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緑の党、ポール党首の信任投票を開始 [緑の党]

 緑の党は、アナミー・ポール党首が9月27日に辞意を表明したにもかかわらず、1か月経ってもまだ辞任していないので、党首の信任投票を10月27日に開始した。投票は11月25日まで受け付けるという。
 党則は、総選挙のあと党首が首相にならなかった場合は、党首の信任投票を行うと定めている。ポール党首は、信任投票が行われることを9月26日に知らされ、翌日辞意表明した。だが、反対派は10月上旬に辞任するものと考えていたのに、辞任のための交渉が終わっていないという理由で下旬になっても辞任しないため、異例ともいえる辞意表明した党首の信任投票に突入することになった。なお「交渉」とは、反対派が彼女を追放するため裁判所に訴えた件で、彼女が負担した弁護士費用を党が補填するかどうかの交渉である。
 ジム・ハリス元党首は、ポール党首への不信任投票を党員に訴え続けている。
「党員は信任投票で、彼女の不信任に投票しなければならない。」
「それから我々は、党を建て直す作業にとりかかることができるのだ。」
「この星における我々の未来が、それを要求する。」
「アナミー・ポールの党首としての在任期間は、悲惨だった。彼女は、総選挙の直後に辞任しなければならなかった。」
 彼はそう述べて、グラスゴーで開催されるCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)に党が党首を派遣できなかった事実を、指摘した。
「アナミー・ポールは4週間以上前、これ以上任務を果たせないと世界に向けて言った。私は、彼女の要望を尊重したい。」
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トリーチャー・コリンズ症候群の歌手をからかったコメディアン、逆転無罪に [人権]

 トリーチャー・コリンズ症候群(下顎顔面異骨症)の歌手をからかうジョークを連発したコメディアンが告発された件で、連邦最高裁は10月29日、下級審の判決を覆し、被告を無罪とした。
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 ジェレミー・ガブリエル氏(24歳)はトリーチャー・コリンズ症候群を患っているが、少年時代から歌手として活動し、教皇ベネディクト十六世の前や、モントリオール・カナディアンズの試合などで歌ってきた。これに対しコメディアンのマイク・ウォード氏が「サブウーファが頭の上にある」「病状が末期的なので(※実際には誤り)溺れさせて死なせてあげよう」などと繰り返しジョークのネタにした。ガブリエル氏はそれから学校などでいじめられるようになり、自殺も考えたという。
 本件は、人権とコメディアンの表現の自由が争われたカナダ史上初のケースとして、法律家やコメディアンに注目された。ウォード被告は、ケベック州のセレブたちは「神聖にして不可侵」であり、あまりに金持ちであまりに権力を持ちすぎているため、からかいの的にはならないのだと語った。そして、もし最高裁で敗訴が確定した場合は「シリアかサウジアラビアか、カナダと同じくらい表現の自由が尊重されている国に引っ越すつもりだ」とジョークを飛ばした。
 ケベック人権裁判書は2016年7月20日、ガブリエル氏に3万5000ドルとその母親に7000ドルを支払うよう、ウォード被告に命じた。被告は控訴したが、ケベック控訴裁判所は2019年11月28日、一審判決を支持し、被告にガブリエル氏への3万5000ドルの支払いを命じた。差別の被害者ではないという理由で、母親への支払いについては退けた。
 今回の最高裁の判決は、5対4の僅差となった。判決文は、ケベック人権憲章のもとに保護されている尊厳と、言論の自由とのバランスを考慮するとき、2段階のテストが行われなければならないと述べた。第一のテストでは、ウォード被告の発言が被害者をその障害に基づき中傷するよう刺激することを意図したかどうか、そして第二のテストでは、発言が被害者の差別を導いたかどうかが検証された。そして「我々の見解では、ウォード氏によってなされたコメントは、これらの2つの要件のどちらも満たさない」、また同級生や誰かが彼のジョークを真似て言ったことについて被告に責任を問うことはできない、と判断した。
「非難されたコメントは、この種のユーモアで知られている職業コメディアンによって作られた。それらは、正しくまたは誤って、楽しませるために不快の感覚を利用したが、それ以上のものではなかった。」
 多発性・先天性の骨格筋異常を患っているコメディアンのマイケル・リフシッツ氏は、本件訴訟について次のように述べた。
「私の障害にまつわる私のジョークは、ポリティカル・コレクトネスに合致しないから、自分で自分を訴えるつもりだ。」
「この訴訟が実際にどうやってインクルージョン(包摂性)の問題を前進させるのか、どうやっていじめの被害者を減らすのか、わからない。」
 判決を受けてガブリエル氏は、もしウォード被告と話す機会があれば、彼のジョークがどれほど彼の人生に影響を与えたかについて語るだろうと述べた。
「私が初めてジョークを聞いたとき、どう感じたかを彼に話したい。私は、自ら命を絶とうとした。」
「13歳の私がどう思ったか・・・40歳の人があなたは死ぬべきだと言い、それを正しい行為だと考えたことについて。」
 いっぽうウォード被告は、裁判についてこう述べた。
「勝ってもうれしくない。ほっとしている。」
「ジェレミー、もし聞いているなら、君の人生の幸運を祈ってるよ。」


