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緑の党のポール党首、補選で落選 [緑の党]

 10月26日に実施されたオンタリオ州トロントセンター選挙区の補選で、自由党のマルシ・イェン候補が当選した。緑の党のアナミー・ポール党首は2位で落選した。
 「環境社会主義者」を称する左派のラスカリス候補を党首選で破ったポール党首は、中道路線を志向したが、自由党との差異を強調できなかった。
 補選は総選挙に比べ投票率が低くなりやすいが、今回は新型コロナウィルスの影響もあり非常に低く、前回総選挙の66.1%に対し今回は31.0%となった。緑の党の支持者にとってはモチベーションの高い選挙で、ポール候補は得票率32.7%と善戦したが、通常の総選挙ならもっと低い数値になっただろう。
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BC州選挙で新民主党過半数 [バンクーバーとBC]

 10月24日に実施されたブリティッシュコロンビア州議会総選挙は、BC新民主党55(41)、BC自由党29(41)、BC緑の党3(2)(定数87議席、括弧内は解散時勢力)という結果となり、新民主党が過半数を獲得した。
 郵送による期日前投票が100万票近くあると見られるが、手作業での集計となり、かつ選挙法の規定により投票日の13日後以降でないと集計できないため、議席は完全には確定していない。ただし接戦選挙区は9つしかなく、3党の獲得議席がそれぞれ大きく隔たっていることから、大勢には影響なさそうだ。

 自由党と緑の党は、新型コロナがいまだ猛威を振るう中での総選挙実施について、ホーガン首相を攻撃した。だがホーガン首相は、与党に安定過半数を与えることは、約半数を占める強力野党自由党のいる状況下で緑の党との不安定な閣外協力を続けるより、有権者の利益になると信じさせることに成功した。

 BC自由党は、1991年以降で最低の結果に終わった。結党時は二大政党の一角だったが、社会信用党の台頭によって1952年に野党第2党となり、1979年から91年までは議席なしとなった。1987年にはカナダ自由党との提携を解消し、右傾化した。1991年、社会信用党の没落によって野党第一党となり、2001年から2017年まで16年間政権を担った。
 ウィルキンソン党首は、借家住まいを「人生の奇特な時期」と評し、持ち家を持ちたくても持てない人々の怒りを買った。また、ジェイン・ソーンスウェイト候補が新民主党女性候補に差別的発言をしたのに処罰されず、落選した。そしてウィルキンソン党首はその場にいて、笑っていた。また、産児制限を優生学にたとえたローリー・スローネス候補の公認を外すのに、不必要に手間どった。ウィルキンソン党首はついには、党内からも公然と批判された。彼は、党首に留まることはできないだろう。

 緑の党のソーニャ・ファーストノー党首は、総選挙公示のわずか7日前に党首に就任したばかりだった。アンドリュー・ウィーバー前党首は2019年10月、家庭内の事情を理由に、次の党首が選任されしだい辞任すると発表した。だが2020年1月、党首選を待たずに「私事」を理由に辞任した。彼は後に、LNGカナダ計画について新民主党政権に造反し、総選挙を戦う覚悟を決めたが、「多勢に無勢だ」と慰留され、離党すると緑の党を批判した。
 ファーストノー党首は、総選挙を次のように総括した。
「新民主党は、彼らの敵を一掃し、過半数を獲得するためにこの選挙を企図した。彼らは過半数を獲得したかもしれないが、有権者は責任ある政府を支えるため緑の党の議員たちを再選させている。彼らは半分成功したのだ。」
 苦戦が予想されていた緑の党は、現有2議員の再選に成功したほか、ウェストバンクーバー-シー・トゥ・スカイ選挙区でジェレミー・バレリオット候補を当選させ、改選議席を上回った。これは同党にとって、初のメインランド(本土)での議席である。
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「ジュニア・パートナー」は選挙に勝てない [新民主党]

 新民主党は2019年総選挙で、現有39議席を24議席に減らし、野党第二党から第三党に転落した。だが幸運にも与党自由党が過半数割れしたので、新民主党はキャスティング・ボートを握ることになった。同党はスローン・スピーチに賛成投票する見返りに、病気休暇の拡大と失業者への所得補助プログラムを盛り込むよう与党に要求し、実現させた。これにより、解散・総選挙は回避された。
 だがそのような取引は、経験的に有権者に支持されない。新民主党は1972年から1974年まで、ピエール・トルドーの少数政権を閣外から支えた。2005年にも、予算に賛成投票してマーチン少数政権を支えている。だが1974年総選挙で与党自由党と新民主党との選挙協力はなく、自由党が過半数を回復したのに対し、新民主党は31議席から16議席に減らした。2004年総選挙では、14議席から19議席に微増したに過ぎなかった。

