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ベヤック議員、シーア党首を批判「言論の自由を守る」 [先住民]

 1月4日に保守党幹部会を除名されたリン・ベヤック上院議員(無所属)は、8日に声明を発表し、アンドリュー・シーア党首を批判し、言論の自由を守ると述べた。
 シーア党首は4日、問題の投稿を連邦議会公式ウェブサイトから削除するよう要請し、拒否されたと発表したが、ベヤック議員は自分もスタッフも、シーア党首やそのスタッフからそのような要請を受けてなく、したがって拒否した事実はなく、幹部会除名もメディアの報道で知ったと語った。
 だがシーア党首の広報ジェイク・エンライト氏は、電話で話したと証言した。いっぽう匿名の保守党議員は、シーア党首も彼のスタッフも誰もベヤック議員と話していないことを確認したと明かした。彼は、ベヤック議員と話したのはスミス上院幹事長のスタッフではないかと語った。

 ベヤック議員は、巷で言われている陰謀論を挙げ、マスコミを批判した。
「メディアがトルドー首相の倫理違反や、納税者の負担で補償されているカダル一家とジョシュア・ボイルとの疑惑の関係に集中すべきときに、何か月もの間問題視されなかった古い手紙が、野党党首叩きに使われるのは、興味深いことではないか。」
(筆者注※トルドー首相が2016年、イマーム・ハン氏が所有する島で休暇をとった行為は利害対立法に抵触すると、2018年12月に勧告された。タリバンに誘拐され5年ぶりに救出されたジョシュア・ボイル氏は、以前オマル・カダル氏の姉ゼイナブ・カダルさんと結婚していた。カダル一家はビン・ラディンやアルカイダのプロパガンダを行ったことで知られ、オマル・カダル氏はアフガン戦争で米兵を殺したため16歳でグアンタナモ刑務所に服役した。ボイル氏はトルドー首相と面会した11日後、性的暴行・監禁・脅迫など15の容疑で起訴された)
 ベヤック議員はさらに、シーア党首はマスコミが撒いた餌に引っかかったと非難した。
「良いリーダーはそのような策略に決して引っかからないが、未熟なリーダーが僅差で勝利し、他の視点を十分に考慮しないと、知恵と常識をなくすことがある。」
「我々は、ポリティカル・コレクトネスで汚れた現在のものより、もっと良いリーダーを持つに値する。」
 そして彼女は、カナダ人がもううんざりだと考えていることや、お金は先住民の問題を解決しないという見解を共有していることを今後も掲示し続けると述べた。
「政府は何十年もの間、何億ドルもの納税者のお金を使ってきた。そして我々がしてきたことは、機能していない。」
「無所属議員として、私は言論の自由のための声であり続ける。」
「私は、多くの賢明なカナダ人に代わって語ることは義務であり役目であると考えている。」

 ベヤック議員は保守党幹部会を除名されたが、問題の投稿は連邦議会公式ウェブサイトに残ったままである。キャロリン・ベネット政府=先住民関係・北方問題大臣とジェーン・フィルポット先住民サービス大臣は、シーア党首に共同書簡を送り、彼の措置には満足しているが、投稿を削除させるには手助けが必要だと訴えた。
「これらの手紙の多くは、我々の寛容で包括的な社会に居場所を持たない明確な人種差別的ステロタイプや、多くの誤報を含んでいる。」
「政府の資源は、憎悪と対立を促進するのに用いられることは決してあってはならない。カナダ上院の公式ウェブサイト上に掲載されたことで、これらの攻撃的なコメントが連邦議会に推薦されたと解釈されることを、我々は憂慮する。」
 いっぽう新民主党のチャーリー・アンガス議員は、ベヤック議員が上院議員としてカナダ人に奉仕するには不適切であることへの対処として、「上院の手段」を行使するのでトルドー首相に協力を要請した。
 ベヤック議員のサイトを削除したり、連邦議会の資源の使用に関して新しい基準を設定することは難しくはないが、上院議員の罷免となると容易ではない。上院は2017年春、十代の少女と不適切な関係を持ったドン・メレディス上院議員を失職させるため動いたが、上院議員の失職には規定があり、結局自ら辞任した。
 上院議員が失職する条件とは、会期を2回連続で欠席した者、破産した者、そして「反逆罪あるいは悪名高い犯罪で有罪判決を受けた者」である。ベヤック議員がしたことは他人の意見を紹介し広めたことであり、有罪に該当するかは判断が分かれる。仮に有罪だとしても、ヘイトプロパガンダは罰金刑か社会奉仕が通例のため、「悪名高い犯罪」に該当するとは考えにくい。
 上院議員は改選がなく、任期は75歳の定年までなので、彼女は2024年2月18日まで上院議員を務めることができる。
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