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保守党党大会、右旋回が明確に [保守党]

 8月23日から25日までノバスコシア州ハリファックスで開催された保守党党大会は、初めてハーパー前党首以外の党首を据え、彼が長年抑えつけてきた保守的政策の復活が目立った。
 第一の問題は、カナダと何の縁もない人が市民権目的でカナダで出産する、いわゆる「出産旅行」「パスポート・ベビー」を認めず、市民権を与えないと綱領に明記することである。具体的には、以下のように明記された。
「カナダで産まれる子の両親の一方がカナダ市民ないし永住者でない限り、カナダで出生することで得られた市民権を完全に剥奪する法律を制定するよう、我々は政府に働きかける。」
 採決に先立ちアリス・ウォン下院議員(中国系)は、「パスポート・ベビー」は「我々」のリソースを奪い、カナダの母親たちを危険にすると演説した。
 ディーパク・オブレイ下院議員(タンザニア系)は、現状維持を訴えた。
「これは、平等に関する基本的な問題だ。カナダで生まれた人は、法律によりカナダ人である権利がある。我々は、誰がカナダ人になり、また誰がカナダ人にならないかを選ぶことはできない。我々は世界中で、政府が好ましくないと思う人々から市民権を剥奪するのを見た。」
 アムネスティ・インターナショナル・カナダのアレックス・ネーブ事務局長は、懐疑的見解を述べた。
「市民権法の改正を正当化する、いわゆる『出産旅行』問題にカナダが直面しているという話には、根拠がない。」
 ケベックの弁護士は、この問題は、実証されてもいない噂レベルの話について過剰に取り組むことであり、無国籍の子供たちを生むことになると警告した。
 フッセン移民大臣の広報マチュー・ジュネ氏は、決定を批判した。
「これは、カナダを我が家としていた人々の市民権を剥奪しようとする、ハーパー政権によって敷かれた道に保守党が戻るのを見る恥である。」
 彼は、カナダに入国するとき妊娠しているかどうかは調査されないと指摘した。

 第二の問題は、妊娠中絶非合法化の提案が僅差で採択されなかったことである。綱領の第65条にある、保守党政権は妊娠中絶を管理するための法律制定を支持しないという規定を削除する提案は、47%対53%で否決された。だが党内右派「キャンペーン・ライフ連合」のジャック・フォンセカ氏は、「社会保守主義には勢いがある」と語った。
「次の党大会を見るがい。我々には、第65条が最終的に削除されるという確信がある。そして我々はさらに、生命・家族・信仰そして自由に関しより多くの条項を加えるだろう。」
「我々は2019年総選挙のため、より多くの妊娠中絶反対派の保守党候補を擁立し、当選させるために活動している。」

 第三の問題は、過去の政治家に対する評価、特に初代首相マクドナルドへの批判が高まり、像を撤去する運動が過熱していることについて、シーア党首が批判的に語ったことである。
「我々が、カナダ初の首相であり、連邦結成の父であり、この国をそう実現することを可能にしたビジョンを持った人物を輩出した党であることを、誇りに思う。」
「我が国の誇るべき歴史を抹消しようとする過激な活動を許していることこそ、不名誉であると私は思う。」
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