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カナダ軍が国内で中国軍を訓練 [中国]

 カナダ軍が国内で中国人民解放軍の訓練を行っていたと、グローブ&メイル紙が12月9日に報じた。連邦議会では、野党保守党などから政府を追及する声が上がったが、ハルジット・サジャン国防大臣は2018年を最後に行っていないと答弁した。
「我々の政府は常に、国内外のカナダ人のために働いている。明確にしておきたいのは、我々は現在中国軍を訓練していないということだ。」
 それから彼は、訓練は保守党政権時代に始まっていたとつけ加えた。
「2013年に『協力計画イニシアティブ』に署名したのは、ロブ・ニコルソン氏が国防大臣だった前政権である。彼らが署名した協定ゆえのことだ。」
 保守党の国防問題担当ジェームズ・ベザン議員は10日、「当時の中国と今の中国は全然違う。カナダは人質外交に陥った」と政府の対応を強く非難した。だがベザン議員は当時、国防政務次官を務めていた。

 カナダ軍は長きにわたり、いくつかの国々と合同軍事演習を行ってきた。中国とは2012年3月と2013年6月に軍高官が会談し、相互防衛関係を進展させ、2013年8月に「協力計画イニシアティブ」がオタワで締結された。そのとき習近平主席は、2013年3月に就任したばかりだった。だが彼はその後、さらなる権力の強化に乗り出し、新疆ウイグルにおけるイスラム系住民への迫害や、インターネット検閲、香港デモ弾圧などに動いた。
 カナダは2018年12月、アメリカの身柄引き渡し要求に応じ、ファーウェイ(華為)の孟晩舟副会長を逮捕した。だが中国はその10日後、カナダ人マイケル・コブリグ氏とマイケル・スパバ氏の身柄を拘束した。これを受けてジョナサン・バンス将軍は2019年、中国軍の訓練中止を決断したが、外務省は人質2名の状況悪化を恐れ、中止しないよう国防省に警告していたことがわかった。
 ブロック大学で政治学を教えるチャールズ・バートン准教授は、このような外務省と国防省の政策上の分裂は、30年前から続いていると指摘した。
「自由党政権だろうと保守党政権だろうと、カナダの対中政策は常に分裂していた。」
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