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下院で先住民言語の同時通訳が可能に [先住民]

 連邦議会下院は11月29日、下院において先住民言語で演説した場合、英語とフランス語への同時通訳を行うことを認可した。通訳サービスは2日前までの申請が必要で、2019年1月から始動する。下院は現在、約100人の通訳を用意し約20の先住民言語通訳が可能だとしている。
 先住民を自認するカナダ市民は約160万人で、そのうちわずか26万人が先住民言語を話す。カナダには58の先住民言語があり、それには90以上の地方語があるとされているが、そのほとんどは絶滅の危機に瀕している。よく使われる先住民言語には、クリー語、ディネ語、インヌ語、イヌクティトゥット語、オジブワ語、オジ=クリー語がある。

 下院運営委員会は、報告書でこう勧告している。
「下院における先住民言語の特別なステータスを承認することは、和解への重要なステップである。」
 今期限りでの引退を表明しているクリー族のロミオ・サガナッシュ下院議員(新民主党)は、さっそく1月から任期いっぱいまでクリー語で話すと語った。
「将来の先住民議員は、自分の言語を使う権利のために戦う必要はないと知りつつこの場から去って行けるのは、幸いなことである。」
 クリー族の血を引くロバート=ファルコン・ウェレット下院議員(自由党)は、今回の動きを「カナダ人と先住民の歴史的な瞬間」と評価した。
「下院は民主主義が起こる、カナダで最も象徴的かつ重要な場所である。先住民言語がそこで使用されるなら、それらは今後存続できる可能性を持つ。」
 彼は2017年5月、先住民女性に対する暴力について、下院でクリー語で演説したが、通訳が用意されていなかったため翻訳されなかった。
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