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ホールフーズ・マーケット、ポピー着用禁止を撤回 [人権]

 ホールフーズ・マーケットは、従業員にポピー着用を禁止した件についての批判を受け、11月6日にこれを撤回した。
 退役軍人会は、寄付した人へのお礼としてポピー(芥子)の花を提供している。この習慣は、カナダの詩人ジョン・マクレーの詩「フランダースの野に」に基づくものである。第一次大戦休戦を記念するリメンバランス・デーの11月11日が近づくと、寄付者が増え、街中至るところでポピーを着用した人を見かけるのが、この時期の風物詩となっている。寄付金は退役軍人の福利厚生に用いられるが、新型コロナウィルスの影響で収益の低下が懸念されていた。
 ホールフーズ・マーケットはアメリカの食料雑貨店で、カナダには14店舗ある。同社は退役軍人会に8000ドル以上寄付し、毎年11月11日午前11時には、従業員が黙祷することを認めている。
 オタワの店舗に勤める匿名の従業員は「一つの主義・主張の表明を認めたら、他の主義・主張の表明への門を開くことになる」と言われたと語った。会社は、制服はエプロン・コートまたはベスト・帽子・名札と決められていて、ポピーは含まれないと説明したという。

 カナダのトルドー首相は6日、これを「愚かな間違いだ」と批判した。
 保守党のオトゥール党首は、ツイッターでこう述べた。
「かつてのカナダ人の犠牲は、アメリカの食料雑貨店が愚かになる自由をもたらした。ポピーは主義・主張ではない。それは敬意の印である。」
 新民主党のシン党首も、次のように述べた。
「従業員に『ブラック・ライブス・マター』と表明するのを禁止しながら、ポピーを禁止するのは間違っている。カナダ人が仕事に行くとき、軍人たちの犠牲を顕彰する権利を失ってはならない。」
 連邦議会はこの日、11月5日から11日まで従業員のポピー着用を認めるよう雇用者に呼びかける決議を、満場一致で採択した。またオンタリオ州ではダグ・フォード首相が、ポピーの着用を禁止する行為を違法化する法案を提出すると発表した。
 オタワの匿名従業員は、こう語った。
「私たちは、命と家族を、夫や妻や父や母や息子や娘たちを犠牲にした人々について話しています。彼らは、我が国の自由と安全を守るために死んだのです。そして今は、私たちが彼らを憲章しありがとうと言う時期なのです。」
 これらの批判を受け同社は、従業員のポピー着用を認めると発表した。

 アレックス・ルシフェロ弁護士は、ポピーなどの着用は政治的信条の表明とみなされることがありえ、それゆえその権利はオンタリオ人権憲章で保護されないと説明した。またポピーには針がついているため、会社には安全のため禁止する正当性がないとは言えないと語った。
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コメント 1

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高橋幸二

シン党首の発言は「従業員に『ブラック・ライブス・マター』と表明するのを【許容】しながら、ポピーを禁止するのは間違っている」と言わないとおかしいと思います。
なお新民主党は、左翼政党です。
by 高橋幸二 (2020-11-08 15:17)