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党首不信任を呼びかけたバッター議員を除名 [保守党]

 保守党は11月16日、エリン・オトゥール党首の信任投票を呼びかけたデニス・バッター上院議員を幹部会から除名した。これにより上院勢力は、無所属の会43、保守党18、進歩上院の会14、カナダ上院の会13、無所属6、欠員11(定数105議席)となった。
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 バッター議員は15日、党首の信任投票を求める嘆願書の署名をオンラインで集め始めた。そこには、オトゥール党首が炭素税・銃規制・良心の自由などの基幹政策について、明確な立場を示さなかったため都市部の議席を失ったと書かれていた。彼女はさらに、オトゥール氏は党首選では「本物のブルー・トーリー」と称していたのに、総選挙では左傾化し自由党と区別がつかなくなったと批判した。
「オトゥール党首は、同じ週、同じ日どころか、同じ文章の中でさえ党の方針を変えた。党員はそれに対し何の発言権もなかったが、彼のリーダーシップにおいて一致しなければならなかった。」
「我々は、我が党が引き裂かれるのを二度と見るわけにはいかない。我々が分断されるとき、自由党が勝つ。」
 党則では、総選挙で政権を獲得できず、かつ党首が辞任もしくは死去しなかった場合、最初の党大会で党首の信任投票が行われることになっているので、信任投票は2023年の党大会で実施される。だが党則は、党員の5%の署名があれば「いかなる問題についても」党員による投票を実施しなければならないと規定している。バッター議員の秘書は、オンライン嘆願書には1日で2000人の署名が集まったと発表した。
 いっぽうオトゥール党首を支持する議員たちは、反対派を挫くため、いわゆる「改正法」(カナダ選挙法とカナダ議会法を改正する法)の導入に賛同する議員24人の署名を集めたと発表した。これはマイケル・チョン議員が提出し2013年に成立させた法律で、党首の権限が強化される傾向がある中で、議員たちによって構成される幹部会に一定の権限を認めた法律である。各党は連邦議会の召集時に幹部会を開催し、改正法を導入するかどうかを投票で決める。導入される場合、幹部会は党首を不信任し、暫定党首を選任する法的根拠を得る。また特定の議員を幹部会から除名し、または加入させる権限を持つ。幹部会の20%が除名を求めるとき、幹部会は無記名投票を実施しなければならず、50%の同意があれば除名される。
 匿名の保守党議員は、オトゥール降ろしに加担する議員を除名することについて、すでに70人以上の同意を得た(保守党幹部会は下院119+上院19で計138人)と明かした。
 オトゥール党首は、改正法の導入について弁護した。
「マイケル・チョン氏が提出したときから、私は改正法を支持していた。私は2015年と2019年に賛成投票し、今日も導入するよう奨励した。」
 そして、除名の決断についても擁護した。
「カナダ保守党の党首として私は、個人的不信感や、堕落し壊滅的なトルドー政権を倒そうとしている保守党幹部会の努力に対し敬意を欠く態度を見せる行為を、容認することはできない。」
 メリッサ・ランツマン議員は「バッター議員は利口になった方がいい」と語った。
「我々は住宅危機、制御困難なインフレ、エネルギー問題と戦っている。それはまだ始まったばかりだ。これはカナダ人ではなく、ジャスティン・トルドーを助けることになる。」
 ミシェル・レンペル・ガーナー議員は、フェイスブックに次のように投稿した。
「私はこれに、非常にがっかりしている。自由党員が外に出て、シャンパンのケースを買い『デニス・バッターに乾杯』と祝っていると確信する。」
 バッター議員は、オトゥール党首は異論を封じ込めるため脅しを使っていると批判した。
「オトゥール党首が党員に支持されていると確信するなら、信任投票で民主的に党員の審判と向き合うことを、恐れる必要はない。」
 そして、オトゥール党首に異論を唱えているのは自分だけではないのに、自分だけが除名されたのはダブルスタンダードだと指摘した。
 マイケル・マクドナルド上院議員は10月4日、保守党議員たちに手紙を送り、オトゥール党首が中道寄りマニフェストを掲げたのは戦略的に誤りだと厳しく批判したが、幹部会を除名されてはいない。
「問題の一つは、総選挙終盤まで、党員証を持つ党員たちですら誰もエリンが何を主張しているかを知らなかったことだ。」
「彼は2017年党首選ではいくぶんレッド・トーリーとして戦い、2020年党首選では『本物のブルー・トーリー』として戦い、それから党首として党を左に寄せた。それゆえ人々は自問する。彼は何者なのか?中道のレッド・トーリーか、ブルー・トーリーか、それとも風向き次第で向きを変えるただの風見鶏なのか?と。」
 ある保守党議員は、オトゥール党首の報復を恐れ、匿名で語った。
「エリンにとって、これは終わりの始まりだろう。」
「これは、彼の弱さを示すものだ。真のリーダーなら『信任投票しようじゃないか』と言うだろう。自分にどれほどの支持があるかを見せるために。」
 彼はオトゥール党首を、民主化運動を抑え込むため戒厳令を施行したポーランドのヤルゼルスキに喩えた。
「彼は保守党の資金を用意し、党役員を用意し、公式野党党首のオフィスに就き、陰の内閣を組閣した。彼はそれらを、己の身を守るために用意した。だが彼は、民衆から自分を守ることはできない。」


写真:デニス・バッター上院議員(左)とエリン・オトゥール党首(右)。
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