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トルドー内閣改造 [自由党]

 イノベーション・科学・産業大臣ナブディープ・ベインズ氏の総選挙不出馬表明を受け、トルドー首相は1月12日、内閣改造を行った。
 フランソワ=フィリップ・シャンパーニュ外務大臣がイノベーション・科学・産業大臣となり、マルク・ガルノー運輸大臣が外務大臣となり、オマル・アルガブラ政務次官が運輸大臣に昇格した。また病状が回復したジム・カー元国際貿易多様化大臣は、「無任所大臣」(minister without portfolio)として閣僚に復帰した。無任所大臣は、ピエール・トルドー首相が1978年に任命して以来で、カー大臣は中西部担当特務となった。なお新任大臣の宣誓は、カナダ史上初めてオンラインで行われた。

 与党自由党は過半数割れの状態で、春の予算審議を迎えようとしている。野党が団結して予算案を否決させれば、解散・総選挙になる。総選挙は2019年10月に行われたばかりで、任期切れまでかなりの期間があるが、ベインズ氏が早くも不出馬表明したのは、総選挙はいつひき起こされるかわからないからだ。
 再選を目指さない閣僚が内閣から外されるのは普通のことだが、任期切れはかなり先なので、この時期の内閣改造は総選挙の準備ではないかという憶測を呼んだ。だがトルドー首相は「全てのカナダ人が新型コロナワクチンを手に入れるまで解散するつもりはない」と語った。

 大臣を辞任したベインズ氏はオンタリオ州ミシサウガ-モルトン選挙区選出だったが、新任のアルガブラ大臣もミシサウガ・センター選挙区なので、新任のカー大臣を別にすると、州の閣僚ポスト配分は変わらない。閣僚の男女比も、首相を除き依然として同数である。
 2019年総選挙で自由党は、トロント周辺のミシサウガ・ブランプトン・オークビル・バーリントンで15議席を獲得した。これは、同党が西部で獲得した議席数に匹敵する。それゆえトルドー首相はこの地域を重視し、この地域だけで大臣を3人も任命している。ベインズ氏のほか、カリナ・グールド国際開発大臣(バーリントン)、アニータ・アナンド公共サービス・調達大臣(オークビル)である。
 いっぽう保守党は2019年総選挙で、この地域において2015年から平均5.1ポイントの支持を失い、1議席を除き全敗した。2011年と比較すると平均14.7ポイントも失っており、同党がこれほど支持を失った地域はほかにない。

 新たに外務大臣に就いたガルノー氏は、カナダ初の宇宙飛行士となった英雄である。彼の昇格はもちろん、間もなく発足するバイデン新政権への対策である。
「私はアメリカで人生の9年間を過ごし、強い関係を築いてきた。私の子供たち2人は、そこで生まれている。カナダとアメリカほど重要な関係はほかになく、今後もそうであり続けると強く確信している。」

 カー氏は多発性骨髄腫の治療のため、2019年に国際貿易多様化大臣を辞任したが、病状の回復により閣僚に復帰した。
 自由党は、サスカチュワン州とアルバータ州に議席がない。オンタリオ州サンダーベイからブリティッシュコロンビア州バンクーバーまでの間で、閣僚はダン・バンダル氏(マニトバ州サン・ボニファス-サン・ビタル選挙区)とカー氏(マニトバ州ウィニペグ・サウス・センター選挙区)の2人しかいない。カー氏の大臣就任は、次の総選挙を睨み、自由党の弱点である中西部を補強したものだろう。

 閣外に去るベインズ氏は、家庭の事情を理由に挙げた。
「私は、カナディアン・ドリームを生きて来た。家具職人(cabinet maker)の父から生まれ、大臣(cabinet minister)として働く機会に恵まれた。そして今こそ、人生で最も重要な任務に集中するときだと思う。それは父であることだ。」
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