写真:ジェレミー・ガブリエル氏(左)とマイク・ウォード被告(右)。
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トルドー内閣改造 [自由党]

 トルドー首相は10月26日、大規模な内閣改造を行った。
 彼が初めて首相に就任し、最初の内閣を発表したのは、6年前の晴れ渡ったサニー・デイだった。厚生大臣は医師で、財務大臣はCEOで、国防大臣は叙勲された軍人で、法務大臣は先住民の弁護士で、運輸大臣は元宇宙飛行士だった。
 彼がその6年後に内閣改造を発表したのは、寒い雨の日だった。医師の厚生大臣も、CEOの財務大臣も、軍人だった国防大臣も、先住民の弁護士の法務大臣も、元宇宙飛行士ももういない。

 今回の改造は、大幅な入れ替えが行われているが、見慣れた顔ぶれによるポストのたらい回しであり、初入閣の7人を別にすれば真新しさに欠ける。だがその目玉は、内閣の最も主要な外務・国防・財務の3つのポストが、カナダ史上初めて女性に独占されたことである。すなわち、国際関係大臣にメラニー・ジョリー経済発展大臣兼公用語担当大臣、国防大臣にアニータ・アナンド公共サービス・調達大臣が就き、財務大臣にはクリスティア・フリーランド副首相が留任した。女性の国防大臣は、キム・キャンベル以来28年ぶり2人目である。これについて、サイモン・フレイザー大学のミーガン・マッケンジー教授は次のように述べた。
「これらは3つの主要な閣僚ポストであり、そしてそれらが比較的早い経歴の女性によって保持されている。」
「これらは、自分に能力があることを示した女性たちであり、党で何十年も何十年も何十年も仕えてきた女性たちではない。」
 フリーランド副首相はその地位に留まり、政権ナンバー2の地位を維持した。ジョリー大臣は、10月の総選挙で参謀として貢献し、重量ポストに昇進した。
 アナンド氏の国防大臣就任は、最も困難な任務をあてがわれたと言われる。カナダ軍では性的不正行為が蔓延しており、前任のサジャン国防大臣は、その対処を誤ったとして強い批判を浴びた。
これについて、カナダ国際問題研究所のシャーロット・デュバル=ラントワーヌ研究員は、次のように述べた。
「私は、女性を任命することが問題を解決するとはむろん考えていない。」
「性的不正行為は必ずしも、女性だけの問題ではない。」
 そう述べて彼女は、軍隊で多数の男性が性的暴行を受けている事実を挙げた。
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 グリーンピースやエキテールなどの環境団体で活動してきたスティーブン・ギルボー氏は、2019年の内閣改造で民族遺産大臣に任命されたが、今回ついに環境・気候変動大臣に任命された。この人事は当然ながら、物議を醸している。
 彼は2001年、地球温暖化を警告するためトロントのCNタワーに登り、逮捕されている。また2002年には、アルバータ州のラルフ・クレイン首相の自宅の屋根に登り太陽電池パネルを設置するグリーンピースのパフォーマンスにも、関与している。
 産油州であるアルバータ州のジェイソン・ケニー首相は、ギルボー氏の環境大臣任命は「非常に問題のあるメッセージを送ることになる」と批判した。
「アルバータや他の産油州による、何十万もの雇用を失うことにならないような現実的な解決を、建設的に一体となって取り組みたいという要望に、速やかに実際に応じてみせることを、私は明確に望んでいる。」
 これに対しギルボー大臣は、グラスゴーで開催されるCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)に他の州首相は参加するのに、ケニー首相が参加しないことを挙げ「失望する」と語った。

