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アルバータの保守新党、クーパー氏を暫定党首に選出 [アルバータ]

 ワイルドローズ党とアルバータ進歩保守党が合併した新党は、7月24日に最初の幹部会を開催し、ワイルドローズ党のネイサン・クーパー院内総務を新党の暫定党首に選出した。任期は2017年10月28日までとなる。
 だがこの日幹部会が開催される前に、進歩保守党のリチャード・スターク州議が離党した。彼は以前から、ケニー党首の方針に異を唱えていた。ケニー氏は、生徒がゲイ=ストレート同盟に加入した場合、保護者にすぐ通知すべきだと主張した。またケニー氏は、プライド・パレードに参加しなかった。スターク州議は、彼のこのような政治的スタンスを批判するとともに、新党がそこから脱皮するような兆しがないと説明した。
 スターク州議は、新党結成後も「進歩保守党」として議員活動を続けると語った。アルバータ選挙管理委員会は、「進歩保守党」が登録抹消されないかぎりは可能だとコメントした。クーパー党首は、新党の政策はまだ決定されてなく、これから議論され、党員によって採決されると強調した。

 2000年の連邦議会選挙で、カナダ同盟の得票率は25.5%、進歩保守党は12.2%で合計すると37.7%となり、自由党の40.9%に匹敵した。両党は2003年に合併しカナダ保守党となったが、2004年の最初の総選挙での得票率は29.6%と、単純な合計にはならなかった。世論調査は、2000年にカナダ同盟か進歩保守党に投票した5人に1人は、2004年に他党に投票したか棄権したことを示した。2000年総選挙でカナダ同盟に投票した人の88%と、進歩保守党に投票した人の68%が、2004年に保守党に投票したにすぎず、進歩保守党に投票した10人に1人は自由党に投票し、また10人に1人は棄権した。
 それでも30ポイント近い取りこぼしにもかかわらず、保守党は票を分散させないことで躍進した。2000年にカナダ同盟が得た議席66と進歩保守党が得た議席12を足すと78議席になるが、保守党は2004年総選挙で99議席を獲得した。
 2015年アルバータ州議会選挙時の世論調査では、ワイルドローズ党支持者の33%と進歩保守党支持者の19%が、次善の選択として(合併相手ではなく)新民主党を挙げていた。この事実は、保守系有権者ですら進歩保守党の再選を阻止することが必要だと考えていて、新民主党政権を阻止する必要を感じていなかったことを示す。
 現在の新民主党支持率は20%台中ごろで、ノトリー政権支持率は約30%である。これは、就任時のおよそ半分に当たる。もし保守の2党が合併しなかったら、支持率低下にもかかわらず新民主党は、保守票の分散で再選されることも夢ではなかった。新民主党はエドモントンで獲得した議席のほとんどを死守して、残りの選挙区でいくつかの議席を獲得して何とか第一党に留まるシナリオを書くことができた。
 合併した新党の得票率は、必ずしも旧党の合算にはならない。だが2015年州議会選挙における、進歩保守党の得票率27.8%とワイルドローズ党の得票率24.2%を足した52%に、カナダ保守党と同じ変数をかけると41%となり、新民主党の得票率40.6%に匹敵する。
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