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PEI総選挙で進歩保守党勝利、緑の党政権ならず [プリンスエドワード島]

 4月23日に実施されたプリンスエドワード島州議会総選挙は、PEI進歩保守党12(36.5%)、PEI緑の党9(30.6%)、PEI自由党5(29.5%)、PEI新民主党0(3.0%)、欠員1(定数27議席、括弧内は得票率)となり、進歩保守党が3期ぶりに政権を奪回した。プリンスエドワード島で少数政権が誕生するのは、129年ぶり。世論調査でリードし続けた緑の党は、カナダ初の政権獲得はならなかったものの、カナダ初の公式野党となり、カナダで初めて「影の内閣」を組織する。
 なおシャーロットタウン-ヒルスボロー・パーク選挙区は、緑の党のジョシュ・アンダーヘイ候補が19日に死去し、立候補締切後だったため実施されず、3か月以内に補選が実施される。

 プリンスエドワード島では連邦結成以来、自由党と進歩保守党が交互に与党と最大野党を務めて来た。ここ50年以上の間、両党が3期ずつ政権を担うジンクスが続き、他党は1996年まで総選挙で1議席も獲れなかった。
 だが医師の不足は、深刻な社会問題と化していた。1万3000人もの島民が、すぐ病院に行くことができず、待機しているという。このような状況で、歯科医であるピーター・ベバン=ベイカー党首率いる緑の党は、2018年8月から世論調査でトップを走り続け、世界初の緑の党単独政権かと騒がれた。
 自由党のウェイド・マクロークラン首相は、好調な景気を訴えたが、彼の不人気を覆すことはできず、初めて野党第2党に転落し、彼自身も落選した。
 長い間自由党と緑の党のデッドヒートが続いたが、進歩保守党は2月に新しい党首デニス・キングを迎えると、支持率をじりじりと上げ、3党鼎立に持ち込んだ。
 キング党首は、5か月前に政界に入ったばかりの新顔である。彼は長年政治解説者を務め、政界の中ではなく周辺にいた。彼はここ8年間で6人目の党首であり、12年間政権から遠ざかっている進歩保守党は機能不全と見られていた。
 だが彼は、所得税控除額を3000ドルに増額、中小企業への法人税を1%に減税、さらにコンビニエンスストアでの酒の販売などのわかりやすい公約を掲げ、接戦を制した。PEI進歩保守党の勝利は、昨年からのオンタリオ、ニューブランズウィック、ケベック、アルバータに続く5回連続の保守党勝利となる。
 勝利を確信したキング党首は、ロッド・シャーロットタウン・ホテルで叫んだ。
「プリンス・エドワード島の新時代へようこそ!」
 緑の党躍進について意見をきかれると、彼はこう述べた。
「プリンスエドワード島民は、諸党に党派心を脇に置き、この島のためにベストを尽くして欲しいということを示していると思う。」
 ベバン=ベイカー党首は、少数政権についてこう述べた。
「少数政権は、競い合っている諸党が島民の利益を第一とする協力的環境を作ると、私は強く信じている。」
 新民主党は、26選挙区のうち有力だったのはわずか1つで、それ以外の選挙区では大敗し、6期連続で議席ゼロに終わった。

 なお同日実施された選挙制度改革に関する住民投票は、僅差で現行の小選挙区制維持が決まった。
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