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ウィルソン=レイボールド議員とフィルポット議員、無所属で出馬 [2019年下院選]

 ジョディ・ウィルソン=レイボールド議員(前復員軍人大臣)とジェーン・フィルポット議員(前予算庁長官)は5月27日、それぞれの選挙区で記者会見を行い、次の総選挙に無所属で出馬する意向を明らかにした。緑の党は両議員を取り込むため熱心に交渉したが、入党は幻に終わった。

 ウィルソン=レイボールド議員は、ブリティッシュコロンビア州バンクーバー・グランビル選挙区で語った。
「私は自分がどういう人間かわかっている。私は党の人ではない。」
「四角い釘を取って丸い穴にはめ込むのは、私の性分ではない。」
 フィルポット議員も、オンタリオ州マーカム-スタフビル選挙区で語った。
「私は、政党政治を越えて活動したい。」
「人々は、限度を超えた党利党略にうんざりしていると言っている。」
「自分の心の中の心に問うてみると、自分は100%緑の党だとは言えなかった。」
「何を言うべきかを助言する党も、採決でどちらに投票するかを助言するスタッフも、もういない。私がどの方向に行くべきか導くロビイストも、もういない。私を導いてくれるのは、あなたたちだけである。」

 緑の党のメイ党首は、両議員が党首選出馬を望むなら辞任してもいいとさえ約束したにもかかわらず、入党を拒否された。
「率直に言って、彼女たちは間違った判断をしたと思う。」
 彼女は、今後も両議員と緩やかに連携していきたいと語ったが、党則では全選挙区に候補を擁立することになっており、両議員の選挙区にダミー候補を擁立するかどうかを検討すると語った。
 自由党を離党した無所属のセリーナ・シーザー=シャバンヌ議員は、次の総選挙に出馬しないと表明していたが、同日無所属で出馬すると発表した。

 カナダの歴史上、政党から立候補して当選しながら、その後無所属で立候補した下院議員は74人いた。そのうち再選されたのは24人で32%、1945年以降では26%となっている。1974年以降では、再選された議員は4人だけである。
 ジル・ベルニエ議員(マクシム・ベルニエ党首の父)は進歩保守党議員だったが、詐欺容疑を持たれたため党公認を得られず、1993年無所属で当選した。
 ジョン・ヌンツィアータ議員は自由党議員だったが、自由党政権の予算案に反対投票したため除名され、1997年無所属で当選した。
 チャック・キャドマン議員はカナダ同盟から出馬して当選したが、党が合併してカナダ保守党になると、予備選に敗れ公認を得られなくなり、2004年に無所属で当選した。その後保守党から復党の誘いがあったが断り、2005年の予算案では賛成投票して、可否同数となりマーチン内閣を窮地から救った。
 ビル・ケーシー議員は保守党議員だったが、保守党政権が大西洋協定に違反したとして、予算案に反対投票して除名され、2008年無所属で当選した。2015年には自由党から出馬して当選した。
 マーカム-スタフビル選挙区は、自由党と保守党が何度も奪い合っている接戦選挙区である。前回総選挙では、両党が92%の票を獲得し、フィルポット氏は6ポイント差で競り勝った。
 もしも彼女が前回の3分の2の票を獲得するとしたら、得票率は33%で、保守党の支持率が上がっているのに、両党候補がその数字を下回るとは考えにくく、苦戦は必至となる。
 それに比べバンクーバー・グランビル選挙区は、自由党・保守党・新民主党の3党鼎立となっている。前回総選挙で44%の票を獲得したウィルソン=レイボールド氏は、次回に3分の2の票を獲得すると仮定すると得票率30%となり、前回の新民主党27%・保守党26%をともに上回る。
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