 新任の大臣は、7人である。元ブロードキャスターのマーシー・イェン議員は、女性・ジェンダー平等・青年大臣となる。カマル・ケラ議員は、高齢者大臣となる。パスカル・サントンジュ議員は、スポーツ大臣兼ケベック地方経済発展担当大臣となる。ランディ・ボワソノール議員は、観光大臣兼財務副大臣となる。ショーン・フレイザー議員は、移民・難民・市民権大臣となる。グディ・ハッチングス議員は、地方経済発展大臣となる。ヘレナ・ジャチェック議員は、南オンタリオ経済開発エージェンシー担当大臣になる。
 ジネット・プチパ=テイラー議員は、公用語大臣兼大西洋カナダ機会エージェンシー担当大臣として再入閣する。

 マーク・ホランド下院幹事長は、下院院内総務に異動する。
 ハルジット・サジャン国防大臣は、国際開発大臣兼太平洋経済開発エージェンシー担当大臣に異動する。
 パブロ・ロドリゲス下院院内総務は、カナダ民族遺産大臣兼ケベック副官に異動する。
 ジャン=イブ・デュクロ予算庁長官は、厚生大臣に異動する。
 モナ・フォルティエ中流階級繁栄大臣兼財務副大臣は、予算庁長官に異動する。
 カリナ・グールド国際開発大臣は、家庭・子供・社会開発大臣に異動する。
 パトリシア・ハイデュ厚生大臣は、先住民サービス大臣兼北オンタリオ経済開発エージェンシー担当大臣に異動する。
 キャロリン・ベネット政府‐先住民関係大臣は、メンタルヘルス・中毒大臣兼厚生副大臣に異動する。
 マーク・ミラー先住民サービス大臣は、政府-先住民関係大臣に異動する。
 アーメッド・フッセン家庭・子供・社会開発大臣は、住宅・多様性・インクルージョン大臣に異動する。
 ジョイス・マレー デジタル政府大臣は、漁業海洋・カナダ沿岸警備隊大臣に異動する。
 シームス・オリーガン天然資源大臣は、労働大臣に異動する。
 フィロメナ・タッシ労働大臣は、公共サービス・調達大臣に異動する。
 ジョナサン・ウィルキンソン環境・気候変動大臣は、天然資源大臣に異動する。
 マルコ ・メンディチノ移民・難民・市民権大臣は、公安大臣に異動する。
 ドミニク・ルブラン政府間関係大臣兼枢密院議長は、政府間関係大臣兼インフラ・地域社会大臣となる。
 ダン・バンダル北方大臣は、北方大臣兼中西部経済開発担当大臣兼北方経済開発エージェンシー担当大臣となる。
 ビル・ブレア公安・非常時対応準備大臣は、枢密院議長兼非常時対応準備大臣となる。
 メアリー・ン国際貿易大臣兼輸出振興・中小企業・経済開発大臣、デビッド・ラメッティ法務大臣兼司法長官、オマー・アルガブラ運輸大臣、マリー=クロード・ビボー農務・農産食品大臣、フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ イノベーション・科学産業大臣、ディアンヌ・ルブティリエ歳入大臣、ローレンス・マコーレー復員軍人大臣兼国防副大臣、カーラ・クワルトロー雇用・労働力開発・障碍者インクルージョン大臣は、留任する。

