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オンタリオ進歩保守党党首にダグ・フォード氏 [オンタリオ]

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 オンタリオ進歩保守党党首選の開票が3月10日に行われ、ダグ・フォード元トロント市議が第3回目の投票で当選した。世論調査でリードしていたクリスティン・エリオット元州議は、得票数でも選挙区数でも上回ったものの、独自のポイントシステムで敗れた。彼女は、選挙結果を認めないという声明を発表した。

 投票は、候補者に優先順位を割り振った投票を、インターネット上で一度だけ行った。有権者は事前に登録し、アクセスコードを郵送されなければならない。
 その際、有権者がどの選挙区に住んでいるかが重要な意味を持つ。オンタリオ州には124の選挙区があり、100票以上の選挙区と100票以下の選挙区に分けられる。100票以下の選挙区(3個所)では、得票数がそのまま獲得ポイントとなる。100票以上の選挙区(121個所)では、得票率がそのまま獲得ポイントとなる。たとえばフォード候補は、エトビコーク-ノース選挙区で471票中407票を取り86.4ポイントを獲得し、ダラム選挙区では1181票中433票を取り36.7ポイントを獲得した。つまり前者の407票は、後者の433票の2倍以上の価値があることになる。
 70ポイント以上獲得できた選挙区は、エリオット候補の6(全てトロント)に対し、フォード候補は11(全てグレーター・トロント)あった。エリオット候補はトロントとオンタリオ東部で強かったが、フォード候補はグレーター・トロントとエリー湖地区とオンタリオ北部で強く、大差の勝利が多かった。それがフォード候補が勝利した理由である。
 獲得ポイントの比率は、第1回目の投票ではエリオット候補34.1%、フォード候補33.4%、キャロライン・マルローニ候補17.2%、ターニャ・グラニック・アレン候補15.3%となり、アレン候補が脱落した。第2回目の投票では、フォード候補46.1%、エリオット候補35.8%、マルローニ候補18.1%となり、マルローニ候補が脱落した。アレン候補の票のほとんどは、フォード候補に流れたと考えられる。第3回目の投票では、フォード候補50.6%(得票率48.3%)、エリオット候補49.4%(得票率51.7%)と、得票率で下回ったフォード候補が、ポイントでは上回り当選を決めた。

 1票の格差や、インターネットのみの投票としたことでネットに不慣れな層が除外されたことに、4人の候補全員が異議を唱えた。当選したフォード新党首も、党首選見直しを約束した。エリオット候補陣営が「票が間違った選挙区に集計されている」と主張したため、当局による正式な当選発表は、予定より7時間も遅れた。
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写真:右からキャロライン・マルローニ候補、ダグ・フォード候補、クリスティン・エリオット候補、ターニャ・グラニック・アレン候補。
図:ダグ・フォード当選に悲鳴を上げるオンタリオ市民。
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