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ニューブランズウィック市民連合が解散、進歩保守党へ合流 [ニューブランズウィック]

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 ニューブランズウィック市民連合のクリス・オースティン党首とミシェル・コンロイ州議は3月30日、ニューブランズウィック進歩保守党のブレイン・ヒッグス党首(州首相)と記者会見を行い、所属の2議員全員が進歩保守党に移籍したことを報告し、31日付で解党すると発表した。これにより議会勢力は、進歩保守党28(うち議長1)、自由党16、緑の党3、欠員2(定数49議席)となった。
 ニューブランズウィック市民連合は、州政府がNB電力をハイドロ-ケベック社に売却することに反対して、2010年にオースティンが結成した。ニューブランズウィック州はフランス系住民が多く、フランス語話者がケベック州に次いで多いことから、カナダで唯一英仏2言語を公用語と規定している(ケベック州はフランス語のみを公用語としている)。市民連合の特徴は、右派ポピュリズムの立場から反二言語主義を採ることで、公共サービスでの二言語使用の廃止を主張していた。
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 彼は結党の志について、こう語った。
「機は熟しつつある。この州の人々は、この政治システムに飽きている。」
 2010年と2014年の総選挙では議席を獲得できなかったが、2018年の総選挙では3議席を獲得した。与党自由党は21議席、野党は進歩保守党が22議席、緑の党が3議席とどの党も過半数を獲得できず、自由党のギャラント内閣が続投したが、市民連合は進歩保守党とともに内閣不信任案に賛成して可決させ、その後はヒッグス内閣に閣外協力した。
 市民連合はわずか3議席の小所帯だったが、キャスティング・ボートを握り、影響力を行使できた。だが2020年の総選挙では進歩保守党が単独過半数となり、影響力を失った。市民連合は2議席を獲得したものの、1議席を失った。オースティン党首はこのころから「心の旅」を始め、より大きい政治的影響力のため大政党に合流することを考え始めたという。
「地方政党を旗揚げしたことを続けるか、それとも私を選んでくれた選挙区の人々のために働くか、私は選択しなければならなかった。それで私は、人々を優先しなければならないと悟った。」
 コンロイ州議も、次のように説明した。
「我々がこうするのは、選挙区の人々のためである。」
「選挙区の人々に仕える最善の方法は、与党に加わり、そのテーブルに着くことだ。」
 ヒッグス党首は、いかなる党員も党の綱領を尊重しなければならないと、オースティン州議とコンロイ州議が認めたと語った。綱領には「二言語コミュニティから成る多様性は、我々の州のユニークな力である」と規定されている。
「党の方向性について、誰も心配する必要はない。」
 ヒッグス首相もオースティン党首も、今回の「合併」に対する見返りを否定した。ヒッグス首相は今回の件は内閣改造に影響を与えないと言い、オースティン党首も「閣僚ポストを提示されたか」と問われると「それは首相しだいだ」と答えた。
 進歩保守党で唯一のフランス語話者であるダニエル・アラン州議は、市民連合の解散を率直に喜んだ。
「私は今日、市民連合の解散を見て本当に喜んでいる。」
「彼らはニューブランズウィックのために良いことを言わなかったし、彼らは間違った側にいた。」
「だが彼らはいまや、我が党の原則を尊重すると言っている。」
 自由党のロジャー・メランソン党首は、2議員の与党内での悪影響を懸念した。
「ヒッグス党首は右派票を結集させたいのだろう。そうすれば右派票は割れない。彼らの今日の決断は、なんと近視眼的なのだろう。」
 オースティン党首は、自分は二言語主義を常に支持していたが、時々の問題に対処するため取りかかれなかったと説明した。
「今まで言ってきたように、二言語主義はニューブランズウィックの重要な一部である。」
「私は変わっていないし、ミシェルも変わっていない。我々は今後も、人々のために働き続けたい。」
 記者に「今までと同様に、今後も保健所と公用語委員会の廃止を主張するのか」と問われると「私はもう党首ではない」と回答した。


写真:左からブレイン・ヒッグス首相、クリス・オースティン党首、ミシェル・コンロイ州議。
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