 2019年に発表された研究論文は、ヨーロッパの28か国で過去45年間に成立した連立政権を担った「ジュニア・パートナー」は、総選挙で有権者に評価されにくい傾向があることを明らかにした。論文の著者は、ジュニア・パートナーの功績はもっぱら、連立与党の中核政党のものと見られがちだと語った。
「有権者は、連立与党の中核政党とジュニア・パートナーの違いをほとんど理解していない。そして彼らは総選挙で、より非力なジュニア・パートナーに投票する理由がない。」
 2013年に発表された研究論文は、イギリスで保守党の連立パートナーになった自民党について考察した。著者はこう述べている。
「第1に、ジュニア・パートナーは、中核政党とは異なる自分たちの貢献をアピールする必要がある。」
「第2に、成功したジュニア・パートナーには、強い印象を与えるリーダーがいる。」
 新民主党は連立協定を結んだ連立与党ではなく、あくまでも野党という違いはある。だが与党自由党の支持率は高く、近いうち総選挙が実施されれば、自由党は圧勝し、新民主党はそのあおりを受けることになるだろう。与党自由党をアシストする行為は、経験的に有権者に評価されにくい。同党は、その理由と貢献を強くアピールしておく必要がある。
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SNSに“All Lives Matter”と書いて大臣罷免 [人権]

5f8071721f000071230c19eb.jpeg ヌナブート準州のパターク・ネッツァー住宅大臣兼ヌナブート北極大学担当大臣は、10月7日フェイスブックに“All Lives Matter”と書き、黒人女性が妊娠中絶することを批判したことが原因で、翌日罷免された。
 彼は、特定の団体・個人を攻撃する意図はなく、言論の自由について練習していたので、後悔していないと語った。
「私はBlack Lives Matter運動を支持している。私は彼らに敬意を表するが、私はただ、中絶された赤子のことを考えていた。」
「私は平等を尊重する。そして、女性とその選択する権利を支持する現行法が、誰にでも等しく適用されることを尊重する。宗教的価値に基づく私の見解は異なるが、それは私見だ。」
「私はカナダ市民として、憲法で保証されている言論の自由について練習した。我々の言論の自由は、少しずつ侵食されている。我が国は、中国やロシアのような国になりつつある。」
 ジョー・サビカターク首相は大臣に電話し「君には2つの選択肢がある。一つは辞任すること、もう一つは罷免されることだ」と告げると、大臣は後者を選んだという。
 首相は、敬意を欠いた攻撃的な言動に寛容になるつもりはないと述べた。
「そのような投稿が、準州議会議員として、また閣僚として掲示されたことに、私は大きな衝撃を受けた。それらは彼の地位だろうが、内閣閣僚の任務は週7日、1日24時間のものである。」
 大臣の娘でイカルイト市会議員のマレヤ・ルカシ氏も、フェイスブックに“All Lives Matter”と書き、Black Lives Matterに類似する運動がなぜカナダ先住民にはないのかと訴えたが、後に謝罪した。
「私の真意は、イヌイットのための変革要求が高まっていないということだった。我々が直面している制度的人種差別と戦うグループやBLM運動から、何かを取ろうというものではもちろんなかった。」

 ヌナブート準州では、22人の準州議会議員の全員を閣僚に任命する超然内閣を組織する。どの議員をどのポストに就けるかは首相が決めるので、首相はポストからの罷免はできるが、議員を閣僚でないことにはできない。準州議会は21日に召集されるので、そのときネッツァー氏の処遇について投票することになる。それまでネッツァー氏は無任所大臣を務め、住宅大臣はサビカターク首相が、ヌナブート北極大学担当大臣はデビッド・ジョナシー文部大臣が務める。
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ケベック党党首にプラモンドン氏 [ケベック]