 マルク・ガルノー外務大臣、バーディシュ・チャッガー多様性・包含・青年大臣、ジム・カー無任所大臣は、閣僚から外された。ガルノー氏の処遇については、大使に任命されるのではという噂があるが、トルドー首相は「この内閣が今日のニュースだ」と言って答えなかった。なおベルナデット・ジョーダン漁業海洋・カナダ沿岸警備隊大臣、マリヤム・モンセフ地方経済開発大臣兼女性の地位・ジェンダー平等大臣、デブ・シュルト高齢者大臣は、総選挙で落選し閣僚ポストを失った。キャサリン・マッケナ インフラ・地域社会大臣は、総選挙に出馬せず引退した。
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写真上:グリーンピースのスティーブン・ギルボー氏(右)とクリス・ホールデン氏(左)は、カナダとアメリカが京都議定書に及び腰なのに抗議して、2001年7月17日当時世界一高かったCNタワーに登り、340メートルの高さに「カナダとブッシュは気候を破壊する」という幕を掲げ、逮捕された。
図下:産油州であるアルバータ州のケニー首相が面会してくれないので、屋根から降下して会いに行くスティーブン・ギルボー環境大臣。
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連邦議会の定数、342議席に

 選挙管理委員会は10月15日、連邦議会の定数を現行の338から342に増員すると発表した。
 アルバータ州は3議席増えて37議席、オンタリオ州は1議席増えて122議席、ブリティッシュコロンビア州は1議席増えて43議席、ケベック州は1議席減って77議席、その他は変更がなく、すなわちサスカチュワン州は14議席、マニトバ州は14議席、ニューブランズウィック州は10議席、ノバスコシア州は11議席、プリンスエドワード島州は4議席、ニューファンドランド&ラブラドル州は7議席、ユーコン準州は1議席、ノースウェスト準州は1議席、ヌナブート準州は1議席となる。
 ケベック州は1966年以降で、初めて議席を減らす。ケベック州の人口増加率は、全国平均より少ないからである。
 憲法は、10年ごとに国勢調査を行い、定数を見直すことを求めている。定数が変更される州では、選挙区の区割りも独立選挙区委員会によって変更される。委員会は10州の州裁判長によって一人ずつ任命され、また下院議長にも2名任命され、計12名となる。
 選挙管理委員会は、区割り変更は2024年4月以降になるだろうと語ったが、与党自由党は過半数を獲得できなかったため、次の総選挙がそれより早く実施されることはありえる。
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保守党内にオトゥール降ろしの動き [保守党]

