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「投票日が祭日」ユダヤ教徒が変更を要請 [人権]

 連邦議会総選挙は、2019年10月21日に実施される予定になっている。この日がユダヤ教の祭日に当たるため、ユダヤ教徒が日程を変更するよう訴えていた問題で、変更する必要はないとした選挙管理委員会の判断を見直すよう、連邦裁判所は7月23日に要請した。
 選挙法の規定により、総選挙は10月21日までに実施しなければならない。投票日は、首相の助言に基づき総督が公示する。投票日はまだ正式に確定していないが、トルドー首相は10月21日に実施すると公言している。
 投票日はひとたび総督に公示されたら、絶対に変更はできない。選挙管理委員会には投票日を決定する権限はないが、予定を変更するよう勧告はできる。また期日前投票の日程は、決定する権限がある。
 10月21日の投票日は、10月20日から22日にかけて行われるシェミニ・アゼレットと完全に一致する。ユダヤ教正統派は仕事や長距離の移動を禁止されているため、投票はできない。そこでユダヤ教正統派で、オンタリオ州エグリントン-ローレンス選挙区に保守党から出馬するシャリ・アリエ=ベイン候補と、ヨーク・センター選挙区の有権者アイラ・ウォルフィッシュさんは、選挙管理委員会に善処を要請した。また10月11日から14日までに仮設定された期日前投票日は、12日の土曜日が安息日で、14日が仮庵祭に当たる。ユダヤ人の1日は日没から日没までなので、「土曜日の安息日」とは金曜夜から土曜夜までに相当するから、11日の夜も投票できない。ユダヤ系でヨーク・センター選挙区の現職マイケル・レビット議員(自由党)も、予定を変更するよう要請したが、ステファン・ペロー選挙管理委員長は、日程の変更ではなく期日前投票の時間を21時までに延長すると回答したため、アリエ=ベイン候補とウォルフィッシュさんは6月、連邦裁判所に訴えを起こした。
 エグリントン-ローレンス選挙区には、およそ5000人のユダヤ教保守派の有権者がいるが、近年は僅差の勝負になっており、当選者と2位の票差は2015年が3490票差、2011年が4062票差、2008年が2060票差となっている。

 連邦裁判所のアン・マリー・マクドナルド判事は23日、選挙法の規定と、憲法上の権利の侵害との間で、ペロー委員長がつり合いを保とうとした形跡が見られないと判断し、8月1日までに日程を見直すよう要請した。
 ユダヤ人民族団体ブナイ・ブリスのマイケル・モスティン理事長は、判決はカナダのユダヤ人コミュニティにとって「大勝利」だと語った。
「選挙権と被選挙権は、カナダ人の最も基本的な人権の一つである。裁判所が、選挙管理委員会は彼らに適切な配慮をしなければならないと判断したのは正しかった。」
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