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保守党、スローン議員を除名 [保守党]

 保守党は1月20日幹部会で投票を行い、デレク・スローン下院議員を幹部会から除名した。スローン議員は無所属議員となる。彼は2020年党首選に立候補した際、著名なネオナチ活動家ポール・フロム氏から131ドルの政治献金を受けていたことで非難されていた。
 オトゥール党首は、彼が社会保守主義だから除名するのではないと説明した。
「我々は、多くの国民と同様に、議会において異なる性質を持つ議員たちを抱えている。」
「保守党は、あらゆるカナダ人を反映する大きな組織である。あらゆるバックグラウンドを持つ人が、我が党に居場所を持つ。」
「保守党幹部会は、特定の一行動ゆえでなく、1年以上にわたり保守党に対し無礼かつ破壊的言動を続けてきたことにより、デレク・スローンの除名を可決した。」
「これらの行動は、党を発展させる我々の努力と、我々がするべき任務に集中するのを逸らすものである。先週の問題は、単に最後の藁に過ぎない。」
 スローン議員は、献金は「フレデリック・P・フロム」名義で行われており、気づかなかったと主張した。そして、フロム氏が正式に入党し党首選で投票した事実を挙げ、党のやり方は偽善だと批判した。だが保守党広報のコリー・ハン氏は、フロム氏を入党させたのはスローン陣営であり、保守党は後に彼の党員資格を剥奪し、献金と党費を返金したと反論した。
 スローン議員はさらに、自分が追放された真の理由は、影響力があるからだと語った。
「『駱駝の背を折った最後の藁』(筆者注※「堪忍袋の緒が切れる」を意味する慣用句)というのは本当だ。党大会の開催が迫る中、私は多くの党員を獲得しているのだから。」
 3月に開催される党大会で、スローン議員は右翼的綱領を採択させるため、右翼や社会保守主義者を勧誘しており、党員名簿を入手し自動電話をかけた疑惑を持たれ、党が調査している。

 2020年党首選は、本命のマッケイ候補だけが左派で、ほかの3候補は右派だった。1回投票するごとに一人ずつ脚切りされるシステムにおいて、敗退した候補の票を獲得するには、オトゥール氏は右翼的政策を訴える必要があった。実際オトゥール氏は、スローン議員の数々の問題発言を、一貫してかばって来た。だが党首選は保守党員だけが投票するのに対し、総選挙は全国民が投票する。そこでオトゥール党首は、党首選では当選するため右寄りの政策を訴えても、総選挙では中道寄りに軌道を修正する必要があるだろう。
 スローン議員やルイス候補は、トランプ人気に便乗しトランプ・マニアの票を獲得するためわざと過激な主張をしていた形跡がある。だがトランプ氏は、議会暴動を扇動した疑いで弾劾訴追され、20日に退任した。一部の人々を熱狂させたトランピズムに終わりが見え、自由党が保守党にトランピズムのレッテル貼りを仕掛けるに至り、オトゥール党首はトランピズムとの訣別を宣言する必要に迫られた。彼は17日、議会暴動を「おぞましい」と非難したうえ、中絶容認・LGBTの権利・先住民との和解促進を宣言する声明を発表し「我が党に極右の居場所はない」と断言した。スローン議員の献金問題が報じられたのは、その声明発表の直前だった。

 2020年4月には、中国系のテレサ・タム公衆衛生局長に対し「カナダと中国のどちらのために働くのか」と問うて、党内で除名騒ぎに発展したが、このときは除名されなかった。
 だが12月には、連邦議会でオトゥール党首が政府に「コロナ・ワクチンの配布が遅い」と批判していたとき、スローン議員はワクチンの危険性を訴え、党首の面目を丸つぶれにした。

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図:「女性差別」「ホモ差別」「人種差別」、3つ揃うと保守党から除名。ほかの議員たちは一つか二つなのでセーフwwww
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