 総選挙で最も多くの票を得たにもかかわらず、政権奪取に失敗したエリン・オトゥール党首に対し、保守党内部の評価は割れている。
 党役員のバート・チェン氏は、敗北が判明したその日のうちに、インターネット上でリーダーシップ・チェックを実施する嘆願書を公開し、4000人以上の署名を集めている。
 党の規約では「連邦議会総選挙後の最初の党大会において、党が政権を獲得せず、かつ党首が辞任する意向を表明しなかった場合」は、自動的にリーダーシップ・チェックが行われる。これとは別に、幹部会の20%の要求があるときは、リーダーシップ・チェックを実施しなければならない。不信任票が信任票を上回った場合、党首はその地位を失う。
 チェン氏の動きは党の規約に沿ったものではなく、保守党には、彼が役員の地位を濫用していると言う訴えも寄せられた。彼は10月14日、党員資格停止60日の処分を受けた。
 チェン氏は、多くの保守党員から「オトゥール党首に裏切られた」という声を聞いた。
「私は、カナダ人は整合性を重視すると思う。そして整合性とは、約束を守り、その上で一貫性を保つことだと思う。」
 党首選では保守党員だけが投票するが、総選挙は全有権者が投票する。そこで有権者の支持を得るため、保守党党首選では右寄りの政策を掲げ、総選挙では中道寄りに修正するというのはよくあることではある。オトゥール党首は党首選では「真のブルー・トーリー」と称し、均衡財政、自由党政権が掲げる炭素税や殺傷力の高い銃の禁止に反対と主張したが、総選挙が始まると掌を返し、自由党政権以上の財政出動と低炭素政策を打ち上げ、銃規制反対は単に撤回した。
 オトゥール党首は、右派有権者の多いトロント郊外を主戦場と見なし、ここに食い込むため中道寄りの政策を採ったのだろう。だがオンタリオでの得票は前回より改善されたものの、議席の大幅増にはつながらなかった。右派有権者の多い東部では、前回の4議席に対し今回は8議席で、トルドー内閣閣僚の3人を落選させる戦果を挙げたが、東部の議席は多くはない。むしろ、ワクチンの安全性に疑いを持つ右翼有権者を、人民党にごっそり奪われる結果となった。
 匿名の保守党議員は、オトゥール党首を明確に批判した。
「彼は総選挙を、自由党として戦った。議員からも党員からも、誰からの委任もなしに。」
「テレビ討論で彼を見るまで、どんな公約を掲げていたのか知らなかった」
「オトゥール党首は今回総選挙で、彼が進んだ道を行くことで極めて大きなリスクを冒した。そしてそのツケは、まだ支払われていない。彼は辞めるべきだ。」
 彼は保守党が今回総選挙で、都市議員や多様な議員を多く失ったことは「重大な懸念」だと述べた。
 シャノン・スタッブズ議員は、オトゥール党首は中道寄りマニフェストについて「厳しい質問」に直面するだろうと語った。
「現実は、2021年総選挙の後、保守党はより地方のものとなり、これまでより多様性を失ったということである。そして我々はこの国のあらゆる地域で、大都市の偉大な、強い、必要な同士を失った。」
保守党議員119人のうち、わずか7人が有色人種(BIPOC:Black, Indigenous or a Person of Colour)で、95%が白人である。総選挙前は、91%だった。自由党では、有色人種は30%以上となる。
 自由党は、カナダの最も大きな都市の25選挙区の全部に勝った。最も大きな都市の150選挙区では、73%に当たる109に勝った。保守党が勝ったのは23選挙区だった。
 カナダの3大都市MTV(モントリオール・トロント・バンクーバー)には、338選挙区のうち116選挙区があるが、自由党は74%に当たる86に勝った。保守党が勝ったのは8選挙区だった。
 保守党がより地方の、より白人のための党となり、多様性を失っていることは明らかだ。リサ・レイト元副党首のスタッフだったアンドリュー・ブランダー氏は、一度の敗北で党首を引きずり降ろすのは、危険な先例になると警告した。
「これは、最も多くの票と議席の3分の1を得た党首を引きずり降ろす2回目となる。」
 オトゥール党首のスタッフのメラニー・パラディ氏は、敵は党首ではなくトルドー政権だと強調した。
「保守党の内紛ほど自由党が好むものはない。」
「我々は、トルドー首相に戦いを挑むことに集中すべきだ。」
 オトゥール党首は、トルドー政権が過半数を獲得できなかった以上、もう一つの選挙は近いうちにあり、いつでも戦える用意があると語った。
「我々は、得たものから確認し、失ったものから学ぶ必要がある。どんなチームも、どんな家族も、失意のとき、そこから学び、一つにまとまる必要がある。」
「我々は、もう一度戦う準備ができていなければならない。」
 彼はトルドー首相が、新設された9月30日の「真実と和解の日」の祝日にブリティッシュコロンビア州トフィノで休暇を取り、批判された事実を挙げた。
「トルドー首相は、再選された最初の10日でカナダ人をすでに失望させたと思う。」
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票を再集計、12票差で当選 [2021年下院選]

 選挙管理委員会は10月6日、ケベック州シャトーゲイ=ラコール選挙区の票を再集計し、ブレンダ・シャナハン候補(自由党)が1万8029票、パトリック・オハラ候補(ケベック連合)が1万8017票で、オハラ候補の当選を取り消し、シャナハン候補を当選とすると発表した。票差はわずか12票だった。
 これにより2021年連邦議会総選挙の議席は、自由党160(32.6%)、保守党119(33.7%)、ケベック連合32(7.7%)、新民主党25(17.8%)、緑の党2(2.3%)、人民党0(5.0%)(定数338議席、括弧内は得票率)で最終的に確定した。
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ジェイズのゲレーロ本塁打王に、三冠は逃す [スポーツ]

