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自由党勝利の鍵は若年層の投票率 [2019年下院選]

 2015年総選挙の投票率68.3%は、1993年以降で最高の数字で、1770万人が投票した。それは、投票率61.1%だった2011年総選挙より、290万人多かった。
 18~34歳の投票率は、2011年には42.5%だったが、2015年には57.0%にのぼり、120万人増加した。選挙後の世論調査は、若年層でかなり多くの有権者が自由党に投票したことを示している。政権交代は若年層の投票が原動力になったとみられ、“youthquake”(若者による激震)と言われた。
 いっぽう55歳以上の投票率は、2015年は74.0%で、2011年より140万人増えた。投票した人は、18~24歳は2011年より55万人多く、75歳以上は38万人多かった。自由党は2015年総選挙で、2011年より420万票多く獲得した。

 2004年、55歳以上の人は人口の31.0%で、有権者の38.0%だった。それが2015年になると、人口の38.5%、有権者の43.0%となり、ウェートが増した。いっぽう35歳未満の人は、人口で2004年の29.0%から2015年の27.5%に低下したが、有権者に占める割合は2015年に23.8%で、2011年より3ポイント増加している。
 ハーパー保守党が三度目の正直で過半数を獲得した2011年総選挙は、若年層の投票率が顕著に低かったことがわかっている。

 最近の世論調査は、自由党と保守党の支持率がほぼ同じであることを示しているが、世代別に見ると、興味深いデータが見えて来る。
 政党支持率は、18~34歳では自由党35.0%、保守党23.5%、新民主党19.5%、緑の党13.0%。35~53歳では保守党32.5%、自由党30.5%、新民主党14.5%、緑の党13.0%。54歳以上では保守党38.5%、自由党33.0%、新民主党11.0%、緑の党9.5%となる。高齢になるほど保守党が支持されていることが一目瞭然だが、高齢層は若年層より人口が多いものの、高齢層で保守党が自由党に保つリードより、若年層で自由党が保守党に保つリードの方が大きいことがわかる。
 そこで、もしも各年代層の投票率が2015年総選挙と同様だったら、結果は世論調査が示すようなものになるだろう。しかし若者は誘惑されやすく、投票日に誘われると投票に行かないことがしばしば起こる。もしも各年代層の投票率が2011年総選挙と同様だったら、保守党の得票率は自由党を1ポイント上回るだろう。その結果保守党は、10議席程度多く獲得することになる。ゆえに自由党は、選挙に勝つには若年層の票を掘り起こす必要がある。
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