリスタ・デグチは、ジェシカ・クリムカイトとの選考争いに敗れ東京大会には出場できなかったが、今大会では世界ランク1位となった彼女が代表入りの切符を手にし、金メダルが予想されている。なお彼女の57キロ級には、2022・23年の世界選手権で2位の舟久保遥香がいる。
彼女の妹ケリー・デグチも52キロ級に出場しているが、東京大会金メダリストの阿部詩と初戦で対戦する。
柔道ではほかに、100キロ級のシャディ・エルナハスが銀メダルを予想されている。なおこのクラスには、東京大会金メダリストのウルフ・アロンがいる。また63キロ級のカトリーヌ・ボシュマン=ピナールが、銅メダルを予想されている。
●フィル・キム(ブレイキン)
2028年ロサンゼルス大会では、ブレイキンは採用されないことが決まっている。パリ・オリンピックは、ブレイキンが採用されるおそらく唯一の大会になるだろう。
カナダ代表のフィル・キムは、オリンピック史上初の、そしておそらくは最後の金メダリストになると予想されている。
●サッカー女子代表
東京大会で金メダルを獲得したサッカー女子代表は、今大会では12チーム中8位という評価で、メダル獲得は絶望視されている。東京大会を牽引したエースのクリスティン・シンクレア引退を受け、昨夏のワールドカップでは予選リーグを抜けることなく敗退した。
7月26日の初戦の相手は、12チーム中最弱と評価されるニュージーランドで、楽勝とも思えたが、ニュージーランド代表の練習をドローンで盗撮していた「ドローンゲート事件」発覚により、関わったコーチ2名が帰国の処分を受け、ベブ・プリーストマン監督は自主的に初戦の指揮を辞退する前途多難の船出となった。
●バスケットボール男子代表
バスケットボールがカナダ人ジェームズ・ネイスミスによって考案されたのは知る人ぞ知る事実であるが、カナダ男子代表はオリンピックで一度も勝ったことがなく、21世紀では今大会が初出場となる。スーパースターのシャイ・ギルジャス=アレクサンダー以下、NBA選手を揃え昨夏のワールドカップで銅メダルに輝いた男子代表を、グレースノート社はメダルなしと予測した。
グレースノート社の予測するカナダのメダリストは、以下の通りである。
●金メダル
サマー・マッキントッシュ(女子200mバタフライ)
サマー・マッキントッシュ(女子400m個人メドレー)
ダミアン・ワーナー(十種競技)
カムリン・ロジャース(女子ハンマー投げ)
イーサン・カッツバーグ(男子ハンマー投げ)
フィリップ・キム(ブレイキン)
クリスタ・デグチ(柔道女子57キロ級)
●銀メダル
ジョシュ・リエンド(男子100mバタフライ)
陸上男子400mリレー
マーコ・アロップ(陸上男子800m)
サラ・ミットン(女子砲丸投げ)
タマラ・ティボー(ボクシング女子75キロ級)
ケイティ・ビンセント(カヌー女子カナディアンシングル200m)
ケイティ・ビンセントとスローン・マッケンジー(カヌー女子カナディアンペア500m)
キャサリン・ボシュマン=ピナール(柔道女子53キロ級)
アーティスティック・スイミング
●銅メダル
カイリー・マッセ(女子100m背泳ぎ)
女子400m自由形リレー
女子400mメドレーリレー
ボート女子エイト
シャディ・エルナハス(柔道男子100キロ級)