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緑の党党首にアナミー・ポール氏 [緑の党]

 緑の党党首選の結果が10月3日に発表され、アナミー・ポール弁護士(47歳)が当選した。彼女は、連邦議会に議席を持つ政党では初の(暫定でない)黒人党首であり、ユダヤ系としてはデビッド・ルイス党首(新民主党)に次ぐ2人目となる。インターネットでは、この党首選についてNワードやFワードが頻繁に飛び交った。
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 2006年に就任したメイ前党首が2019年に辞任したとき、緑の党は10年以上党首選を実施していなかった。8人が立候補した党首選で、選挙で当選した経験があるのはグレン・マレイ候補(元オンタリオ州議・元ウィニペグ市長)だけだった。
 ポール候補は、第1~3回投票では首位だったが、第4・5回投票ではディミトリ・ラスカリス候補に次ぐ2位となり、第6・7回投票で首位に返り咲き、最後は50.6%対42.2%の僅差で逃げ切った。
 「過激派」「環境社会主義者」を自称するラスカリス候補は、警察廃止に向けて予算削減、富裕層への所得増税と「富裕上限」の設定、最低賃金時給20ドル、スト期間中の代替雇用禁止などの極左政策を掲げ注目されたが、一歩及ばなかった。

 ポール新党首は、2019年の総選挙でトロント・センター選挙区に立候補しているが、ビル・モルノー前財務大臣に大差で敗れている。議場に入るためには議席が必要で、彼女は彼の辞職に伴う10月26日の補選で立候補することがすでに決まっているが、トロント市内はどこも自由党の強固な地盤であり、苦しい戦いとなろう。
「私はトロント・センターで生まれ、母はトロント・センターの学校で教え、祖母はトロント・センターの病院で働いた。自由党が27年間見捨てて来たトロント・センターの住民を、私は見捨てない。」
「別の町からその選挙区にパラシュートで降下し、次の選挙では電車に乗り別の町に立候補する候補は、もうたくさんだ。」

 彼女は党首選で、地球温暖化対策だけでなく、水圧破砕法の禁止、最低限所得保障、連邦警察(RCMP)における制度的人種差別への取り組み、比例代表制の導入を訴えた。
 2019年は、カナダのあらゆる地域で緑の党が躍進した。だが、今年9月のニューブランズウィック州議会選挙で与党進歩保守党は、不安定な少数政権に終止符を打ち過半数を獲得した。そのため小所帯の緑の党は、キャスティングボートを失った。緑の党の本拠地であるブリティッシュコロンビア州では、同党が過半数割れの新民主党政権を支えたが、今月実施される総選挙では、新民主党が圧勝し緑の党は全議席を失うと見られている。
 2008年の連邦議会選挙では、カナダ人の最大の関心事は環境問題だった。だが選挙期間中にリーマンショックが直撃し、緑の党は当選なしに終わる。ナノス・リサーチ社による今年初めの世論調査では、カナダ人の最大の関心事は環境問題(20.5%)で、雇用と景気(15.0%)を上回った。だが9月の調査では、新型コロナ対策29.0%、雇用と景気16.5%、ヘルスケア10.5%が多く、環境問題は6.0%と、コロナが状況を変えてしまった。
 緑の党が環境問題を前面に掲げて戦うのは、厳しい結果に直面しそうだ。
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