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イスラモフォビア対策特別代表がケベック蔑視発言を謝罪 [ケベック]

Amira-Elghawaby-e1578951997522.jpg アミラ・エルガワビー イスラモフォビア対策特別代表は2月1日、ケベック人に関する過去の発言について謝罪した。
 彼女はエジプト人の両親から生まれ、カナダに移住してカールトン大学を卒業後、カナダムスリム女性評議会やカナダ民族関係財団などで働き、CBC(カナダ放送協会)やトロント・スター紙などでもジャーナリストとして活動してきた。1月26日に史上初めて、カナダ政府の代表として「イスラモフォビア対策特別代表」に就任したばかりだった。

 問題とされたのは、ケベック州議会に提出された、公務員の宗教的シンボル着用を禁止する第21号法案について、彼女が2019年にオタワ・シチズン紙に掲載した発言だった。
「残念ながら大多数のケベック人は、法の規定によってではなく、反イスラム感情によって動かされているように見える。」
 彼女はそのコラムの文中で、ケベック人の88%が第21号法案を支持することを示したレジェ・マーケティング社による世論調査についても言及している。なお第21号法案は、その合憲性についてケベック控訴裁で審理中で、結論は出ていない。
 ケベック連合のブランシェ党首は1日朝、発言の撤回を求めた。
「私には、彼女がケベックを知らないとしか考えられない。彼女は我々の歴史を知らない。私は市民として、党首として、人類学者として、彼女とケベックの歴史について語り合えたらうれしい。」
 エルガワビー特別代表は同日、ブランシェ党首と会談し公式に謝罪した。
「私がケベック人を傷つけたことを、大変申し訳なく思う。」
「私が書いた言葉とその方法が、ケベックの人々を傷つけたと思う。私はこれまで、人々の意見を注意深く聞いてきた。あなたの話はすでに聞いており、あなたがどう感じているかは承知している。申し訳ない。」
 彼女は会談の後、ブランシェ党首との会談は「建設的」で「互いの意見を聞く良い機会」だったと語った。

 ケベック州のジャン=フランソワ・ロベルジュ フランス語担当大臣は、エルガワビー特別代表がブランシェ党首との会談に先立ち、自分の発言を正当化しようと動いていたことを強く問題視した。
「彼女は、反ケベック感情によって打ち負かそうとしているかのようだ。」
「彼女がしたことの全ては、彼女の憎むべきコメントを正当化しようとすることだった。」
「彼女は辞任しなければならない。そして彼女がそうしないなら、政府はすぐに彼女を取り除かなければならない。」
「彼女が謝罪したことは喜ばしいが、彼女はなおも辞任しなければならない。」
 保守党のポワリエーブル党首は、イスラムフォビアと戦う努力を支持はするが、ケベック人を侮辱する人物を選んだとしてトルドー首相を批判した。
「トルドー首相は反ケベック・反ユダヤ・反警察発言をした人物を登用し、またしてもカナダ国民を分断する道を選んだ。彼は、人種差別とイスラムフォビアと戦い我々みんなを一つにまとめてくれる人を任命するべきだ。」
index.jpg トルドー首相(※ケベック人)は1日、エルガワビー特別代表の謝罪に先立ち、次のように語った。
「宗教的シンボルに関するケベック人の見解は、人種差別に由来するものではなく、抑圧的な教会の下で生活してきたケベックの歴史に由来するものだ。」
「ケベック人は、人種差別主義者ではない。」
「ケベック人はほかの多くのカナダ人と同様に、個人の権利と自由を強く擁護する人々である。」
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