 ケベック党党首選が10月9日に実施され、弁護士のポール・サン=ピエール・プラモンドン氏(43歳)が第10代党首に当選した。彼は州議会の議席を持たないが、暫定党首の経験もある本命のシルバン・ゴードロノー州議を接戦で破った。コメディアンのギ・ナンテル氏は3位、歴史家でドーソン・カレッジ教授のフレデリック・バスチエン氏は4位に終わった。
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 プラモンドン新党首は2016年にも党首選に立候補したが、リゼ前党首に敗れた。リゼ前党首はケベック独立を強く主張しなかったが、2018年の総選挙でわずか9議席と大敗し辞任した。彼の辞任により、党内は独立論が再び優勢になり、今回党首選にも影響したようだ。
 プラモンドン新党首はモントリオールの党本部で、ケベック州民の利益を否定する「イギリス植民地体制」と戦うため、自分のリーダーシップにおいてケベック党は攻勢に出ると演説した。
 ケベック党はかつての二大政党で、党首は初代~第5代と第7代は首相に就任しているが、現在は定数125議席中9議席で、野党第3党となっており、都市部には議席を持っていない。


写真:右からポール・サン=ピエール・プラモンドン氏、ギ・ナンテル氏、シルバン・ゴードロノー州議、フレデリック・バスチエン氏。
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緑の党党首にアナミー・ポール氏 [緑の党]

 緑の党党首選の結果が10月3日に発表され、アナミー・ポール弁護士(47歳)が当選した。彼女は、連邦議会に議席を持つ政党では初の(暫定でない)黒人党首であり、ユダヤ系としてはデビッド・ルイス党首(新民主党)に次ぐ2人目となる。インターネットでは、この党首選についてNワードやFワードが頻繁に飛び交った。
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 2006年に就任したメイ前党首が2019年に辞任したとき、緑の党は10年以上党首選を実施していなかった。8人が立候補した党首選で、選挙で当選した経験があるのはグレン・マレイ候補(元オンタリオ州議・元ウィニペグ市長)だけだった。
 ポール候補は、第1~3回投票では首位だったが、第4・5回投票ではディミトリ・ラスカリス候補に次ぐ2位となり、第6・7回投票で首位に返り咲き、最後は50.6%対42.2%の僅差で逃げ切った。
 「過激派」「環境社会主義者」を自称するラスカリス候補は、警察廃止に向けて予算削減、富裕層への所得増税と「富裕上限」の設定、最低賃金時給20ドル、スト期間中の代替雇用禁止などの極左政策を掲げ注目されたが、一歩及ばなかった。

 ポール新党首は、2019年の総選挙でトロント・センター選挙区に立候補しているが、ビル・モルノー前財務大臣に大差で敗れている。議場に入るためには議席が必要で、彼女は彼の辞職に伴う10月26日の補選で立候補することがすでに決まっているが、トロント市内はどこも自由党の強固な地盤であり、苦しい戦いとなろう。
「私はトロント・センターで生まれ、母はトロント・センターの学校で教え、祖母はトロント・センターの病院で働いた。自由党が27年間見捨てて来たトロント・センターの住民を、私は見捨てない。」
「別の町からその選挙区にパラシュートで降下し、次の選挙では電車に乗り別の町に立候補する候補は、もうたくさんだ。」

 彼女は党首選で、地球温暖化対策だけでなく、水圧破砕法の禁止、最低限所得保障、連邦警察(RCMP)における制度的人種差別への取り組み、比例代表制の導入を訴えた。
 2019年は、カナダのあらゆる地域で緑の党が躍進した。だが、今年9月のニューブランズウィック州議会選挙で与党進歩保守党は、不安定な少数政権に終止符を打ち過半数を獲得した。そのため小所帯の緑の党は、キャスティングボートを失った。緑の党の本拠地であるブリティッシュコロンビア州では、同党が過半数割れの新民主党政権を支えたが、今月実施される総選挙では、新民主党が圧勝し緑の党は全議席を失うと見られている。
 2008年の連邦議会選挙では、カナダ人の最大の関心事は環境問題だった。だが選挙期間中にリーマンショックが直撃し、緑の党は当選なしに終わる。ナノス・リサーチ社による今年初めの世論調査では、カナダ人の最大の関心事は環境問題(20.5%)で、雇用と景気(15.0%)を上回った。だが9月の調査では、新型コロナ対策29.0%、雇用と景気16.5%、ヘルスケア10.5%が多く、環境問題は6.0%と、コロナが状況を変えてしまった。
 緑の党が環境問題を前面に掲げて戦うのは、厳しい結果に直面しそうだ。
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