 MLBは10月3日、レギュラーシーズン全日程を終了した。トロント・ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.選手は、48本でサルバドール・ペレス選手(ロイヤルズ)と本塁打王を分け合った。大谷翔平選手(エンゼルス)は46本で、わずかに及ばなかった。
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 ゲレーロJr.は、一時は三冠王も期待されたが、本塁打王一冠に終わった。彼はモントリオール生まれのカナダ人で、父ゲレーロSr.もモントリオール・エクスポスなどに在籍した野球選手。通算2590安打・449本塁打を記録し、2001年と2002年に「30-30(30本塁打-30盗塁)」を達成した、強打・強肩・俊足の名選手だった。
 父は2000年に自己最多の44本塁打を放ち、2004年にはMVPを受賞したものの、打撃タイトルは一度も獲れなかった。だがゲレーロJr.は、22歳にして早くも偉大な父を超えたと評される。まだ若く、三冠王を獲れるチャンスは今後もありそうだ。
 大谷は、メジャー4年目の今年は初めて投打の二刀流でフル回転し、欠場はわずか4試合のみだった。投手としては23試合に登板し9勝2敗・防御率3.18、打者としては155試合に出場し打率.257・46本塁打・100打点・26盗塁を記録し、史上初のQuintuple100(100打点・100安打・100得点・100投球回・100奪三振)の偉業を達成した。だが打席数ではゲレーロJr.を59打席も下回り、シーズン終盤にはプレーオフ進出を狙った敬遠が増え、惜しくもタイトルを逃した。
 二人は、MVP争いでも競い合うことになるだろう。


写真:大谷翔平選手とブラディミール・ゲレーロJr.選手。
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ポール党首、辞任を表明 [緑の党]

 緑の党のアナミー・ポール党首は9月27日、党首を辞任する意向を表明した。党首の信任投票が、近く実施される予定だった。
 彼女は党首として初めて臨んだ2021年総選挙で、獲得2議席、得票39万7000票、得票率2.3%に終わった。メイ前党首が率いた前回総選挙では、獲得3議席、得票119万票、得票率6.6%だった。
 また彼女は選挙期間中のほとんどを、自身のトロント・センター選挙区で過ごし、他候補の応援にほとんど行かなかったにもかかわらず、3位で落選した。彼女は、2020年10月に実施された同選挙区の補選にも立候補し、落選していた。なお同党の一部の候補は、ポール党首に応援に来ないでほしいと要請していた。

 ポール党首の相談役ノア・ザッツマン氏は5月、フェイスブックに「緑の党の議員たちの中には、反ユダヤ主義や人種差別がある」「緑の党はお前たちを倒し、アンティファ・親LGBT・先住民独立派・シオニストを引き入れる!!!!!」と投稿した。これを受けてジェニカ・アトウィン議員が、自由党に移籍した。党理事会はポール党首に「ザッツマン氏を公的に非難しなければ不信任投票する」と通告し、彼女の党員資格剥奪さえ企て、党内抗争の様相を呈して来たが、彼女は野党第一党党首(いわゆる「影の総理」)ではなかったため、トルドー首相は配慮することなく解散・総選挙を行い、ポール党首の指揮下で選挙戦を戦うことになった。なおアトウィン議員は、総選挙で当選している。
 ポール党首は総選挙にあたり、自分を失敗させるため党から資金提供を妨害されたと訴えた。
「資金提供なしに総選挙に臨むとき、スタッフなしに総選挙に臨むとき、党から法廷闘争に訴えられる脅威の下で総選挙に望むとき、そのような状況を理解するのにロケット工学者は必要ない。そのような党に投票するよう人々を説得するのは、極めて困難になるだろう。」
「人々が理解する必要があるのは、私が選ばれてこの役割を受け容れたとき、私はガラスの天井を打ち破ったということである。私がその時に理解しなかったことは、私が打ち破ったガラスの天井は、破片となって私の頭上に降りかかり、私はその中を這って行かねばならなかったということである。これは容易なことではなかった。それは非常に痛かった。」
 ポール党首の主任秘書ビクトリア・ゲイリア氏は、トロント・センター選挙区には資金が1ペニーも提供されなかったと語った。
「彼女は、選挙で成功するために立てられたのではない。彼女は、失敗するために立てられたのだ。」
 彼女はまた、理事会の何人かはメイ前党首に忠誠を誓っていると指摘した。
 ダルハウジー大学で政治学を教えるローリ・ターンブル准教授は、13年も続いたメイ党首の影響力はいまだ大きく、後継者は苦労すると語った。
「長い間、それは本当にエリザベス・メイの党であり、彼女が党のブランドそのものだった。」
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