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ウェレ党首、辞任を表明 [ケベック]

dims.jpg ケベック連合の信任投票で不信任されたマルティーヌ・ウェレ党首は、6月4日に記者会見を行い、11日付で党首を辞任すると発表した。また彼女は現在ケベック州議を務めているが、10月1日までに実施される州議会総選挙に立候補を予定していないと述べた。
 ウェレ党首は30分の会見を、涙を拭いながら語った。会見の半分以上は、彼女に辞任を公然と要求したデュセップ前党首と、信任投票に当たり彼女を「激しく中傷」したボリュー元党首への非難に費やされた。そして不信任された理由を、自分が独立派の女性だからとし、男性でもっと無能なリーダーはいたが自分ほど非難はされなかったと述べた。
「ケベック独立実現への主な障害は、独立運動の内部から来る。それは普通ではない。独立運動は病んでいる。内側の小さな争いに費やされる全てのエネルギーがケベック独立に向けられたなら、すでに達成されていただろう。」
 ケベック連合を離党し、新党「たちあがれケベック」旗揚げを準備しているレアル・フォルタン代表幹事は、ウェレ党首辞任に対し5日に「対応」すると語った。
「今日はウェレ氏の日だ。」
 同じく離党して新会派に参加したミシェル・ブードリア議員は、新党結成するのかそれともケベック連合に復帰するのかを、明確にしなかった。
「最終的な再統合に関する話し合いにのぞみ、好ましい空気を作ることが重要だ。次に何が起きるか保証はできないが、私は己の本分を成すつもりだ。」

 パイプライン問題は、今や国民的関心事となっている。そして、中西部の石油資源を送るパイプラインがケベックを通る計画を、独立派は独立を訴える絶好の好機と見ている。
 総選挙が遅くとも来年までに実施されるにあたり、革新政党であるケベック連合と新民主党は、反対派の票を巡り熾烈な争奪戦を繰り広げている。離党騒ぎに先立ち、昨年末に実施された政党支持率調査では、ケベック連合は保守党と並び、新民主党より6ポイントリードしていた。2011年総選挙ではケベックで旋風を巻き起こした新民主党は、頭にターバンを巻いたシーク教徒が党首になり、支持を拡大できずにいる。ケベック連合は、パイプライン計画を党勢建て直しのための追い風と見て、リーダーシップ問題に終止符を打ち、より強い大胆なスタンスを示しておきたいところである。
 保守党はケベックでの支持率が伸び悩んでおり、支持拡大のためパイプライン問題に乗じ、ケベックにおける反対の声に一定の理解を示すようになった。だが保守党の支持基盤は中西部にあるため、反対派に完全に迎合することはできず、ジレンマに悩まされている。与党自由党と野党保守党がパイプライン計画を推進するなら、それは瀕死のケベック連合にとっては天の恵みとなろう。
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