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●カナダの歴史と政治
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カーニー当選、次期首相に [自由党]

 3月9日に実施された自由党党首選は、即日開票され、マーク・カーニー元カナダ銀行総裁が1回目の投票で85.9%を獲得し、圧勝した。強力な対抗馬と見られていたクリスティア・フリーランド前副首相は、8.0%で大敗した。カリナ・グールド前下院院内総務は3.2%、フランク・ベイリス元下院議員は2.7%だった。カーニー氏は近日中に、首相に指名される。

 歴代首相はロースクール出身者が多いが、カーニー氏は経済・金融が専門で、議会に議席がないどころか、政治歴が全くない。候補全員が不評な炭素税見直しを公約したが、他候補はいずれもトルドー政権のインサイダーで、フリーランド氏に至っては政権中枢にいたため、苦しい弁明となった。評判が地に落ちた自由党は、むしろアウトサイダーと刷新感を求めた。
 過去にジョン・ターナー首相が就任時に議席がなかったが、彼はピエール・トルドー首相に睨まれて政界引退し、彼の引退を受けて政界復帰したので、過去に議員や財務大臣を務めていた。ブライアン・マルローニ氏は政治歴なしで、実業界から野党保守党の党首となり、当選2回で首相になっている。
 トルドー首相がいつ辞表を提出するかは定かではないが、“in the coming days or week”と述べたことから、政権交代は来週になると思われる。
 次期首相は予定では、24日に召集される連邦議会でスローン・スピーチ(所信表明演説)することになるが、議席がないと議場に入れないため、それまでに補選で当選する必要がある。これを切り抜けたとしても、早々に内閣不信任される可能性は極めて高い。世論調査を見て、支持率が高いと見たら速攻で解散・総選挙に打って出るだろう。
 カーニー政権が延命するため、選挙制度改革のような、新民主党が飛びつきそうな餌を提示して抱き込む方法もなくはないが、国民は寝技より選挙による審判を求めるだろう。秋までには行わなければならない総選挙において、全選挙区が小選挙区であり、新民主党はどこででも自由党と戦って勝たねばならない。だとすると今さら議会で馴れ合うのは、士気に関わるだろう。

 グールド候補は、負けるとわかっている戦いにおいて、テレビ討論で強い印象を残し、敗れはしたが次の次を担うニューリーダーとして自身を売り出すことに成功した。誰もが認めるナンバー2のフリーランド氏は、そのイメージゆえに大敗を喫した。過去の党首選で、アメリカに嫌われていることをアピールした人はいなかっただろう。トランプ大統領の在任中に、次のチャンスを掴んでおきたいところだ。
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