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人民党の支持拡大、保守党は警戒 [2021年下院選]

 保守党のオトゥール党首は9月17日、オンタリオ州ロンドンで演説し、トルドー自由党政権を倒すためあらゆる保守派が保守党に投票するよう呼びかけ、人民党への保守票分散を警戒した。
「トルドー首相に大きく失望している何百万ものカナダ人が、現にいる。その失望に対し、保守党への投票以外の何かをするなら、彼らはトルドー首相に投票していることになる。」
「5つの党があり、そして2つの選択肢がある。トルドー首相による同じことの続行か、それとも保守党政権による真の変革か。」

 EKOSリサーチ・アソシエイツ社が9月14日から16日にかけて、1384人の成人カナダ人を対象に実施した電話世論調査は、政党支持率を保守党30.6%、自由党30.4%、新民主党18.5%、人民党8.5%、ケベック連合7.0%、緑の党4.1%、その他0.9%と示した。ケベックでの支持率は、ケベック連合30%、自由党29%、保守党18%、新民主党14%、人民党5%、緑の党3%だった。

 オトゥール党首が保守党の軌道を中道寄りに修正しているのに対し、保守党を離党したベルニエ元外務大臣が結成した人民党は、より右翼的な政策を掲げ、右派層に支持を拡大し、その支持率は8%台にまで達している。議席獲得はなお困難な情勢だが、CBCは調査で、人民党の支持拡大は保守党の票を奪い、全国でその6議席を(5つは自由党に、1つは新民主党に)失わせること、そして人民党支持者の59%が前回総選挙で保守党に投票したことを示した。カナダの右派にはワクチンの安全性に懐疑的な者がいるが、ベルニエ党首はワクチンを接種していないと公言し、新型コロナ規制に反対する集会を開催して6月に逮捕されている。人民党の支持拡大は、長く続くコロナ規制と関係がありそうだ。
 オトゥール党首は長い間、人民党の支持率拡大について問われると「『小さな党』を宣伝するつもりはない」と言って、その党名をあえて呼ばず、無視を決め込んでいた。だが選挙戦終盤になっても衰えない彼らの勢力を見て、保守系有権者に「戦略的投票」をするよう呼びかける必要を感じたようだ。
 ベルニエ党首は、批判の的を与党自由党ではなく、オトゥール党首に絞った。
「エリン・オトゥールは保守党支持者に、自分は『本物のブルー・トーリーだ』と嘘をついた。彼は党首選のときは青いマスクを着けていたが、それはすぐに剥がれ落ち、そして我々は本物のエリン・オトゥールを知った。」
「彼は本物のレッド・トーリーだった。そして今の彼は、それよりもっと悪い。彼は、社会主義思想を持つ左翼である。」
「彼はトルドー首相とあらゆることについて裏取引している、嘘つきの、迎合主義者の、偽の保守派である。」
「保守党は、もはや保守的ではない。」
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